ノンコノユメ 前走G1・4着も全力出さずの内容 4度目の挑戦で最高の着順目指す
2018/11/25(日)
JRAG1ダブル制覇が懸かる。今年は根岸Sで復活の狼煙をあげると、フェブラリーSを制し、初めての中央G1勝ちとなったノンコノユメ。その後は3戦連続4着と惜しい競馬が続いているが、ゲートや気性面の課題を露呈しながらのもので力負けとはいえないだろう。チャンピオンズCは3歳時に2着になった舞台。力を出し切れば、G1級であることは言わずもがなの馬が、これまで以上のメンバーが集結した一戦で激走となるか。
-:チャンピオンズC(G1)に挑むノンコノユメ(セ6、美浦・加藤征厩舎)についてよろしくお願いします。まず、前走のJBCクラシック(4着)の馬のデキとレース内容について、振り返っていただけますか?
加藤征弘調教師:馬のデキ自体は前々走と変わらず、良い状態を維持したまま競走に向かえたと思っています。レースの内容としてはちょっとゲートで遅れをとって、最後方からの競馬になりましたけど、あの馬なりの形でレースを運べたし、やや4コーナーで外を回らされた以外は、十分にあの馬らしい競馬が出来たんじゃないかと思っています。
-:初めての京都コースでの競馬でしたけど、それについてはいかがでしたか?
加:初めてというか、右回りではそこまでレースがなかったので、上手い下手とか、巧拙はそんなに感じていなかったです。今までと同じようなレースは出来たと思いますよ。
-:問題なかったということですね。その後の馬の様子を先生はどのようにご覧になられていますか。
加:レース後は全く疲れていませんでしたね。息もフーとも上がっていなかったので、まだまだ余力があったような気がしますね。
-:まだ馬が力を出し切っていなかったということですか。
加:そうですね。直線に向いてまた伸びかけて、1回ソラを使ったりだとか、そんな状況だったので、まだ本気にはもう一歩だったのかな、という感じでしたね。
▲1週前追い切りを行うノンコノユメ
-:その後の中間の過ごし方を教えてください。
加:1週間は行かなかったのですが、5日間ほどは1回放牧に出して、精神面を穏やかに落ち着かせました。やっぱりずっとトレセンに置いておくと、終始競馬を待つような気持ちになるので、そういうことは全くないんだよ、ということを、5日間だけ放牧で1回気持ちを静めて、それから入厩してきましたね。
-:今日(11月22日)、1週前追い切りされました。その内容と狙い、動きの評価をお願いできますか。
加:狙いというか、1月に1回ずつ、10月と11月にもう2回レースに使っていますからね。特にそんなに強い負荷は必要ないということで、せっかく静めた精神状態も毎週併せ馬をすると、すぐに気持ちも入るような感じだったので、今週は単走にしました。
-:気持ち面での穏やかさはいかがですか。
加:やっぱり5日放牧に出した効果で、全く違いますよ。穏やかになって、目つきがけっこう落ち着いたというかね。
-:この後の馬の様子をみてからになると思いますけど、現状での当該週の調整予定はいかがですか?
加:当該週は2頭併せか、3頭併せになるか分からないですが、先行して内側から追い掛けてきた馬に併せてもらう形を取ろうかなと思っています。
-:それで、少し気持ちが乗ればという感じなのですか?
加:トレセン自体が周りに馬が一杯いるし、単走で追い切っても目の前に馬もいるし、本当に単走という感じの追い切りではないので、あまり神経質にならなくても良いと思いますよ。
-:それで、十分に仕上がってくるということですね。今回は4回目のチャンピオンズCということで、中京の1800というコースの見立てはいかがでしょうか?
加:さすがに4回目で(コースの)練習もさせてもらっているので、そろそろ上手に走ってくれると思いますよ、ハハハ(笑)。
-:さっきもちょっとお話がありましけど、前走はゲートが少し遅かったかところがありました。
加:そうですね。ゲートはここのところ…。盛岡のナイターや、前走も奇数番で早く入れたとかもありましたし、待たされて、後ろから馬が入ってくると馬がイラついて、立ち上がるような仕草もするのですが、今回は競走前にシッカリと、当日の発走前に練習をして。
-:返し馬を終えてからということですね。
加:返し馬を終えて、一度練習をしてから臨みたいと思っているので、出来るだけそのようなことがないように。それで、過去に効果があった馬が何頭もいますので、その辺の態勢は、みんなに迷惑を掛けないようにやっていくつもりです。
-:最後に意気込みをお願いできますか。
加:一番若かった3歳の時に2着で惜しい負け方をしましたが、それから馬自身もだいぶ精神的にも競馬を覚えてきました。粗削りな部分はなくなったけども、最後にまたしっかり脚を使えるようになってきているので、そろそろやってくれるんじゃないかなと。
-:ありがとうございました。
プロフィール
【加藤 征弘】 Yukihiro Kato
1965年9月14日、東京都出身。祖父、父らが『エビス』の冠名で競走馬を所有する競馬に近い環境で育つ。1991年に加賀武見厩舎の厩務員としてキャリアをスタートし、二本柳俊一、内藤一雄、相川勝敏厩舎の調教助手を経て2002年に厩舎を開業。2004年にピットファイターが武蔵野Sを勝って重賞初勝利。2007年にはシャドウゲイトでシンガポール航空インターナショナルCを勝ちG1初制覇。日本より先に海外G1を制する快挙を成し遂げた。2015年にはノンコノユメでジャパンダートダービーを制し交流G1初制覇、そして今年2月のフェブラリーSを同馬で制して悲願のJRAG1初制覇をマーク。節目のJRA通算500勝まであとわずかで、更なる飛躍が期待される。