競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【アメリカJCC】ダービー馬の血が脈々と繋がる素質馬
2021/1/19(火)
ダービー3着のヴェルトライゼンデ、菊花賞でコントレイルにかなり迫ったアリストテレス。サトノフラッグも侮れない。そしてオークスでデアリングタクトに肉薄したウインマリリン。エリザベス女王杯でも古馬陣に混じって最先着の若駒である。この53キロは魅力だろう。斤量で言えばサトノフラッグの56キロ。G2勝利での1キロ増しで、この1キロが微妙に響かないか。
やはりアリストテレスに期待だろう。母ブルーダイヤモンド、その母グレースアドマイヤは、あのバレークイーンの子供でフサイチコンコルドに繋がる。ダンスインザダークを破って勝ったダービーは見事だった。その血が脈々と繋がるアリストテレスだ。今年の活躍が大いに期待できる。
【日経新春杯の回顧】
21年1/17(日)1回中京6日目11R 第68回 日経新春杯(G2、芝2200m)
- ショウリュウイクゾ
- (牡5、栗東・佐々晶厩舎)
- 父:オルフェーヴル
- 母:ショウリュウムーン
- 母父:キングカメハメハ
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ショウリュウイクゾの重賞出走は、2歳時の京都2歳S(G3)だけ。新馬戦を阪神で勝った後の5ケ月ぶり。新馬戦と同じく浜中騎手が乗って5着。その時の勝者がクラージュゲリエだが、1秒離されていた。ほぼ一年前の京都で2勝クラスを勝ち、昇級して3勝クラスでも善戦はしていた。
2戦前ではアドマイヤビルゴと対戦して2着。その時の斤量ではアドマイヤビルゴが54キロ、ショウリュウイクゾが56キロ。年齢的なハンデがあったにしろ、ショウリュウイクゾも重くつけられていたのが判る。そして今回はアドマイヤビルゴが56キロに対して、ショウリュウイクゾは53キロと随分と差が出た。と、後で判るのが残念。そこだけでも着眼点があればと。
ショウリュウイクゾのレースぶりは堂々と3番手の外めを追走して、直線でバテだしたダイワギャグニーを尻目にジワジワと伸びての勝利。同じ位置にいたアドマイヤビルゴ、ヴェロックスがまったく伸びないのに、その少し後ろの外めにいたクラージュゲリエが伸びて3着。最後方から進めていたミスマンマミーアが、大外を鋭く伸びて2着。1頭だけ目立つ脚色であった。ヴェロックス9着、アドマイヤビルゴは10着。私が先週のこの重賞展望で中心視していたダイワギャグニーに至っては、12着とサッパリだった。
土曜の昼過ぎに中京競馬場でも雨が降っていた。それまでと馬場状態が微妙に変わったのかも知れない。砂埃が画面からでも見える程だったのが、それほどでなくなった。それは日曜になっても変わらずで、全体に水分を含んだそれになったのかも知れない。だから外を通った馬の伸びが違っていたのかも知れない。だが、それなら全体の馬が直線での入り方を真ん中を選んだはず。ここは当事者でないと判らない。
団野騎手もショウリュウイクゾも重賞初勝利。母親のショウリュウムーンは重賞3勝馬。その子供での重賞制覇。団野騎手を応援して来た佐々木晶三師、満面の笑顔が浮かびそうである。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。