元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
若き希望
2024/6/20(木)
皆様、こんにちは!あっという間に競馬も前半戦を終えようしています。今年は同じ騎手がJRA ・GIを勝っていない珍しい年になっています。素晴らしい競馬が多かったなという印象です。しかし、怪我や事故が多かったのも事実です。常に危険と隣り合わせですが、後半戦は事故のないようにしてもらいたいと思います。
今年は若い子の活躍が目立ちます。先週、デビュー2年目の田口貫太君が関東オークスを制しました。話を聞くと、デビューからフォームを研究し、毎日毎日かかさず木馬に乗っているということで、積み重ねてきた結果だったのだなと感じさせられました。
そんな田口君と岩田望君が今夏のフランス遠征を発表しました。二人共に去年から海外にいくための準備を進めていたとのことで、乗鞍の多い二人が次のステップに行くために自分に足りないものを探し、身につけるための決断だと思いました。
いつかは行きたいという人がいます。でもそのいつかが来ることはありません。自分で動き、決断し、前に進むための勇気を持って挑戦する。いつかではなく具体的にこの年のここで行くんだと明確にしなくてはいけません。だからこそ、彼らの決断は素晴らしいと思います。技術だけでなくメンタルや考え方も更新してきてほしいです。
JRAでは永島まなみちゃんがマーメイドSで重賞制覇をしました。彼女もまた典ちゃんや沢山の方から学び、競馬に向き合ってきた騎手です。だからこそ毎週のように成長してきた積み重ねで勝っても驚きませんでした。若き希望のような、こういった騎手達が引っ張っていく時代はすぐそこまで来ています。
今週は前半戦最後のGI 宝塚記念が行われます。若き時代から競馬界を引っ張ってきた豊ちゃんとドウデュースを筆頭に、ルメールとコンビ復活なるジャスティンパレスや距離が少し長いかな?と感じているベラジオオペラなと楽しみな馬たちが出走します。豊ちゃんが京都記念(阪神開催でしたが)のイメージで乗れば圧勝もあると思っています。さぁ京都競馬場へ伝説を観に行きましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。