
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
それぞれの夏本番
2025/6/27(金)
皆様、こんにちは!我が家の庭では、家庭菜園のきゅうりが沢山でき始め、夏本番の合図だと感じています。ただ、例年よりもカエルの合唱が少なく、これもまた異常気象によるものなのでしょうか。
競馬も夏本番を迎えます。初めての試みで中京の前に小倉・福島・函館の3場開催となります。小倉では恒例となった九州産限定の新馬戦も始まります。今年の注目は多く出馬してくるネロ産駒ではないでしょうか。特に土曜日の新馬戦に出るカラクニダケの評判が高いらしいですね。オーナーの岡さんが見つけてきた一頭でヨカヨカを彷彿させるだけに注目しています。

北海道では名物重賞函館記念も行われます。私の注目はウイニングランがまた見たい丹内君とのコンビマイネルモーントになります。馬場といい全てが向いている気がしています。その他にもアルナシームやマコトヴェリーキーにハヤテノフクノスケもいますし、穴にはトップナイフを選びたいなと思っています。北に南に広がる夏競馬を楽しみましょう。

最後に岩田望来騎手がイギリスへと渡りました。リーディング上位につける騎手が今年も海外修行を決め、挑戦するのは昨年フランスで沢山のことを積み上げたからではないでしょうか。自分に足りないものを探し、慣れた環境ではない生活でさらに学ぶ姿勢は素晴らしいと思います。若手が海外に行くと、何をしに?と茶化す人もいるかもしれません。
しかし、努力している人を馬鹿にすることは許されません。結果に繋がろうが繋がるまいが経験値となり、いつか成功した際には行った本人にしかわからない財産になるのですから。また一段と成長した望来君になって戻ってくることを期待しています。きゅうりに小倉に函館、そしてイギリス、それぞれの夏本番がスタートです。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。