'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月23日時点1569勝
関屋記念をヤングマンパワーで2週連続の重賞V!新潟攻略にも意欲!
2016/8/19(金)
秋のG1へ弾みをつけたヤングマンパワー
-:先週はヤングマンパワー(牡4、美浦・手塚厩舎)で関屋記念(G3)を制し、2週連続の重賞制覇おめでとうございます!ここでも良い評価ではありましたが、勝ち切ってしまうとは本当に乗っていますね。
圭太:ありがとうございます。結果については馬のおかげですが、返し馬から良い雰囲気を感じていましたし、力をつけていますよね。パワーアップは感じていました。
-:それにしても、17番枠からあの時計を押し切るとは、本当に成長していますね。
圭太:そうですね。スタートも出てくれましたし、本当に乗りやすい馬。外から他馬に来られたのは誤算でしたが、それも克服してくれましたよ。着差をつけるタイプではありませんが、前走も58kgを背負って勝っていたのは大きいですよ。そこで手応えは感じていました。
-:秋はG1路線を歩むようですが、良くなって欲しいところはありますか?
圭太:う~ん、それが変わるかどうかはわかりませんが、頭の高さは気になりますね。それがもう少ししっかりして変わってくるのか……。そこが変われば、まだ伸びしろはありそうです。
-:ジョッキーとしては福島に続き、新潟でも2週連続重賞Vは良かったですね!今週は土日とも新潟での騎乗。めぼしいところを伺っていければと思います。
土曜の苗場特別(エンドレスシャイン(牡5、栗東・鈴木孝厩舎))、出雲崎特別(コウキチョウサン(牡3、美浦・和田郎厩舎))、8R(3歳上500万下)のラジオデイズ(牡5、美浦・古賀慎厩舎)とどうでしょうか?
圭太:エンドレスシャインは少し久々に乗せてもらいますが、センスのある馬で競馬はし易いと思っています。このクラスに入って、5、2着と結果は残していますし、良いイメージを持っていますよ。
コウキチョウサンは多少クラス慣れが必要なのかもしれませんが、前走は発表以上に馬場が悪かったですね。即通用かどうかはやってみないとわからないものの、いつかは500万下を勝てるはずです。血統的にも馬主さんの期待は大きいでしょうから。
-:オジュウチョウサン、ケイアイチョウサンと活躍馬ですね。ラジオデイズは500万下でも僅差の2着と実績だけなら、中心視できるはずです。
圭太:前走は能力も感じましたね。しかし、レースでも違和感はあったのですが、やっぱりもともと脚元に不安のあったようなので。今回は久々でどこまで出来ているか、そこだけですね。
-:日曜に移って、阿賀野川特別のシャクンタラー(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)、村上特別のワンブレスアウェイ(牝3、美浦・古賀慎厩舎)はいかがですか?
圭太:シャクンタラーは以前よりも先行力がつきましたね。昇級ですが、前走の勢いでどこまでやれるか、腕試しの一戦ですね。ワンブレスアウェイはフットワーク的にマイルに延びるのは歓迎ですね。ただ、道中でけっこうハミを噛むのでね。それで短い距離を使ったのですが、今回は理想の距離に戻って、詰めの甘さをカバー出来ればと思っています。馬場も軽い新潟に変わるのは良いんじゃないでしょうか。
-:そして、POGでも評判だったエディフィス(牝2、美浦・尾関厩舎)ですが、5R(2歳新馬)でデビューを迎えます。
圭太:追い切りに乗せていただきましたが、調教よりも実戦タイプかもしれませんね。新潟の馬場も合いそうですし、どんな走りをしてくれるか、期待しています。
リーディング独走も、反省の新潟開催
-:そして、その他のレース回顧もお願いいたします。火曜は盛岡へマキャヴィティ(牡5、美浦・萩原厩舎)でクラスターC(Jpn3)に騎乗されましたね。
圭太:今回は久々の分、もう一つスイッチが入りきらなかった様子でした。
-:使っていたら使っていたで、テンションが上がり過ぎていたかもしれませんし、難しいですね。
圭太:そうですね。本当に気性の難しさがある馬だと思います。
-:アッラサルーテ(牝3、美浦・手塚厩舎)やブラヴィッシモ(牡4、栗東・須貝尚厩舎)はどうだったでしょうか?
圭太:アッラサルーテは良いスピードの持ち主。新潟も良かったと思います。ブラヴィッシモは斤量がこたえましたね。この馬の走りはしてくれているのですが……。
-:そして、読者からの質問コーナーです!まずはリュウジさんの質問で「年間200勝に自信がありますか?」とタイムリーな疑問をいただきました。
圭太:こればっかりは僕だけの力でどうにかなることではないですからね……。秋はG1で移動もあるでしょうし、そうなれば、必然的にジョッキーが集まったところでの騎乗になりますから。また、外国人騎手も多数来るかもしれませんから、簡単なことではないと思います。僕自身は周りに惑わされず、一つ一つ丁寧にいくだけです。
-:ちなみに、4週目を迎える夏の新潟開催。ここまでを振り返ってはいかがでしょうか?
圭太:人気していて勝てていないレースが目立ちますよね。正直、噛み合っているとは言えないと思います……。まだ残り開催もありますし、しっかり巻き返していきたいですね。他には、やはり暑さで馬が疲れていることも多々感じますよね。仕上げるほうも大変な時季なのかと改めて思います。
-:今週も酷暑が続きましたし、そんなケースも多々見られそう。それをファンも見極めなくてはなりませんね。世間的にはオリンピックの話題が目立ちますが、観戦はされたりしていますか?
圭太:夜まで起きて、なんてことはほぼないのですが、自然とニュースは入ってきますよね。でも、僕は高校野球が好きで、そっちはチェックします。もともと野球をやっていたのもありますが、高校生ともなると、戦術なんかもありますから、観ていて面白いです。
-:地元・栃木の作新学院も勝ち進んでいますね。
圭太:ええ。ピッチャーの方もスゴいですよね。良い選手だと思います。
-:「G1級」ですか?
圭太:まあ、上までいきそうですね(笑)。野球といえば、イチローさんも流石の活躍ですね。
-:理想をいえば、イチロー選手との対談もいつか実現できると良いですね!続いて、ざっとんさんからの質問で「もし、騎手ではなく、競馬ファンだったら、参加してみたいファンイベントはありますか?」とのことです。
圭太:う~ん、皐月賞の後にやるイベントですか。それが思いつきますね。秋の東京もどこかの日程で騎手イベントはやるようなので、それも楽しみにしていてほしいです。
-:わかりました。来週はワールドオールスタージョッキーズにも騎乗とのこと。暑さに気をつけつつ、健闘を祈ります!
圭太:ありがとうございます!
※次回は8月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。