元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
レジェンドの懸け
2024/11/28(木)
皆様、こんにちは!今週は息子の友達達が、息子の誕生日祝いということで私達まで招待して頂きご馳走になりました。あまり外では飲まないようにしているのですが、その日は熱燗とお寿司を堪能させてもらいました。お寿司も美味しかったですし、この歳になっても一緒にお祝いしてくれる仲間がいるということに嬉しくなり、ついつい食べすぎました。
※お寿司を食べすぎた言い訳です(笑)。
そんな日本を代表するお寿司ではなく、日本を代表するレースジャパンカップの話をしましょう。JRAの地道な周知活動が実を結び、世界から豪華なメンバーが参加する中、勝利したのは日本の総大将ドウデュースと豊ちゃんでした。今回のレースも、これぞ豊ちゃんというレースをしてくれたと思います。特に注目したかったのは1~2コーナーの入りと落ち着き。
あの時点で豊ちゃんはペースが異常なまでのスローだと感じたと思います。しかし、良さを引き出すためには我慢させる必要がありました。50を超える肉体で本当にしんどかったと思います。しかし、勝つためには最高の選択でした。それでも、レース展開としては前残り必須。ここで冴えたのは豊ちゃんの勝つための懸け。ドウデュースなら一気に飲み込めるのを理解した上で「本気で走らせる+勝つため」に少し早めに動かすことを選択しました。
脚が使えても展開を考えれば動かすタイミングは懸けに近かった。それでも勝つための選択、全てかみ合った結果=勝利でした。あの競馬をするのはメンタルも体力も経験もないと無理でした。それを実現させたドウドュースはまさに総大将として世界へ日本の力を見せつけてくれたと思います。本当に素晴らしいレースでした。
今週は中京でチャンピオンズカップが行われます。引退レースになるレモンポップが人気を集めそうです。ただ、距離が保たないのでは?と思われていた昨年と比べると楽なレースはできないと思います。そうすると内でジッと我慢できる馬や早めに仕掛けて引き離せる馬、決め脚がある馬が展開として向きそう。
そのあたりも含め、予想が難しいレースだと思います。個人的にはクラウンプライドを応援しますが、ガイアフォースも仕上がっていればと楽しみにしています。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。