'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
屋外トレーニング開始も誤算!? 復帰時期について改めて言及
2020/2/14(金)
先週の更新では軽度のランニングを始め、屋外トレーニングもスタートしたという戸崎騎手。徐々にリハビリの強度が上がっていくかと期待したところだが、誤算も生じたという。また、一部で話題になった復帰時期についてもコメント。当人の声をご確認いただきたい。
-:今週もよろしくお願いします!まずはいつも通り、この1週間での怪我の容態はいかがですか。
圭太:徐々にですけど、肘の方は可動域も広がってきて、順調という感じですかね。まあ、とは言っても本当にこんなにも治りはゆっくり、遅いのか…というくらいの回復力ですけど、回復の方には向かっていますので。
-:ちょっと前までも、徐々に良くなってきているということは口にされていたと思いますが、再度手術もされたわけです。いざリハビリだということになってくると、もどかしさという感じる部分もかなりあるんじゃないですか。
圭太:初めての経験なので、そういう思いも感じられますかね。精神的にしんどくはないけど…もどかしさ、じれったさはありますね。
▲1年前はダノンキングリーで共同通信杯を勝利
-:その中でも、先週は屋外での運動を始められたわけです。外で動くことはかなり明るい材料だったと思います。
圭太:それが…ですね。やり始めて、3日くらい軽くジョギングをしたんですけど、その後から体がキツくなって、これはまずいということで、ジョギングは止めました。単に体がキツいだけじゃなくて、バランスが悪いのでしょうね。痛みが出るところも出てきて、まずは控えめにしようかということになりましたね。ということで体を解してからと思って、ストレッチを始めたんですけど、ストレッチも3カ月、何もしていなかったので、もう体がガッチガチですね。若い時ならここまでならなかったと思いますけど、正直、歳を感じましたね。今年40ですし、体を動かしていないからね。時々動かしていれば、また違うでしょうけど、これはビックリしましたね。
-:競走馬で例えると、今はどれくらいの仕上がりでしょう。
圭太:急に乗り始めちゃったら、コズみが出ちゃって、またお休みみたいな感じですかね。
-:しかし、今回の場合は単なる筋肉痛とかじゃなくて、体のバランスがということで、心配なところではあるかと思います。
圭太:でも、ちょっと抜いたら、すぐに痛みがなくなりました。そこはバランスを整えてからやろうかなと思っています。だから、ジョギングというよりは自転車を漕いだり、方向転換して、持久力を付けていこうという感じですね。
-:段階として、まだ走ることに関してはちょっと負荷が強過ぎたということで、徐々にやっていかないといけない感じですね。そういう段階も含めて、焦りじゃないですけど、やっぱりちょっともどかしさを感じるところでもあるんじゃないですか。
圭太:だけど、それも改めて良い経験だなと思っていますよ。こういう体とも付き合っていかないといけないなということで。だから、焦りはないからイライラすることはないですね。情けないし、こんなものかな…と。
-:もうご自宅に戻られているので、食生活はほぼ通常通りの内容に戻っている感じですか。
圭太:まだそこまでシッカリはやっていないです。何となく気を付けている程度ですかね。
-:現在の体重はどうですか。
圭太:いや、量ってはいないですけど、たまに量って、変わらないですかね。ちょっと痩せているかな。でも、2回目の手術をしてから、目途が立ったような感じもあるので、そういうところでは少し自分的にもスイッチが入ったということで、ボテッとしていた体が何となく引き締まった感じはするんですよね。
-:体に関しては、12月に見た時も引き締まった感じには見えましたけどね。
圭太:でも、ボテッとしてきたらまずいなという思いもあったんですけど、ちょっと引き締まってきた感じはありますかね。だから、入院中も本当に甘いものがすごく食べたいなというのもありましたけど、最近は随分減ってきましたね。気持ち的に入ってくるのかな。
-:言われてもみれば、話っぷり、声にも力が入ってきた感じは受けますね。
圭太:色々、体と相談しながら、付き合いながら、徐々に高めていくしかないなと思っているので。
-:ケガという意味では、松岡(正海)騎手も怪我をして、関東のジョッキーはまたもという感じですね。
圭太:大腿骨の怪我は長いみたいですからね。痛みに耐えてもらって、慌てずジックリ治してもらいたいですね。ウインブライトが今いい時期でしょうし、そこは特に残念だったと思いますが…。
-:先週の重賞ですが、東京新聞杯(G3)は、割と馴染みのある馬も走っていたと思います。クリノガウディー(3着)は、外枠がどうなのかなという感じがしていたんですけど、上手いこと内に入って、ああいう形だとやっぱり競馬はしやすいのかなという感じはしたのですが。
圭太:Dコースもありますし、馬場も全体的に内が有利なのかなという感じでしたし、(横山)ノリさんも素晴らしい騎乗でしたね。プリモシーンもG1でも良い勝負をしていましたからね。こちらは内枠がどうかと思っていましたけど、シッカリ伸びてきた辺りは力がある証拠ですかね。
-:あの馬に関しては、やっぱり硬い馬場も合うのですかね。
圭太:多分、そうだと思います。
-:他のレースで言うと、春菜賞のビッククインバイオも勝っていましたね。
圭太:競馬が上手なので、ある程度、距離はこなせると思うんですけどね。ただ、ワンターンのああいう形は合いそうですよね。同じレースにいたコミカライズは新馬でしか乗っていませんが、当時と比べてずいぶん気持ちが入ってきた感じですよね。乗り難しさを感じました。
-:白嶺Sで3着のヴァイトブリックは、段々使う条件を短くしていっているようですが、(丸山元気)ジョッキーのコメントによると「良い頃はもっとフットワークを大きく使えていたのに、段々縮こまってきている」といったことを言っていました。感じられる部分はありましたか?
