競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【ユニコーンS・最終結論】絶好枠ゲット!チャンスだ振り抜け!
2019/6/15(土)
いつもならプロ野球・阪神タイガースについての悲喜こもごもから始まる当コラムだが、さすがに今日は禁止薬物の話から始めなければなるまい。当コラムは競馬コラムである。
前代未聞。まさにその表現がピッタリであろう。禁止薬物がエサに混入していた事件は以前にもあったが、これだけ大規模な騒動はかつてなかったように思う。調教師の問い合わせから発覚したというが、タイミング次第では更なる事態に発展していた。迅速な対応を評価すると共に、チェック機能の甘さについて議論されなければならないだろう。
今回の多くの除外により馬主の多くも不満の声を上げていると聞く。来週末の競馬施行に関しては問題ないとはいえ、週中の船橋競馬でもすでに競走から除外するなどの話があり、当分尾を引く問題となりそうだ。
日曜も多くの競走除外馬が出ている。展開的な影響を受けそうな馬がいるだけに、慎重に考えていきたい。
まずは東京11R・ユニコーンS。近5年の勝ち馬からノンコノユメ、ゴールドドリームとフェブラリーS勝ち馬が2頭出ているように、フェブラリーSと傾向が似ている。同じコースでやるのだからそれはそうだろうというツッコミはこの際なしにしてもらおう。
フェブラリーSで強い血統にクロフネやフレンチデピュティらが持っているデピュティミニスターの血があるが、当然ユニコーンSでもデピュティミニスターは強い。近5年を見ても、ノボバカラ、アルタイル、ゴールドドリーム、グレートタイムと好走馬を多く輩出している。
今年のデピュティミニスター持ちは内からエルモンストロ、デアフルーグ、ザディファレンス、ノーヴァレンダの4頭。中でも◎ノーヴァレンダ(牡3、栗東・斉藤崇厩舎)は前走伏竜S5着に敗れているものの、それまで外枠からスムーズなレースしかやってこなかった馬で、初めて内枠で砂を被る形になってしまったことが主な敗因。改めてパトロールビデオを見直すと、砂を被った瞬間顎が上がり、推進力に欠けたフォームになっているのが分かる。
そもそも伏竜Sは2着のマスターフェンサーがケンタッキーダービー6着、3着ラインカリーナが関東オークス1着とそれなりに相手も強かった。今回はそこから1kgの斤量減、そして父がダイワメジャーだけに、芝血統が来やすいユニコーンSに替わるのは大きい。外を回らされ過ぎなければ巻き返すチャンスはありそうだ。
ノーヴァレンダが敗れた伏竜Sを勝ったのがデアフルーグ(牡3、美浦・鈴木伸厩舎)。前走は初めての左回りで最内枠。初の芝スタートでもあった。三重苦という状況だったが、内からしぶとく抜け出してきて2着。内枠とはいえ6番枠なら前走とは違う競馬も可能だろう。
穴はニューモニュメント(牡3、栗東・小崎厩舎)。左回りのほうがスムーズに走れる馬で、砂を被れにくい外枠もプラス。時計が速くとも対応できる点は魅力的だ。大穴はデピュティミニスター持ちで切れ味鋭い末脚を持つザディファレンス(牡3、美浦・相沢厩舎)。3着を狙える力はある。
ユニコーンSの予想印はコチラで公開⇒
天気予報を見ると『暴風雨』と不安な文字列の記載がある函館競馬場。函館11R・函館スプリントSが道悪で行われるのは避けられないだろう。今年は道悪だと分かっていたので、道悪の鬼・シャマーダル産駒のライトオンキューを狙えば当たるな簡単だ…と思っていたら、ダノンスマッシュらとまとめて出走取消になってしまった。人生とは思わぬところに落とし穴がある。
元々函館スプリントSはスタミナある種牡馬の産駒が走りやすいレースである。マンハッタンカフェ産駒のガルボやヒルノデイバロー、ファルブラヴ産駒のエポワスらがいい例だ。残った7頭はそれなりにスタミナ血統を持っているものの、特に◎カイザーメランジェ(牡4、美浦・中野栄厩舎)の血統は気になるところ。
