一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
秋華賞のマイネグレヴィルは好調です
2014/10/16(木)
この土曜は東京で10鞍に騎乗します。2Rのアイナの初戦は全然行きっぷりが悪かったのですが、最後はしっかり伸びてくれました。一度使って調教の感じがグンと上向いており、実戦であの走りをしてくれれば、十分チャンスがあると思います。9Rのデヴァスタシオンは関西馬で初めて乗るのですが、初ダートだった前走の時計が優秀で、具合も凄くいいと聞いています。相性の良い鮫島厩舎の馬ですし、当然力が入ります。10Rのマイネルアダマス、12Rのコスモナイスガイは勝手を知っている馬ではありますが、だからこそ東京コースでは枠順や展開に左右される面が否めません。上手く脚を溜めて、ひとつでも上の着順に来れるよう頑張ります。
続く日曜は京都で6鞍に騎乗します。中間にもご報告してきた秋華賞のマイネグレヴィルは、そもそも状態の変動が少ないタイプで、難しいところなく良い調整ができています。以前に比べて落ち着いていますし、馬に幅も出てきましたよ。瞬発力勝負になると分が悪いので、スタミナがあって長くいい脚を使えるという武器を活かしたいですね。残念ながら理想であるタフな馬場にはならなそうですが、コース的には一番合うと思いますので、適した乗り方ができればと思います。
12Rのタガノトネールは、前走でクラスが上がっても、勝つ力があるところを見せてくれました。意外にも京都のダートは初めてのようですが、自然に先行できる馬ですし、コースも合いそうなイメージがあります。関西圏で乗せていただけるのも光栄なので、何とか勝ちたいと思っています。5R(2歳新馬)のコスモジョイジョイはG1馬オウケンブルースリの兄弟で、調教もかなり動いているとお聞きしました。他にも評判馬が揃っているようですが、ヒケを取らない走りに期待しています。
3日間競馬が終わって、休日だった火曜は、第1・3月曜が休館日のためかなか行く機会がない東京都美術館でウフィツィ美術館展を観てきました。今週は水曜、木曜が調教の後に川崎競馬で騎乗というハードスケジュールだったので、その前に気分が変えられたと思います。早速、水曜に初めて乗ったウインヴォイジャーで勝てたので、これから気持ち良く木曜の川崎競馬に騎乗してきます!1週間で競馬が5回という稀な週ですが、土日も全力騎乗で頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。