'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月23日時点1569勝
春男が今年も躍動!好調の春競馬を振り返る
2015/3/27(金)
走りっぷりとは裏腹に…
-:それでは久々のレース回顧となりますが、よろしくお願い致します。まず、中山牝馬S(G3)のシャトーブランシュから振り返っていただけますか?
戸崎圭太騎手:すごく乗りやすい馬で、身のこなしも軽い馬でしたね。
-:「身のこなしの軽さ」という話の一方では、3~4角辺りではスッと動けていないイメージがあったのですが、そこはどうでしたか?
圭太:そうですね。原因は何だったのか分からないですが、急に手応えがなくなりましたね。
-:しかし、最後には脚を伸ばしてくるというか、着順を盛り返しているように、決してそのまま後退しているわけじゃないんですね。
圭太:後退はしていないですね。直線に向いてから、またジリジリは伸びていたので、あの勝負どころはちょっと痛かったですね。
-:スッと動けて、あれがなければ3着以上はあったかな、という印象でした。なおかつ、道悪でも走れている馬だけに、馬場ももうちょっと悪くなっていれば、と言うより予報通り雨が降っていれば歓迎だったのかな、と思っていました。予想外に晴れましたね。
圭太:そう、雨でも走っていますからね。
-:ちなみに、その週の中山芝の状態はどうですか。差しも効いているのかなと。
圭太:そうですね。気持ち内は走りにくさが出てきたかな、という感じですね。脚を取られる馬は取られますね。今の段階では馬によって差がある状態ですね。
-:となると、皐月賞ごろになってきたら、もう少し悪くなってくる可能性が大いにあると。
圭太:そう思いますね。去年の冬も使っていますからね。例年よりは良いと思いますが。
▲押し出されるように1番人気に支持されるも5着に終わったシャトーブランシュ
-:前日のアネモネS、テンダリーヴォイスはいかがでしたか?
圭太:この馬もシャトーブランシュと同じ印象ですね。似たようなコメントになってしまいますが、すごく乗りやすくて、身のこなしが軽い馬でした。
-:もともと2歳時に乗る可能性がある話がありましたよね。
圭太:ああ~、ありましたね。
-:あの時はテンダリーヴォイス自身の回避で騎乗がフイになってしまいましたね。今回も急遽の代打だったと思いますが、人気通りというか、力通りの結果と見て良いですね。あれだけ外を回っても付き抜けた訳です。
圭太:そうですね。新馬ではあの重馬場で勝ったイメージが強かった馬でした。乗った感触は、あんな馬場はどうなのかな、という感じはするのですが、こなせてしまうのですよね。不思議です。
-:本質的には軽いタイプの印象がありますが、あの馬場もこなしたと。
圭太:その点もシャトーブランシュと似ていますよね。
▲テン乗りで満点回答!桜花賞の権利を手にしたテンダリーヴォイス
モーリス、ネオリアリズムら期待馬も続々
-:重賞ではありませんが、気になる存在の話題もお願いします。館山特別のネオリアリズムはリアルインパクトの弟というゆかりの血統です。人気とは裏腹に残念な結果に終わってしまいました。
圭太:その前は休み明けで力んでちょっと太かったのかな、という見立てもあったのですが、今回はガス抜きが出来て、リラックスして走れると思っていました。しかし、なかなか力みが抜けなくて、折り合いを欠いてしまったので、それが最後に(影響が)来ましたね。
-:見た目以上に折り合い面に影響があったと。
圭太:う~ん、折り合いを欠いてましたね。思って貰っている以上に(力みが)抜けていないのでね。
-:お兄さんとは全然違いますか?
圭太:ええ、タイプは全然違いますね。
-:母系よりも気性の激しさのあるネオユニヴァースの影響が出ているのですかね。
圭太:う~ん、そうかもしれませんね。
-:前回の競馬を見たら、途中で押し切るかというほどの脚色だったので、1回使ったら順当に勝ち負けかなと思いました。これは使っていくことによって、逆にテンションの高さが出て来るのか、使ったことで程良くなってくるのか、現状での見解としてはどうですか?
圭太:休む前は抜けたのですけどね。そこは分からないですね。
-:スピカSのモーリスはいかがでしたか。結構強い勝ち方でしたね。
圭太:攻め馬で凄みを感じたんで、普通にやれるな、いい勝負になるな、と思っていました。
-:「凄み」というのは良い意味でですよね。
圭太:ハイ。もともとゲートに課題はあったのですが、1枠で遅れた分、あの位置取りになりました。しかし、あのペースで外を回って、あの脚。思った通りすごい馬という感想ですね。
-:あれを見たら、オープンでも通用するなと思わざるを得ませんね。
圭太:そう思いますね。
-:ゲート自体はどんな様子でしたか?
圭太:う~ん、ジッとできていないですね。
-:出遅れても、そこを晩回出来るぐらいの自信はあったということですね。
圭太:そうなりますよね。
-:距離はどこら辺まで持ちそうですか?
圭太:どうなんですかね。マイルから2000、2000以上はちょっとキツいかな、という感じはします。
▲鞍上も舌を巻く勝ちっぷりのモーリス 次戦はダービー卿CTへ進む
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。