元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
65(ロゴ)
2016/6/9(木)
さて、競馬の話しに参りましょう。まさに弱点だったキレ味がない馬の特徴を理解し、見事G1安田記念で、復活勝ちをしたのは6/5(ロゴの日)に5枠6番のロゴタイプでした。2歳3歳と順調にきた馬が勝てなくなって3年ほどが経つ中、見事な復活には全てがかみ合ったことにあると思います。まず、一番の勝因は、私は厩舎スタッフが諦めなかったことだと思います。周りが、もう勝てない馬だと言ったり、けなしたりしたこともあると思います。その中でも、もう一度、この馬の輝きを取り戻すんだという熱い意思と、適性を慎重に探った結果だったと思います。
次の勝因は騎乗の思い切りの良さと他馬が出て来れない展開にあったと思います。レース前から、枠順を考えてもクラレントが行くと思いましたが、スタートが良かったロゴタイプがハナを奪いに行くと、ディサイファが内に入れながら控えたため、行き脚が付かなかったクラレントは自然と控える形しか取れなくなりました。これにより、単騎逃走の形になったことが2つ目の勝因でしょう。そんな、他馬を気にせずマイペースで走らせる中、1番人気のモーリスは1コーナーで馬と騎手が喧嘩してしまいました。リアルスティールも同じでしたね。結果、最後はマイルの地力で②着に来ましたが、モーリスにとっては辛いレースとなってしまいましたね。今回は天才田辺の逆転満塁ホームランが見事に決まったレースだったと思います。
対抗になりそうなのはフルーキーですね。前走の休み明けでも、体は動けていましたし、とうとう本格化してきたなと感じる一頭です。今回は斤量が最大の58キロが見込まれる予定ですが、それでも今の充実ぶりがあれば通用するのではないか?と考えています。そして、ロジチャリスからも目が離せないですね。連勝街道を進んできた馬だけに、ここでどれだけできるかで、この夏や秋に向けての指標となりそうです。注目の重賞は阪神・東京競馬場で行われます。皆様、是非、注目して競馬場に行って下さい!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。