父サクラオリオンは全盛期に無類の洋芝巧者として知られ、重馬場の中京記念も勝ち切ったキングマンボ系エルコンドルパサーの産駒。伯父サクラゴスペルも力のいる馬場は得意であった。カイザーメランジェ自身は18年セプテンバーSで一度だけ稍重の芝を経験したのみで、稍重とはいえ勝ち時計が1.07.0という速い決着。あまり参考にならない。本質的に道悪巧者の可能性はある。
ネックとしては距離短縮がよく来るレースだけに、距離延長がどう出るかという点。直線1000mの適性は少ないことから、前走の6着はあまり気にしなくていい。
タワーオブロンドン(牡4、美浦・藤沢和厩舎)は血統的には道悪ができないシーンが想像できない。58kgがどうかだろう。道悪の上手さで言えばペイシャフェリシタ(牝6、美浦・高木登厩舎)も外せない。穴は距離短縮のダイメイフジ(牡5、栗東・森田厩舎)。道悪ができればというところ。更に穴ではサフランハート。都合上印は回っていないものの、道悪は上手く、内ラチを頼るところがあることから、最内もいい。力が足りるかどうか、その一点に尽きる。
函館スプリントSの予想印はコチラで公開⇒
阪神競馬場は土曜の雨が残って、馬場状態発表以上の重さが残ると思われる。阪神11R・米子Sは『道悪の鬼』こと◎ワンダープチュック(牡5、栗東・河内厩舎)。どんなに悪い馬場でも泳ぐようにこなし、まるでトヨタのランドクルーザーを思い起させる。昨年も不良馬場の錦Sで1着、続く重馬場の多摩川Sも2着と、道悪馬場に対する適性は現役の中でも相当高い。
まだ準オープンの身であるものの、昨年の福島テレビオープンでも2着に食い込むなど、実力はオープン級。前走も出遅れながら追い込んできた内容は秀逸で、前に壁を作れる内枠もいい。
位置取りが後ろ過ぎる点は気になるが、同じく道悪巧者のキョウヘイ(牡5、栗東・宮本厩舎)あたりまで手を伸ばしてみたい。まったく関係ない話だが、友人に名前がキョウヘイくんという、筆者の地元・山形県の山奥の温泉旅館の跡取り息子がいる。朝市で有名な肘折温泉の木村屋という旅館だ。機会があれば読者の方も行ってみてはいかがだろうか。
前代未聞。まさにその表現がピッタリであろう。禁止薬物がエサに混入していた事件は以前にもあったが、これだけ大規模な騒動はかつてなかったように思う。調教師の問い合わせから発覚したというが、タイミング次第では更なる事態に発展していた。迅速な対応を評価すると共に、チェック機能の甘さについて議論されなければならないだろう。
今回の多くの除外により馬主の多くも不満の声を上げていると聞く。来週末の競馬施行に関しては問題ないとはいえ、週中の船橋競馬でもすでに競走から除外するなどの話があり、当分尾を引く問題となりそうだ。
日曜も多くの競走除外馬が出ている。展開的な影響を受けそうな馬がいるだけに、慎重に考えていきたい。
まずは東京11R・ユニコーンS。近5年の勝ち馬からノンコノユメ、ゴールドドリームとフェブラリーS勝ち馬が2頭出ているように、フェブラリーSと傾向が似ている。同じコースでやるのだからそれはそうだろうというツッコミはこの際なしにしてもらおう。
フェブラリーSで強い血統にクロフネやフレンチデピュティらが持っているデピュティミニスターの血があるが、当然ユニコーンSでもデピュティミニスターは強い。近5年を見ても、ノボバカラ、アルタイル、ゴールドドリーム、グレートタイムと好走馬を多く輩出している。
今年のデピュティミニスター持ちは内からエルモンストロ、デアフルーグ、ザディファレンス、ノーヴァレンダの4頭。中でも◎ノーヴァレンダ(牡3、栗東・斉藤崇厩舎)は前走伏竜S5着に敗れているものの、それまで外枠からスムーズなレースしかやってこなかった馬で、初めて内枠で砂を被る形になってしまったことが主な敗因。改めてパトロールビデオを見直すと、砂を被った瞬間顎が上がり、推進力に欠けたフォームになっているのが分かる。
