'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
11月11日時点1556勝
目指すは逆転のみ!ラベンダーヴァレイの新味引き出るか?
2016/4/8(金)
先行?差し?作戦変更も示唆の桜花賞
-:いよいよクラシックも到来。ラベンダーヴァレイ(牝3、栗東・藤原英厩舎)と挑む桜花賞(G1)の枠順も発表され、7枠15番に決まりましたね。まず、枠順の印象から教えていただけますか。
圭太:ええ。欲を言うならばもうちょっと内が欲しかったという思いもあります。ただ、それは言っても変わらないことですし、モマれない、スムーズな枠をもらえたとプラスに考えます。
-:メジャーエンブレム、シンハライト、ジュエラーらは内に入ってくれたので、その出方をチェックできますし、桜花賞もコース改修以降、内よりも外が優勢ですよね。
圭太:そうなんですか?それもプラスにとらえましょう!
「走りの雰囲気などはキレそうなモノは持っているんですよね。ただ、センスも良いので、楽に流れに乗れてしまうので、それを活かさないのも……ね。そこらへんは先生との打ち合わせがあると思います」
-:前走は人気薄ながらも3着。1勝馬の身ながらも権利を手にすることが出来ましたね。
圭太:そうですね。良い形で進められたと思いますし、枠なりのロスのない競馬は出来たんじゃないかと思っています。馬体重も増えていたように、結果的には2走前のマイナス体重は良くなかったのでしょうし、今回も藤原先生ですから、申し分ない状態に仕上げてくれるのではないかと思います。
-:今年は圧倒的な戦績を誇るメジャーエンブレムやチューリップ賞で先着した2頭が人気を集めそうですね。
圭太:勝つ可能性が高いと思われている馬が前にいるわけですからね。そういう意味では、ある程度、前を追いかけなくてはいけないのかもしれませんね。
-:ただ、同じ戦法でなく、後方から終いに懸ける競馬も観てみたい気もしますね。
圭太:走りの雰囲気などはキレそうなモノは持っているんですよね。ただ、センスも良いので、楽に流れに乗れてしまうので、それを活かさないのも……ね。そこらへんは先生との打ち合わせがあると思います。
-:高松宮記念の際も馬場がガラっと変わったように、今週の傾向も変化があるかもしれませんからね。その時の状況に応じて、と。
圭太:先行するならば内に潜りこませたいですし、もしくは終いに懸けるのもありかもしれません。そこはその場の流れや状況次第でしょうから。楽しみに観ていただければと思います。
チューリップ賞では2頭に先着を許し、3着に敗戦のラベンダーヴァレイ(写真左)
-:人気馬と比較して、戦歴からは思い切った競馬も出来そうですからね。そこも楽しみにしています。一方、土曜の阪神牝馬ステークス(G2)に向かうストレイトガール(牝7、栗東・藤原英厩舎)も同じ藤原英昭厩舎。こちらは引退を撤回しての現役続行となりました。競馬界では珍しいケースですよね。正直なところ、あくまで今回はヴィクトリアマイルを狙ってのローテーションということでよろしいですか?
圭太:ええ、そうですね。高松宮記念も出なかったわけですから、次走が大目標です。2週前に追い切りに乗せてもらったのですが、元気もあるし、フレッシュさもありますね。
-:今回はヴィクトリアマイルを見据えるミッキークイーンやスマートレイアーなどライバルも揃いますね。追い切りに乗られたのは何度目だったでしょうか?
圭太:う~ん、3度目かな?しかし、本当に以前と変わりなく良い雰囲気でしたよ。
-:続いて重賞以外の話題も伺いたいのですが、土曜の心斎橋ステークス、メラグラーナ(牝4、栗東・池添学厩舎)はいかがですか?
