'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
高松宮記念へ弾みを メラグラーナとオーシャンSで重賞獲りだ!
2017/3/3(金)
メラグラーナは特に課題を感じないですよね。左回りでも苦手な部分はみせませんし、上までいけると思っている馬です。
-:昨日はワンミリオンス(牝4、栗東・小崎厩舎)でエンプレス杯(Jpn2)を勝利。おめでとうございます。こなして来るのだとは思っていましたが、戦前は距離不安の意見もあったと思います。
圭太:ありがとうございます。そうですね。確かにそういう不安もあったのかもしれませんが、やはり中央と地方では、同じ距離でも差はあるでしょうからね。
-:そこを詳しくお伝えいただくと……。
圭太:東京の2100mと川崎の2100mだったら、どちらがタフかといえば。
-:東京にはなりますよね。コース形態も違いますし。
圭太:そうですね。馬場入りの際はこれまで乗ったよりも、テンションの高さはみせたのですが、折り合いもついて問題なかったですからね。
-:これで現在のダートの牝馬路線ではトップクラスの一頭であることは証明しつつありますね。
圭太:いやあ、そうですね。今後も楽しみです。
-:秋には大井でJBCもあります。ジョッキーはJBCには意外にも無縁だったりするので、そろそろタイトルを獲って欲しいです。そして、同じ勝負服で挑んだ中山記念(G2)のリアルスティール(牡5、栗東・矢作厩舎)ですが……これは偏見も弁護もなく、僕の意見ですが、全く敗因が掴めませんでした。
圭太:内枠を引けましたし、イメージ通り、思っていた通りといいますか、好位でいい運びは出来たと思います。ただ、コーナーからはついていけなくなりましたね。ペースも遅かったのに……。(レースでは)初めて乗ったので、わからないところもありますが、どこか身体に痛いところがあるようにも感じませんでしたからね。
-:少し気になる部分でいえば、天皇賞(秋)の前は毎日王冠をパスするアクシデントがあり、当日も装鞍所でなかなか装鞍が出来ず、パドックにも遅れるほどだったと思います。その点、今回は休養を経ての復帰戦ですし、昨年と同様のステップ。負けるにしても、あそこまで大敗とは……。
圭太:元気がいいところはある、とは聞いていたのですが、おとなしかったですね。馬も成長したのかとなんて思ったのですが、気合い乗りという面ではもう一つだったのかもしれません。
-:せっかく素晴らしい馬に騎乗するわけですし、縁が少なからずあったわけです。レース前のテレビ解説でアンカツさんなんかも「戸崎くんと合いそうですね」なんて言っていたので、楽しみにしていたのですが……。
圭太:周りのファンや関係者がどう見るかは本当にひとそれぞれかもしれません。ただ、結果を受け止めなくてはいけないのがジョッキーですからね。もちろん、こうして話したことを今後の参考にしてくれるファンもいるかもしれませんよね。
-:そうですね。全頭とはいけませんが、長い尺をとれるのが、このコーナーの良さなので、可能な限りお伝えしていきたいと思います。さて、今週ですが、まずは弥生賞(G2)のベストアプローチ(牡3、栗東・藤原英厩舎)は追い切りに乗られにいったそうですね。
圭太:いい雰囲気でしたね。乗りやすさも感じましたし、比較的パワータイプの印象です。
-:京都2歳Sでは、人気が予想されるカデナに先着を許しましたが、中山に替わる面はプラスかもしれませんね。
圭太:そうですね。実戦でどんな走りをしてくれるかは未知数ですが、中山のほうがいいかもしれませんね。
-:土曜のオーシャンS(G3)はメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)とのコンビ。前走は強かったですね。
圭太:強かったですね。2走前は道悪の影響に尽きると思いますし、もともと素質を感じていた馬でしたからね。
-:南半球産ということもあり、現在は4歳秋くらいの時季と考えれば、ここから更なる充実期に入っていきそうな印象を受けます。以前は1Fの違いではありますが、千四で少し伸び悩んだ印象でした。これはスプリント戦に転じて、じっくり運ぶ形になったのが大きいのでしょうか?
圭太:そうですね。僕も少なからず、そういう雰囲気は感じていたので、もっと早くに進言していても良かったのかもしれません。ただ、若い馬でしたから、千二にしてしまうと、それ一辺倒となってしまいますからね。
-:馬体重の変動も大きなタイプではありますが、以前と比べても、平均して上がっていますね。現状、ひどい馬場になった時以外の不安要素はありますか?今季は有力馬の戦線離脱が報じられていて、阪急杯も大波乱。高松宮記念へ向けて、チャンスかと思います。
圭太:特に課題を感じないですよね。左回りでも苦手な部分はみせませんし、上までいけると思っている馬です。
-:個人的に注目していた馬。今後も楽しみです。土曜の話題から伺いたいのですが、5R(3歳未勝利)のスターライトブルー(牡3、美浦・戸田厩舎)は前走が本当に惜しいといいますか、相手が悪かったですね。
圭太:相手が上手でしたね。常に何かにやられてしまいそうなところは否めませんが、安定はしていますよ。
-:9Rの黄梅賞はサレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)に騎乗。2走前の勝ちっぷりが良かったのを覚えています。
サレンティーナが制した未勝利戦 降したライバルたちも後に勝ち上がっている
圭太:器用なタイプとはいえませんから、ジワジワ脚をつかっていくイメージですね。イイ馬だと思います。
-:当コーナー、お馴染みとなってきたワンブレスアウェイ(牝4、美浦・古賀慎厩舎)は初めての中山ですね。
圭太:問題ないと思いますし、むしろ良いんじゃないかな!?今回はそこに期待したいですね。
-:日曜の2R(3歳未勝利)、トリプレット(牝3、美浦・久保田厩舎)は先週の新馬戦を除外されました。追い切りには騎乗されたようですね。
圭太:動きは良かったですし、能力そのものはありそうですよ。あとは折り合いが難しそうな印象を受けたのは事実です。あまりモマれない競馬のほうが良さそうですね。
-:潮来特別のデナリ(牡4、美浦・田村厩舎)は前走を逃げ切り。しかし……。
圭太:レースにいっての集中力は課題ですね。持っているモノはいいんですよ。このクラスでもやれるほど。距離は問題ありませんから、そこを走らせるのがジョッキーの仕事でもあるのですが、難しいには難しいですね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。