チャンス襲来

先日の話である。

筆者が出演するYouTube予想動画『うま馬データMOVIE』を制作している競馬ラボの狩野雄太氏と、熱狂的ヤクルトファンの少年(8歳)の3人でプロ野球・ヤクルトスワローズVS横浜DeNAベイスターズの一戦を観に行った。熱狂的ヤクルトファンの少年は観戦中、終始テンションが高かった。

一番驚かされたのは、4点ビハインドの9回になってもまったく諦めていないところである。ネガティブ系阪神タイガースファンの筆者は2点差でも諦めてしまうだけに、必死に声を枯らせる姿は眩しくもあった。なぜヤクルトファンなのか聞いてみると、「よく勝つから」という小学生らしい答えが返ってきた。

昨日8月10日(金)終了時点でヤクルトは今季45勝、阪神タイガースは44勝。勝ち星はほとんど変わらない。なんとかして来年までに「ヤクルトファンの少年を阪神ファンにしよう」と決意して神宮球場を後にした。

毎度お約束の競馬とまったく関係ない話からスタートしたが、土曜は札幌10R・コスモス賞で「この馬は芝向き」と推奨した◎ナイママが素質馬アガラスを下してみせた。フットワークや血統から芝でこそいいと感じていたが、予想以上の走り。この先が楽しみである。

さて、日曜の予想に移ろう。土曜の新潟競馬を見ていると11R・新潟日報賞のように、内を通った馬の活躍が目についた。開催は進んでいるものの、今開催の芝は全体的に内の状態がいい。

関屋記念(G3)は、好枠ともいえる5番枠を引き当てた◎ショウナンアンセムに注目したい。以前は体質もしっかりしていないことなどもあり出世が遅れたが、昨年の秋の休養明けから馬が変わってきて、安定した競馬ができるようになった。色々なレースができるようになったあたりに成長を感じる。このレースを得意とするトニービンの血を持っている点も強調材料に挙げられる。

それ以外では、充実一途のリライアブルエース、この舞台の新潟2歳Sを制しているフロンティアなどを厚めに買っておきたい。

関屋記念の予想印◎○▲は⇒

札幌11R・エルムS(G3)は近年良馬場で開催されることが少なく、時計が速い決着が続いている。今年も週末にかけて雨が降ったため、土曜は不良馬場で競馬が行われた。土曜9Rの500万条件の勝ち時計は1.43.9。前に行きたい馬も多く、持ち時計のあるタイプに有利なレースとなりそうだ。

本命◎はリーゼントロック。以前は揉まれると良くないタイプだったが、前走のマリーンSでは後方に控え差し込んでくるという今までにないレース振りで3着と、気性面に成長の跡が伺えた。ダートの重、不良馬場は[2-1-1-1]と得意にしており、持ち時計も更に詰まる可能性はある。

南関東競馬に転入して一気に上昇したリッカルドは内枠で揉まれ過ぎなければチャンスはあるだろう。昨年のこのレースを1.40.9の好時計で制したロンドンタウンは気性が難しく、鞍上蛯名騎手がテン乗りとなる点が気になるところ。

エルムSの予想印◎○▲は⇒

小倉11R・博多Sは◎ヴァフラーム。小倉2000mは向正面手前から平坦で、そこからペースが落ちず持続力勝負となりやすい。父ハービンジャー、母父ジャングルポケットと共に持続力がウリの種牡馬の血を併せ持つヴァフラームにとっては適条件と言っていい。実際この条件の西海賞を勝ち上って1000万を卒業しているだけに、牡馬相手でも評価は落とせない。

平場からは新潟12R・3歳上500万下の◎サリネロ。2歳時にアメリカのトレーニングセールで落札された馬だが、その時の脚力は惚れ惚れするものだった。ところが気性に難しいところがあり、現状大成できていない。揉まれると良くない馬だけに、直線1000mに条件が替わるのはプラスではないか。母系にカルストンライトオなど数々の新潟直線1000m巧者を送り出したインテントの血を持つなど、血統背景はこの舞台に適性はありそう。ブリンカーをつけたことで、最後までレースに集中できれば面白い。

最後に、おまけがてら日本時間の日曜夜に行われるジャックルマロワ賞(G1)も。今年はジェニアルが参戦することで話題になったこのレース。ジェニアルは結局ケガで回避することになったが、元々今年は近年最高のメンバーが集まるのでは……と噂されていたレースである。今年のドバイワールドカップ勝ち馬サンダースノーは直前で回避したものの、近2走以内にGIを制した馬が6頭も出るという豪華メンバーとなった。

舞台はドーヴィルの直線マイルコース。平坦ということもあり、イギリスやアイルランドのマイルコースよりスピードが求められる。そのため持続力とスピードに優れたダンジグの血が活躍しやすい。1番人気が予想されるGI3連勝中のアルファセントーリも父はダンジグ系のマスタークラフツマン。相性はいい。

ただ1番人気に本命を打つのも気が引ける。そのため◎ウィズユーにしてみたい。この舞台で行われた前走のGIロートシルト賞は相手関係に恵まれたところもあるが、残り200mで先頭に立つと突き放して完勝。2走前のフランスオークス、3走前のサンタラリ賞は距離が2000m以上と少し長い中で接戦の末に惜敗したが、適距離のマイルならパフォーマンスが上がることを証明した。父はダンジグ系ダンシリ。血統的適性は高そうである。

相手は前述のGI3連勝中のアルファセントーリ。前走のフランスマイルGIジャンプラ賞をワンツーしたインテロジャントカスカディアンの3歳馬コンビを中心に買っていきたいところだ。