圭太:3走前に勝たせてもらった時が強い勝ち方で、「東京でも」と思って挑んだ2走前だったのですが、はっきりした原因はわからない負け方でしたね。
-:レース直後、「輸送かな」なんてお話もされていましたのを覚えています。
圭太:それもあるのでしょうが、それだけではないような……。ただ、勝った時の雰囲気ならば、このクラスでもやれるとは思いますけどね。
-:日曜のブライトアイディア(牡6、栗東・宮厩舎)は前走がブチコの2着。こちらはどうでしょう。
圭太:不器用な面はあるので、展開に左右されることなく力を出せればと思います。力を出しきれば前走のように好走して不思議ではないですから。
-:余談ですが、今週は珍しく土日遠征。それも阪神。大阪に行かれたらするルーティンはありますか?
圭太:(考えた後に)う~ん。ないですね。
-:まあ、例えば名古屋なら好物のうなぎを食べに行くなんて話もされていましたよね(笑)。
圭太:逆に大阪だと、どれを選ぼうか迷っている感じです。いつもマネージャーと行動していて、食事は調整ルームに入る前に必ずとるのですが、ここに行くとは決めてないですね。
-:都会の分、決めづらいところもありますよね。ここでは下級条件でも同じ馬を取り上げることで、色々な馬を知ってもらえたらと思うのですが、今週は土日ともに遠征でテン乗りばかり。残念ながら、話題に挙げられるのはこれくらいですね……。そういえば、皐月賞(G1)はハートレー(牡3、美浦・手塚厩舎)が回避とビックリしました。
圭太:そうですね。幸い大事に至るほどの症状ではなく、無事ならばダービーを目指すようですが、皐月賞の乗馬もなくなったので、残念ですね。せっかくの好メンバーでしたから。
早くも50勝!リーディング争いも奮闘中!
-:先週の話題も触れていただきますと、ダービー卿CT(G3)のダッシングブレイズ(牡4、栗東・吉村厩舎)は出遅れが響きましたね。
圭太:そうですね。モロに躓いてしまったので。状態は悪くなかったのですが。
-:意外だったのがレガーロ(牡3、栗東・大久龍厩舎)です。2歳時には川崎で好走するなど、世代を代表するダート馬かと思っていたのですが。
圭太:正直、僕は懸念していた点が当たってしまいましたね。僕が動かしきれていないのは認められるのですが、若さもあって、レースに集中しきれていない雰囲気でした。
-:それは前走、他馬に乗っていてもそれを感じていたわけですね。
圭太:そうですね。今回も道中からアラアラになってしまいましたから。
-:フルールシチー(牝5、栗東・西園厩舎)はペースも遅かったですが、着順を落としてしまいました。
圭太:やっぱりこの距離は忙しいんですかねえ。あのペースでも楽についていけませんでしたから。
-:同じく1200m戦のプレイズエターナル(牡6、栗東・安田隆厩舎)はあと一歩でした。
圭太:結果的に4コーナーで進路を外にとっていればというところ。微々たる判断が明暗を分けましたね。前回もお話したように、もともとは広いコースのほうが良いタイプでしょうし、追い出しが遅れたことも届かなかった理由でしょうね。あれだけ外じゃ厳しいかな、と思ってしまいましたから。
-:サブライムカイザー(牡4、美浦・池上弘厩舎)はクラス2戦目で見事に勝ち上がりましたね。
圭太:展開は予想通り。あの2頭が行くと思っていました。流れもハマったのもありますが、状態も前走より上がっていましたよ。順当といったところです。
-:さて、早くも今年は50勝に到達。ミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメール騎手らが大活躍する中、リーディング争いでは僅差の3位とマークしていますよね。この勝ち鞍についてはどう思われていますか?
圭太:僕でもビックリしているのが正直なところです。こうなると、自分だけの力ではないことは明白ですよね。周りの方に応援してもらっていることに感謝しなくてはなりません。馬も頑張ってくれていますし、ありがたいことです。
-:まだ、一年の1/4を終えたばかり。気が早いですが、両外国人ジョッキーに勝ってのリーディングとなれば、更に価値は高まりますよね。
圭太:ええ、万が一、とれたら鼻が高くなってしまいますね(笑)。まだ先々の話であるのですが。
-:あえてそこは書いておきます(笑)。ケガにも気をつけつつ、残りの中山&阪神開催も頑張ってください。
圭太:ハイ。もっともっと少しでもミスを減らさなくてはなりませんし、精一杯乗ってきます。
※次回は4月15日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。