そもそも伏竜Sは2着のマスターフェンサーがケンタッキーダービー6着、3着ラインカリーナが関東オークス1着とそれなりに相手も強かった。今回はそこから1kgの斤量減、そして父がダイワメジャーだけに、芝血統が来やすいユニコーンSに替わるのは大きい。外を回らされ過ぎなければ巻き返すチャンスはありそうだ。
ノーヴァレンダが敗れた伏竜Sを勝ったのがデアフルーグ(牡3、美浦・鈴木伸厩舎)。前走は初めての左回りで最内枠。初の芝スタートでもあった。三重苦という状況だったが、内からしぶとく抜け出してきて2着。内枠とはいえ6番枠なら前走とは違う競馬も可能だろう。
穴はニューモニュメント(牡3、栗東・小崎厩舎)。左回りのほうがスムーズに走れる馬で、砂を被れにくい外枠もプラス。時計が速くとも対応できる点は魅力的だ。大穴はデピュティミニスター持ちで切れ味鋭い末脚を持つザディファレンス(牡3、美浦・相沢厩舎)。3着を狙える力はある。
ユニコーンSの予想印はコチラで公開⇒
天気予報を見ると『暴風雨』と不安な文字列の記載がある函館競馬場。函館11R・函館スプリントSが道悪で行われるのは避けられないだろう。今年は道悪だと分かっていたので、道悪の鬼・シャマーダル産駒のライトオンキューを狙えば当たるな簡単だ…と思っていたら、ダノンスマッシュらとまとめて出走取消になってしまった。人生とは思わぬところに落とし穴がある。
元々函館スプリントSはスタミナある種牡馬の産駒が走りやすいレースである。マンハッタンカフェ産駒のガルボやヒルノデイバロー、ファルブラヴ産駒のエポワスらがいい例だ。残った7頭はそれなりにスタミナ血統を持っているものの、特に◎カイザーメランジェ(牡4、美浦・中野栄厩舎)の血統は気になるところ。
父サクラオリオンは全盛期に無類の洋芝巧者として知られ、重馬場の中京記念も勝ち切ったキングマンボ系エルコンドルパサーの産駒。伯父サクラゴスペルも力のいる馬場は得意であった。カイザーメランジェ自身は18年セプテンバーSで一度だけ稍重の芝を経験したのみで、稍重とはいえ勝ち時計が1.07.0という速い決着。あまり参考にならない。本質的に道悪巧者の可能性はある。
ネックとしては距離短縮がよく来るレースだけに、距離延長がどう出るかという点。直線1000mの適性は少ないことから、前走の6着はあまり気にしなくていい。
タワーオブロンドン(牡4、美浦・藤沢和厩舎)は血統的には道悪ができないシーンが想像できない。58kgがどうかだろう。道悪の上手さで言えばペイシャフェリシタ(牝6、美浦・高木登厩舎)も外せない。穴は距離短縮のダイメイフジ(牡5、栗東・森田厩舎)。道悪ができればというところ。更に穴ではサフランハート。都合上印は回っていないものの、道悪は上手く、内ラチを頼るところがあることから、最内もいい。力が足りるかどうか、その一点に尽きる。
函館スプリントSの予想印はコチラで公開⇒
阪神競馬場は土曜の雨が残って、馬場状態発表以上の重さが残ると思われる。阪神11R・米子Sは『道悪の鬼』こと◎ワンダープチュック(牡5、栗東・河内厩舎)。どんなに悪い馬場でも泳ぐようにこなし、まるでトヨタのランドクルーザーを思い起させる。昨年も不良馬場の錦Sで1着、続く重馬場の多摩川Sも2着と、道悪馬場に対する適性は現役の中でも相当高い。
まだ準オープンの身であるものの、昨年の福島テレビオープンでも2着に食い込むなど、実力はオープン級。前走も出遅れながら追い込んできた内容は秀逸で、前に壁を作れる内枠もいい。
位置取りが後ろ過ぎる点は気になるが、同じく道悪巧者のキョウヘイ(牡5、栗東・宮本厩舎)あたりまで手を伸ばしてみたい。まったく関係ない話だが、友人に名前がキョウヘイくんという、筆者の地元・山形県の山奥の温泉旅館の跡取り息子がいる。朝市で有名な肘折温泉の木村屋という旅館だ。機会があれば読者の方も行ってみてはいかがだろうか。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。