競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【七夕賞】レース、コースとも相性抜群の血統を狙い撃ち!
2018/7/7(土)
今朝起きてテレビを付けると、ニュースは西日本各地の大雨被害で持ちきりであった。今回被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げると共に、1日も早くいつもの日常に戻れますよう願っております。
その大雨の影響で、阪神甲子園球場では今日土曜日の阪神タイガースVS横浜DeNAベイスターズの試合が中止となった。これで3試合連続の雨天中止である。甲子園での開催試合が3試合連続で中止になるのは、実に23年ぶりだという。9月末にこれらの試合が代替開催されることにより、20連戦の可能性も浮上しているようで、仮にそうなった場合阪神ファンには精神的にキツい3週間となりそうだ。今年の阪神は雨天中止の翌日の試合で無類に強いチームだけに、明日日曜の試合に期待したいところである。
さて、ところ変わって土曜の福島競馬場はまるでGIのような盛り上がりを見せていた。障害の絶対王者オジュウチョウサンが参戦した開成山特別のパドックの人だかりはとても土曜の福島競馬場とは思えないもので、ファンファーレの後には拍手も起きたとのこと。
結果は皆さんもご存知の通り、圧勝。4コーナーをいい手応えで回ってきた時はテレビの前で声が出るほど驚いてしまった。この空前の盛り上がりを見せたレースでキッチリ勝ってみせるあたり、さすが日本が世界に誇る名手、武豊ジョッキーである。
レース後、所有する長山尚義オーナーは年末の有馬記念や来年のドバイ挑戦を示唆した。賛否両論あるだろうが、どのようなローテになろうが、この規格外の怪物の動向は注視していきたい。
日曜の福島競馬場、メインレースは七夕賞。土曜の福島後半戦、芝を一周以上するレースは3つあり、9レースの1着オジュウチョウサン、2着ドリームスピリット、10レース3着スクエアフォールド、11レース3着ユニゾンデライトと、ロベルトの血を持っている馬の活躍が目立った。七夕賞自体、父ロベルト系のタガノエルシコが5年前に14番人気3着と穴を開けたり、昨年ロベルト持ちの馬がワンツーしたりと、以前からロベルトとの相性がいいレース。
◎マイネルフロスト。母方にロベルトの血を持つ昨年のこのレース2着馬だが、続く新潟記念6着の後靭帯炎を発症して9ヶ月半の休養を強いられた。それを考えれば前走のエプソムカップは休み明けながら1着と0.9秒差、9着という着順ほどは悪くない内容だっただろう。一叩きされた今回はチャンスがありそうだ。
血統的に福島は合いそうなサーブルオール、素質馬プラチナムバレットに加え、買っておきたいのがメドウラーク。福島芝は初経験も、雨で湿った芝で上がりが掛かるとこの馬は強い。思ったより雨が降らず◎をやめ☆に留めたが、父方にロベルトの血を持つだけでなく、マデイラなど過去に七夕賞で産駒が穴を開けたクロフネの血を母父に持つのも強調点だ。
中京競馬場のメインレース・プロキオンSは◎キングズガード。このレースは前半3Fを34秒台前半で通過し、後半3Fが36秒以上掛かる前傾ラップになりやすいことで、過去5年で3着以内に入った15頭中、12頭が4角5番手以下と差し馬有利のレースになる特徴がある。
今年もドリームキラリ、ルグランフリソン、ドライヴナイト、マテラスカイ、サイタスリーレッドなど先行馬が多く揃い、枠の並びを考えると前傾ラップが予想される。34.2-36.9というラップバランスだった昨年のプロキオンSを鮮やかに差し切ったのがキングズガード。左回りは直線でモタれる点がネックとなるものの、その癖は藤岡佑介騎手も熟知している。
距離短縮にも対応できそうなインカンテーション、2走前の京葉Sを鮮やかに差し切ったように前傾ラップに実績のあるダノングッドあたりを上位評価しておきたい。
函館競馬場のメインレース・マリーンSは◎ストロングバローズ。前走は2ヶ月半ぶりで、馬体重が+16キロ。休み明けに加えて滞在で絞り切れなかったのだろう。そう考えれば1着から0.3秒差の4着はよく走っていると言っていいのではないか。間隔を詰めて今回は多少絞れてくることに加え、時計の速い勝負にも対応可能とくれば狙ってみる価値はある。
他に平場から取り上げるなら函館2レースの◎ミキノトムトム。前走は最内枠から出遅れてその時点でレースが終了してしまった。かと思われたが、直線でよく追い込んできて4着に食い込んだ。互角のゲートが切れればこのクラスでは力上位。最内枠ではない今回はスタートもマシになってくるだろう。
さて、筆者は明日からセレクトセール取材に北海道へ飛ぶ。まだ何も準備していないが、北海道の最低気温が10℃になった場所もあると聞くと、明日から戦々恐々である。例年なんだかんだ晴れて暖かくなるだけに、今年も快晴の中、ビッグイベントを楽しみたいところだ。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。