圭太:それはありました。昔の方が体を使って走れていて、兵庫チャンピオンシップ辺りまではまだギリギリ大丈夫だったかな。
-:続いてファンから質問をいただいていますが「もし海外に行くとしたら、どこの国の競馬場で乗りたいですか」という内容に関してはいかがでしょう。
圭太:やっぱりヨーロッパですかね。
-:ヨーロッパの中でもどの国かはありますか。
圭太:イギリスはもう1回リベンジしたいんですよね。でも、1回行っているので、また違ったところで乗ってみたいというのはありますけどね。ただ、競馬場というよりはレースなのかな。凱旋門賞だったり、シャーガーカップなどの大きなレースに乗りたいなという思いはありますよね。
-:アメリカはどうですか。
圭太:アメリカはやっぱりスピード競馬の感じがあるので、乗るというか、行くなら勉強もしたいですし、そういった意味でも、イメージ的にはヨーロッパになっちゃうかな。アメリカでも勉強は出来ると思うんですけどね。
-:続いて「ここ最近、他競技ですけど、ゴルフだったり、バスケットもそうですけど、日本人選手が海外に出たり、結果を残すことも多いと思います。印象に残った競技や選手がいたりされますか」という質問です。
圭太:休んでいる間に色々な種目を観ていますね。それこそ競輪だったりとか、それは日本か…。特にコレというのはないかな。でも、日本の競技レベルは全体的に上がってきた感じはしますよね。前と比べても世界に通用しているのを感じますね。
-:今週は共同通信杯ということですが、1年前に勝たれたレースでもありますね。
圭太:本当に楽しんで乗ったレースでしたね。ダノンキングリーには期待もしていましたし、今後に向けてのレースになると思っていましたので、ワクワクしたレースではありましたね。
-:振り返られると、当時の自信度はいかがでしたか。
圭太:(自信は)ありましたけど、こちらは重賞未勝利で、アドマイヤマーズという2歳チャンピオンもいましたからね。そういった面でも、どういった結果になるのかという楽しみもありましたからね。
-:結果は、強い内容で終えられましたけど、負かした相手もゆくゆくちゃんと走っているというのもあって、よりレベルの高さを感じるレースでした。しかし、残念ながら、ダノンキングリーの次戦(中山記念)には乗れなさそうですね。
圭太:はい。
-:毎週ここを読んでいただいている方には、それもわかっていただいていたとは思いますけどね。そして、今週のクイーンC(G3)にも3度手綱をとられたマジックキャッスルが出走。ここを使ってからのローテーションは存じませんが、桜花賞も視野に入ってきそうですね。
圭太:桜花賞は4月12日ですか。一応、前後はあるので何とも言えないですけど、5月くらいに復帰が出来たらとは思っていたんですよね。
-:お医者さんの判断はまだ具体的には出ていないのですか。
圭太:そうですね。ただ、医師もトレーナーも実際、馬に乗っている人ではないですし、どういう感覚かというのも分からないじゃないですか。だから、ここから行けるというのも、本人次第でもあると思いますしね。なので、お医者さんも分からないでしょうね。手術した箇所は完璧と言うくらいでしょうしね。
-:しかも、ドクターやトレーナーさんも素晴らしい環境でリハビリに取り組まれていると思いますが、また競馬は力の掛かり方も独特でしょうからね。しかし、怪我の経過報告はいいとして、復帰時期ってハッキリ言い切れるまでは、数字的なものは載せるべきじゃないと考えていましたね。
圭太:でも、何かSNSに載っちゃったようですね(笑)。5月といっても前後1カ月くらい変動するだろうし、もっと目処が立って、GOサインも出てから、自分の言葉として改めて発表しようと思っているので。
-:もはや前哨戦にも乗れていないわけでないですし、G1がすべてではないと思います。ただ、意識されるダービーもありますが、GⅠシーズンに戻れればいいですかね。
圭太:そんな感じですね。G1というか、5月くらいに乗れれば良いかなという感じですよ。だから、ダノンキングリーなどは声を掛けてくれていたし、待っていただいていたし、ありがたいことでしたよ。
-:僕が聞いていても、今までとは違って、中央の馬の中では思い入れがあるのかなというのは感じてはいたので。
圭太:だけど、根本にはやっぱり自分の馬というか、お手馬だったりという、思いは僕にはないかな。思い入れはありますけどね。それが非情だとかではなく、競馬、騎手はいつでも失敗したら替えられるという気持ちですしね。それは騎手という立場だから。
-:伝わりづらいですけど、馬に対して、ちょっとドライなところもある訳じゃないですか。それはやっぱり騎手として任されているから乗る訳であって、替えられる可能性もあるということは常に肝に銘じて乗っているという感じですかね。
圭太:ちょっと思い入れが強くなって、離れちゃったら、寂しい気持ちが強くなっちゃうかなというのもあるので。
-:思いが強いからこそ疎遠になった時によりショックを受けることもありますからね(苦笑)。
圭太:だからと言って、乗せてもらっている以上は、ずっと乗っている馬はちょっとでも良くしたいという気持ちはありますからね。自分とのコンタクトというか、距離間も短くなってくれたら嬉しいですしね。勝負の世界なので、複雑な感じですね(笑)。
-:特に中央だとそんな感じは強いですか。
圭太:やっぱり乗れるように頑張らないといけないですからね。でも、それはどんなオーナーや生産者さんだろうと、やっぱり勝負の世界ですからね。覚悟をして乗っていかなきゃいけないですし、それだけ結果を求められると思っていなきゃいけないので。
-:また来週もよろしくお願いします。ありがとうございました。
圭太:ありがとうございました。
※次回は2月21日(金)か22日(土)に更新予定です!
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keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。