皆様、こんにちは!世間は貴乃花元親方の離婚ですね。今まで支えあってきた景子さんと別れるという決断は容易ではなかったと思います。平成を代表する大横綱に何があったのか。それは全て本人達以外は推測しかできないですけどね。騎手にとっても、乗り馬の決断と言うのは非常に難しいところがあります。お世話になっていた馬主様だから、先約だから、どうしても乗りたい一頭がいたからとそれはそれぞれが違います。海外であれば、契約馬主様の優先騎乗があるだけに諦めもつきますが、日本では違いますからね。元騎手としては、もちろん馬主様優先としたいところではありますが、いろいろな条件で乗らないという選択もしなくてはいけないこともあります。それは勝負の世界では仕方ないことかもしれませんが、決して力だけで選ぶこともないことや、選ばれなかった馬も捨てたわけではないということを分かってもらえたらなと思います。

それでは競馬の話にまいりましょう。世界の馬と競うという目標を元に設立されたジャパンカップですが、今年は日本の怪物がとんでもない記録で勝利しました。3冠牝馬アーモンドアイが叩き出した2分20秒6の世界レコードに、世間は恐怖すら覚えたと思います。古馬相手でも関係なしの怪物はこれから世界へ日本の努力の結晶として出ていくと思います。しかし、それでさえも彼女にとっては簡単なものではないでしょうか。

レースの説明にまいりましょう。まず気にしていたのはスワーヴリチャードのスタート、アーモンドアイの出し方です。前回、スタートで少し遅れぶつけられたスワーヴリチャードにとっては、第一の関門だったと思います。ほぼ五分に出て本来の走りができたことは、非常に大きな収穫だったと思います。そして、アーモンドアイ。私は戦前から、ルメールならばキセキの後ろを取るのではないかと思っていました。折り合いをつけるのが上手い騎手ですし、極端に下げた場合、当日の東京は内もなかなか開かない馬場でしたから。土曜の競馬があるまでは、ルメールの中でも引いて、外を回すことも考えていたと思います。しかし、馬場を見ると外を回したときのリスクより、内にいても前目の方が勝ち目があると判断したのだと思います。鞍上のその判断に答えた怪物は、圧倒的な強さでの勝利をあげました。

アーモンドアイ

そして、2着にはキセキが入りました。川田君も複数のコンタクトを取った中で復調してきたいいタイミングで乗っているということもありますが、瞬発力より持久力を活かした仕掛けに切り替えて、今回もまた良い競馬だったと思います。特に4コーナーに入る前に緩めたいところを持久力に活かすため、ゆっくりゆっくり出していく競馬は合っていると思いますからね。しかし、逆にこの競馬を続けるということは勝利が遠のいていく可能性もあると思います。この2戦で見せた競馬は特徴を活かした乗り方ではありますが、今後勝ち上がるための競馬ではない気がしています。それはただの杞憂であり、これから恐怖の逃げ馬になる可能性もありますが、的になりやすい競馬を続けるというのには少し不安が残ってしまいます。

キセキ

3着にはスワーヴリチャードが入りました。前回は全く競馬にならなかっただけに、ターニングポイントになったレースでした。スタートからあわよくばアーモンドアイの前に入れたかったはず。それは勝つために必要なポジションでもあったと思います。しかし、馬の特徴的にも無理だったとはいえ、オレンジ帽で最内からアーモンドアイの真後ろでマークした勝負の騎乗にはしびれましたね。今回ばかりは相手が悪かったと全陣営が口をそろえるほどの強さだったジャパンカップでした。

そんな衝撃の後はジャパンカップダートから名称を変えたチャンピオンズカップが冬の中京開催に合わせて行われます。今回の注目も南部杯と同じ新勢力の怪物ルヴァンスレーヴと王者ゴールドドリームの再激突だと思っています。前回はルヴァンスレーヴが勝利を収めましたが、あの時のゴールドドリームのデキから考えても、本当の勝負はこちらだと思っています。しかし、ここでもルヴァンスレーヴが勝つようなことがあれば、ダート馬でも最優秀3歳牡馬があると思っています。脅威の3歳世代には本当に期待しかありません。その他には、中央の走りにも適応してきたケイティブレイブやモレイラと新コンビのサンライズソアと改めてのサンライズノヴァ。その他にもたくさんの名馬が出てくるだけに楽しみで仕方ありません。2018最後の中京G1は、ぜひ生観戦で寒さを競馬の熱さで吹き飛ばしてください!