元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
いよいよクライマックス!
2016/10/13(木)
皆様、こんにちは!競馬はG1シーズンに突入する中、野球ではクライマックスシリーズが熱い戦いを繰り広げていますね。我が巨人軍は、残念ながら横浜に負けてしまい、今年のシーズンを終了してしまいましたが、今年の顔は何と言っても大谷君に広島カープの熱いベテランでしょうね。この2チームが決勝で当たれば大きな盛り上がりが期待できるのになぁと、一野球ファンとしては期待しているところです。
そんな今週は、孫が戦隊物を見に行きたいと言うことで、一緒に京都競馬場まで足を運びました。久しぶりの競馬場は、雰囲気も少し変わり、昔のイメージよりも綺麗に感じましたね。そして、以前にもやっていたラーメンフェスティバルには、残念ながら凄い行列のため諦めたんですが、本当に楽しい競馬場となりました。
そんな生観戦で、私も見守った京都大賞典の話をしましょう!レース前より、オーナーの北島三郎さんの誕生日を祝いたいと言っていた豊ちゃん騎乗のキタサンブラックが初めての1番人気に推奨され、見事に皆様の期待通りの走りで優勝しましたね。スタート直後、外からハナを奪う意気込みを見せたヤマカツライデンを見るようにソッと次点につけると、直線まで、ジーっと見つめるようにヤマカツを目標にレースをし、得意の4コーナーでは溜めていた脚を出すと、後は完勝の一言での勝利でした。ステップレースとは言え、これほどのメンバーに対して、楽に勝つ姿を見ると、本当に現役馬では最強だなと改めて思わされましたね。
2着には復調してきている岩田君とアドマイヤデウスが入りましたね。岩田君は本当に内ラチを使う競馬が上手いですね。以前のような強引さは身を潜めていますが、この競馬をしていれば、長く勝っていないJRA重賞を勝つ日も遠くないのではと思います。そして3着のラブリーデイは良くも悪くも変わっていない印象ですね。距離もあったでしょうが、去年から変わったメンバーの強さから、また善戦ホースへと戻ってしまった感じが受けて取れます。しかし、本番では、この崩れない強さも活かされるかもしれませんよ。
トライアルとしては完璧なレースだったのはサウンズオブアースだったと個人的に思います。今回はもう少し前目での競馬をするのかなと感じていましたが、スタート後に他馬が行きたい素振りを見せたため、脚を活かす競馬をしましたね。以前までなら、最後に止めてしまう馬でしたが、この練習で最後まで緩めることなく走ることを覚えれば、次は楽しみになってくると思います。未冠の最強2勝馬の3勝目は大きなタイトルになるかもしれませんね。
さて、3日間競馬の後にも、直ぐに競馬ウィークエンドはやってきます。そんな今週には、京都競馬場で牝馬クラシック最後の一冠秋華賞が行われます。なんと言っても抜群の人気をすると予想されていたシンハライトの故障により、非常に難しいレースとなると思います。その中でも、1番人気に推奨されるのはビッシュではないでしょうか。前走ではリーディング騎手 戸崎君を背に圧巻の内容での勝利。オークスでも見せ場を作りつつも、最後は距離の壁に泣かされましたが、今回はこの馬にとってはベストの距離ですし、小回りの京都も合っていると思います。しかし、この馬にとって最大の敵は馬体重ではないでしょうか。小さめの体で精一杯走る馬ですからね。今回は初の輸送もありますし、そこをクリアできるかが大事になってくると思います。
2番手には桜花賞馬ジュエラーが選ばれるでしょうね。前走は骨折明けで、馬場コンディションも合わない中、トライアルらしい挑戦をしましたが、今回はそれを活かせる競馬ができそうですからね。父ヴィクトワールピサの初G1をプレゼントした親孝行娘が、また新たなプレゼントをしてくれるのではないかと思っています。その他には、私の注目はヴィブロスにミエノサクシードです。ミエノサクシードは少し気性が悪いところがありますが、強い相手に、その勝気な性格がプラスに出ることがあればと期待しています。京の舞台で見事、女王に輝くのはどの馬か!?牝馬クラシック最後の一戦を是非、生観戦で応援してください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。