'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月23日時点1569勝
「記録」更新?3週連続未勝利の非常事態!土日中山でうっぷんを晴らせ!
2018/3/9(金)
まさかの3週連続未勝利。戸崎騎手にとって2週連続未勝利でさえJRA移籍後初だったが、なんと記録を更新してしまう非常事態が続いている。今週は土日で18鞍の騎乗を予定しているだけに、そろそろ、という感もあるのだが、こんな折に木曜からの雨。馬場状態的にも難解な状況となった。喜ばしくはない話題ではあるが、現在の状況にも触れた上で、週末の展望について語ってもらった。
●おなじみワンブレスアウェイと中山牝馬Sへ!課題はゲート
-:早速ですが、中山牝馬S(G3)のワンブレスアウェイ(牝5、美浦・古賀慎厩舎)は以前、中山芝1800mで勝たれているように、僕は条件的には良いと思っています。いかがでしょうか?
戸崎圭太騎手:そうですね。良いと思いますね。重賞に出走するようになってから、少し壁にあたっているようにも映りますが、小回りのこの距離は崩れていませんからね。
-:ただ、気になるのが、木曜もかなり雨が降りました。さすがに馬場に影響があるのかと思います。
圭太:どうだろう。一概にダメでもなさそうですが、何とも分からないですね。
-:血統的にはこなすのかなという気もするのですが、未知数ですね。前回(中京)は乗っていなかったですが、前回は大外枠という厳しい条件の中でしぶとく粘っていたと思います。2000mの距離でもズルズルといかなかった辺りには好感でした。
圭太:ただ、スタートは昔の方が速かったですね。そこだけ気を付けたいなと思います。ゲートの中では大人しくてジッとしているんですけど、出が良い頃に比べるとちょっと感触が違うところはありますね。
-:ちょっとそこは気を付けるには気を付けるけど、やってみないと分からない部分もやっぱりあると。
圭太:それだけに並びが重要ですね。一頭で競馬が出来れば最高ですけど(笑)、そうはいかないので、やっぱりスタートですね。
-:同じく土曜中山から、房総特別のショウナンアエラ(牡4、美浦・奥村武厩舎)はいかがですか?これは雨馬場が気になるところです。
圭太:良い競馬が続いているので。このコースでも走っていますから。でも、馬場は確かに気になるタイプですね。
-:5R3歳未勝利のキューグレーダー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)は初騎乗ですが、前回も2着と結果を残していますね。
圭太:追い切りの感触は良いですね。負けた相手も昇級して走っていますし、1800mでも対応してくれるのではないでしょうか。
-:日曜から、アネモネSのレッドレグナント(牝3、美浦・大竹厩舎)にも追い切りは乗られたようですね。
圭太:ええ、競馬を観ていてもそう感じましたが、真面目な感じで、センスの良い馬ですね。状態も良いんじゃないかと思います。馬場も気になるところですが、多少渋るくらいなら大丈夫な気はしますね。
-:東風Sのシュウジ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)は2走前に乗られた時(ニューイヤーSで2着)が惜しい競馬でしたね。
圭太:フットワークの良い馬なのですが、いくらか頑張る気持ちが少ないというか、ある意味、賢い走り方になってきていますね。直線でもう少し頑張れそう、まだまだ力を出していない感じは受けますね。
-:6R3歳500万のヴェロニカグレース(牝3、美浦・武市厩舎)はいかがでしょうか?前回負けた相手も重賞を制しています。
圭太:未勝利で勝った時が良い勝ち方だったので、楽しみですよ。
●3戦目で着実に進境が窺えたリビーリング
-:先週のレースについてお伺いしたいのですが、(4歳上1000万下2着の)ショウナンアンセム(牡5、美浦・田中剛厩舎)は惜しかったですね。内外どちらに行くか、難しい判断だったと思いますが。
圭太:そうですね。もうちょっと乗り方を変えていればというか、上手く乗っておけばという感じで。
-:弥生賞(G2)で5着のリビーリング(牡3、美浦・萩原厩舎)はハナには行かないような考えだったようなので、僕は想定内というつもりでレースを拝見していましたが、いかがでしたか?
圭太:ハナに行ってもという考えもあったのですが、スピードに乗り切れなかったですね。周りも速かったですし、ああいう好位の形になりましたけど、楽に走っていたし、良い感じで走れていたと思いますね。
-:右回りの方が乗りやすいですか?
圭太:そうですね、右回りの方が……。ただ、前走(セントポーリア賞2着)はちょっと力んで走っていたので、左回りでも力まないで走れれば良いのかもしれないです。それに前回は大外枠でしたからね。
-:徐々に競馬を覚えていけば、というところですね。総武Sで3着のクインズサターン(牡5、栗東・野中厩舎)は最後伸びてきているんですけど、やはり小回りでは乗りづらいですか?
圭太:そうですね。途中で動いても良いかなという思いもありますが、何とも言えないところですね。状態も良さそうでしたし、ゲートの出も良かったです。二の脚も自分から行く感じで、今までない走りでした。
-:(4歳上1000万下13着の)スプリットステップ(牝4、美浦・和田郎厩舎)はこれで1番人気になってしまうんだな、と個人的には思いました。
圭太:距離に対して不安を感じていたのは事実ですが、走っていないですね。原因が分からないです。力はある馬なので、う~ん、それにしてもわからないですね……。
-:オーシャンS(G3)で5着のビップライブリー(牡5、栗東・清水久厩舎)はいかがだったでしょうか?
