上昇一途シャルール一線級相手にどう闘う
2016/5/8(日)
4連勝を狙った福島牝馬Sまでの道程
－：ヴィクトリアマイル(G1)に向かうシャルール(牝4、栗東・松永幹厩舎)ですが、前走の福島牝馬Sは惜しくも2着でしたね。
額田洋介調教助手：大外枠もこたえましたね。ジョッキーが言っていたのは「思ったより前が残った」と。状態面から、重賞でも行けるかなという雰囲気はあったのですが。
－：向正面で一旦ポジション下げられたのは、脚をタメる競馬に徹したわけでしょうか？
額：そうですね。結果は悲観していないので、オープンでも十分やれるなと。前回については枠が痛かったですね。
－：あまり無理をせずに位置を取りに行かれたと思うのですが、ポジション的には馬混みの中でも問題ないですか。
額：折り合いもつくので。去年の北海道の頃は折り合いに難しさもあるのかな、と思っていましたが、秋くらいから全然そんなところはなくなったので。
「3連勝の条件が全て違いますよね。それを連勝できたのは力があるな、と。最初に中京を勝った時は“やっと勝ったな”という思いでしたが、もともと1000万を勝てるとは思っていたので。勝った時には“準OPくらいなら勝てるんじゃないかな”とも思ったんです」
－：普段の性格はどんな子ですか？
額：チャカチャカするところはありますね。前走もパドックでは良い感じで歩いていたのですが、ジョッキーが跨ってからは気合が乗ってきたので。でも、いつもそうなのでね。馬がレースをわかっているのでしょう。
－：福島に続き、長距離輸送が続きますね。
額：決して得意ではありませんが、馬体減りも昔に比べたらマシになりましたね。今はそんなに変動はないです。こちらで余裕を持たせて、向こうで減らす感じにしています。ずっとプラス体重で来ていますね。
－：輸送の心配が少ない事はいいですね。基本的に食いっぷりは良い方ですか？
額：去年の秋くらいから食いが良くなって、安定して走れるようになりました。もともと去年の春頃はカイ食いがあまりよくなくて、一回競馬使ったら出して、を繰り返していました。急いで仕上げて行くから、どうしてももうひとつ結果が出なかったですね。秋頃、厩舎にずっといたらカイ食いも良くなったんです。それに力はあるのはわかっていました。
－：新馬戦は6馬身差の圧勝でしたものね。忘れな草賞ではミッキークイーン相手に上がり最速を出していましたし、そこから時間が空いて、2着が続いたあと3連勝、と。
額：3連勝の条件が全て違いますよね。それを連勝できたのは力があるな、と。最初に中京を勝った時は“やっと勝ったな”という思いでしたが、もともと1000万を勝てるとは思っていたので。勝った時には“準OPくらいなら勝てるんじゃないかな”とも思ったんです。そうしたら本当に完勝して。それで一息入れた今回、欲を言えば、勝ちたかったのですが。
ジョッキー目線の距離適性は！？
－：ヴィクトリアマイルは距離が短くなって、条件が変わりますが、その点に関してはどうでしょうか？
額：確かにマイルは少し忙しいかもしれないですね。3歳時にマイルを使った際に、ジョッキーたちが「この馬はマイルを使う馬じゃないよ」と言っていたんですよ。ベストは1800あたりだと思います。それとノリさんが「ヴィクトリアマイルに入らなかったら、目黒記念を使ってほしい」と言ってきたんです。前々走の時も「2000以上でも行ける」と言っていました。ただ、東京だし、長い直線が有利に働くのではないでしょうか。前々走で“絶対勝てる”と思っていたらしいですからね。素質は評価してくれているはずです。とはいえ、相手が一線級になるので、そこが不安ですね。
－：スタミナも成長が見えますか？
額：いや、意外と最初からスタミナあったんですよね。1800mか2000mで新馬を使おうと思っていたので。ただ非力な面が心配でしたが、勝てました。福永さんらも「マイルとか中距離の馬じゃないよ」とずっと言っていました。
－：だとすれば、目黒記念の条件も合いそうですか？
額：いきなり2500は流石にどうかわからないですが……、乗り役さんたちはみんなそう言うので。サメちゃん(鮫島克駿騎手)なんか「1000万を勝った時に1頭でも良いから東京に乗りに来たい」といってくれたくらいです。
－：今はどんな状態ですか？
額：一回使って良くなっています。以前から使ってからのほうが状態は良くなるようになりましたね。
－：春の大目標はどこにあるのでしょう？
額：今のままだと降級しますよね。そこら辺も含めてどうするのか。ヴィクトリアマイルに入ればノリさんとのタッグで。相手は強いですが、1600mはどうなのかという馬ばかりなので、この馬にもチャンスはあるのではないでしょうか。
－：それでは最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
額：とてもファンの多い馬だと思います。惜しいレース続きでしたが、今後も楽しみな馬になりました。大舞台でも応援よろしくお願いします。
▲準オープンの初音Sは横山典弘騎手を背に2馬身差快勝！
プロフィール
【額田 洋介】Yousuke Nukada
高校時代から乗馬を始める。卒業後、福岡の実家近所の乗馬クラブで手伝いをしていた関係で、ノーザンファームを紹介してもらうことに。牧場勤務当時はゴールドティアラやブロードアピールなど、松田国英厩舎関連の馬達と触れ合う。そこから競馬学校卒業後は鹿戸幸治厩舎に所属し、解散の流れで松永幹夫厩舎に異動。開業時からのスタッフとして厩舎の屋台骨を支えている。