圭太:フットワークの良い馬で、良い形で進められたんですけど、他馬を気にするようなところが見受けられましたかね。中山のようにゴチャつきやすいコースよりは綺麗な広いコースの方が走りやすそうですね。
-:僕も何度か観たんですけど、1200だったら中京などの方が良いのかなという感じがしました。でも、勝っても良い馬だと思っていました。
圭太:直線が長い方が走りは良さそうですけどね。
-:潮来特別8着のバラダガール(牝4、美浦・国枝厩舎)はやっぱり距離が長かったか……。
圭太:いや、前走の方がちょっとピリッとして良かったかなという感じでしたね。このクラスは勝てる馬だと思いますが。それに、もう少し時計が掛かってくれてもいいですね。
-:先週、聞き忘れてしまったのですが、エンプレス杯(Jpn3)で6着のミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)はどうでしたか?
圭太:ちょっと乾いた馬場は苦手かもしれません。距離もありましたし、ペースも速くて、色々と悪条件が重なってしまいましたね。
-:しかも、あの(川崎)コースで外々を回らざるを得ない枠(9番)というのもありましたかね。前回(TCK女王盃1着)がこの馬にとっては良い条件が揃っただけに、その逆になってしまったと。
圭太:ええ、それでも頑張ってくれるんじゃないかと思いましたが、楽ではなかったですね。
●異常事態の「3週」連続未勝利!現在の心境は?
-:ちなみに、珍しく競馬の話題ではないのですが、オリンピックは観ていましたか?
圭太:ええ、観ていましたよ!
-:何か気になった競技、印象に残ったシーンはありましたか?
圭太:「そだねー(カーリング)」だよねー。話題にもなっていたけど、一番楽しんで観させてもらいましたけどね。
-:そうですか(笑)。あのカーリング選手の皆さんも少なからず、競馬業界にも縁があるようで。
圭太:へえ~、そうなんだ。あとはマススタート。あれはすごく面白かったですね。競馬っぽさもあるというか。
「大丈夫じゃないよね。こんなに勝てないのは、これは酷いでしょ。重症ですよね」
-:しかし、五輪競技はメダルを獲るのも大変ですが、戸崎騎手自身、こんなに勝っていないのは、南関東でリーディングを獲るようになってから、鎖骨骨折の離脱以来、初じゃないですか?
圭太:初ですね。記録更新中ですね。
-:僕は大丈夫だと思っていますが、ファンは「大丈夫か?」と心配している人も多いと思うので。
圭太:大丈夫じゃないよね。こんなに勝てないのは、これは酷いでしょ。重症ですよね。
-:僕も馬券を買うので、この馬は来るのか来ないのか、予想をしながら乗り馬をみますけど、何でこれが1番人気なのか、と思っているのも多々あるので。
圭太:でも、何かしら今までも勝ってきていたし、3週間は重症としか考えられないよね。2週間勝てなかったのは嫌だったけど、2週間と3週間の差は特に……。ただ、依頼していただいた馬主さん、厩舎、関係者の思いもあるので、申し訳ない思いはありますが、次に勝った時には自分も成長していたいですね。
-:3週勝っていないと言っても、エンプレス杯の日の川崎では勝っていますから、「3週じゃないぞ!と僕は言っていますけどね。
圭太:まあ、確かに(笑)。でも、安定して乗っていくしかないですからね。自分でもこの成績にはビックリですけどね。
-:ただ、これは若干余談ですが、僕も好きなスポーツ選手で、戸崎騎手も尊敬されるイチロー選手のようなあれだけのスーパースターでも、大変な思いをして契約にこぎつけたわけで、どんなアスリートにも苦労はありますよね。
圭太:並列に考えちゃダメなほどのお方だけど、ちょっと頭に浮かぶ時がありますよ。イチローさんでも苦労していると。
-:勝てなかったことは申し訳ないですけど、基本的には前向きに、しっかり一鞍一鞍乗っていくだけということですね。
圭太:そうですね。次の一戦に向けて、集中してやるだけですよね。
-:来週は勝ったレースの分析をしてもらえるように。今週は大丈夫かな、という気がするのですが?
圭太:いやいや、それでダメなのが重症なんじゃないの?
-:簡単に言うな、という話なんですけどね(苦笑)。今週が厄介なのが、また雨が降るとか言っているので、「またか」みたいな感じがしましたけど。
圭太:そうそう(苦笑)。
-:他にも話題はあるのですが、今週はココまで。まずは土日頑張ってください。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は3月16日(金)に更新予定です!
※ここで編集部からのお知らせです。質問コーナーに続いて、今度は皆さん自慢の戸崎圭太騎手フォトを募集いたします!
応募はメールで、件名に「週刊!戸崎圭太係」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・年齢・ご住所・お電話番号・競馬ラボ登録ID(メールアドレス)・なぜその写真を選んだのか・ご意見ご感想があれば」をお書き添えいただき、以下に送信ください。
なお、応募は1メールにつき3枚までとさせていただきますが、写真のサイズは横(もしくはタテ)700px以内に縮小ください。締め切りは3月23日(金)まで。採用いただいた方の中から、5名様に抽選で何か戸崎圭太グッズが当たるかもしれません(笑)。たくさんのご応募をお待ちしております!
※優秀な写真はコラム内でお借りいたします。
※いただいた個人情報はプレゼントの発送以外の目的では使用しません。
※お客様の個人情報は責任を持って厳重に管理しております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。