'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
意欲の追い切り騎乗が実るか!?ドライスタウトとフェブラリーSへ!
2023/2/17(金)
今年初のJRA G1となるフェブラリーSが行われるが、今年は上位人気になるはずの2頭に主戦として乗り続けてきたこともあり、ジョッキーの選択から注目が集まったもの。ジョッキー自身、東京のダート重賞には好相性。過去には2着もあったレースでもあり、初制覇を期待したい。
2週連続の追い切り騎乗でG1へ
——今週はいよいよフェブラリーS(G1)ですね。今年は何といってもどの馬に乗るのか、という事前段階から含め、注目を浴びたかと思います。ドライスタウトとのコンビで臨むことになり、いよいよレース当週ですね。
もちろん他のレースもありますが、フェブラリーSへ向けてワクワクしています。2週続けて乗ってきましたが、今週は追い切り前の運動から乗せていただきました。1週前より追い切りの動き、状態は良くなってきたと思います。
——1週前追い切りはCWでの併せ馬。併せた相手が格下ということもあり、並ぶ間もなく先着していましたが、まだまだ動けるように見えました。一方の今週は雪で馬場も不良だったようで、時計的には判別し辛い状況でした。
実際、1週前はまだまだ鈍さもあったと思いますよ。ただ、そこから上向いてきたと思います。今週は時計よりも一番は馬が気持ちよく走れること、そこを重視しましたが、スムーズに走れていましたし、狙い通りです。
——枠順や展開、馬場状態など理想とするところはありますか。
枠は内過ぎない方がいいかなとは思いますね。
——トビも大きい馬ですよね。ただ、前走は久々に外から被されるような競馬でしたが、あの内容も活きてきそうですか?
トビが大きいのは確かですが、前走のようにモマれる形になっても走れる感触は以前からありました。オキザリス賞以降は枠や展開などもあって被されるようなことはなかったのですが、あくまで条件がそうだっただけですからね。
——前走は芝スタートで中団から。昨年の園田の時もひと息でした。スタートは課題になりますか。
いや、決して速い訳ではありませんが、スタートのスピードに関してもそんなに心配していません。園田は滑りやすい馬場でしたし、前走もそれだけデキが戻り切っていなかったからです。普通の状態であれば、気になりません。前走もあのデキで初めての58キロでは動き辛かっただけです。
——ライバルはどの馬でしょうか。
そりゃあレモンポップでしょう(笑)。おそらくあの馬の方が先行はしているでしょうから最後に差し切れればと思います。
——3歳以降はオープン特別の1勝のみ。なかなか順調にレースを使えていませんが、それでも人気を集めそうですね。
2歳時から素晴らしい走りをしてくれましたし、いい時に乗せてもらっていますからね。それだけ前走などはデキの比較もできますから。マトモなら相当な能力がありますから、あとは馬を信じて挑みます。
——勝てばご自身は東京ダートの4重賞勝利も懸かります。
そんな記録もありましたか?勝たせてもらっているとは思いますが、是非、網羅したいですね。
騎乗経験のある馬が多数の東京最終週
——今週は騎乗経験のある馬が多数ですね。土曜の騎乗馬から伺いたいと思います。コンクエストは昨夏に騎乗されました。
乗り味自体は良かったと思いますが、不利を受けましたからね。前回はキッカケを掴んでいますし、改めてですね。
——サトノロワは初戦時の追い切りからも巻き返してほしいところですね。
本当ですね。中間、乗っていないのでわかりませんが、変わってきてくれるといいですが。
——キングサーガは惜しい競馬が続きます。
安定していますからね。どうも何か強い1頭がいますが……。
——ダイヤモンドS(G3)のヴェローチェオロはどうでしょう。
さすがにこれだけのブランク明けで長距離戦ですからね。まずは無事に走れると良いですが、一つでも着順が上がれば理想です。
——日曜のセイウンミライズやノットファウンドはどうでしょうか。
セイウンミライズは行き脚がつかない分、距離延長は良さそうですね。ただ、勝ち切るにはもう少しガッツがほしいところ。ノットファウンドは中山の前走が案外でしたが、通用していいところまできていますからね。
——スズハロームは気難しさが付きまといますね。
勝った時が派手でも、ムラがあるように安定感には欠けると思いますが、距離短縮とワンターンで巻き返してほしいです。
オレンジフィズは良馬場で乗ってみたいですね。ニシノスーベニアはダートの方がいいような気もするのですが、芝でも健闘はしていますからね。
——コングールテソーロで1回東京は最後の騎乗です。
1勝クラス勝ちは強かったですし、東京で改めてですね。
次週、2週後と阪神で騎乗
——先週のレースではジョンソンテソーロはどうだったでしょうか。
ここ最近よりはリラックスして走れたのですが、やっぱり追ってからの反応がひと息でしたね……。
——共同通信杯(G3)のシュタールヴィントはどうだったでしょうか。
馬は元気もあって仕上がりは良かったんじゃないかと思います。陣営からも前走より「いい状態」とは聞いていました。ただ、ゲート内でうるさく上手く出られませんでしたし、先行できなかったですね。追ってからもフットワークがバラついている印象でした。
——ノワールドゥジェはどうだったでしょうか。
追い出してからも外に張る面が大きかったですね。今ならマイルくらいでもいいのかもしれません。
——ナイトキャッスルはハイペースを先行する形になりました。
フットワークは良かったと思います。ただ、まだ体に芯がほしいところですね。現状では芝でもダートでも、ワンパンチ足りない形になるかもしれません。
——ルルシュシュはいい勝負になるかと思いました。
そう思ったんですけどね。思ったより走れませんでした。結果を求めるには体力も伴っていなかったのかもしれません。
——クイーンC(G3)のミシシッピテソーロはどうだったでしょうか。
枠は内だと良かったですね。前から行くか、後ろからか出てから決めましたが、スムーズに行けたので流れに乗っていけました。以前のように後方からであればマイルもギリギリ保つのかもしれませんが、今はもう少し短い距離で良さそうです。
——レイカットスルーは前半の行きっぷりから苦しいレースになりましたね。
返し馬から気配が怪しかったです。ひと息で走ってハミも突っぱねる感じでした。この気配だと1200mでも厳しかったです。
——オヤノナナヒカリはテンションが気がかりでしたが、先行もできて、上手く噛み合いましたか。
ポジションをとれて気持ちよく走れたことが大きかったですね。馬もリフレッシュされていましたし、いいタイミングで乗せてもらいました。
——次週は阪急杯(G3)でピクシーナイトに騎乗されますね。
追い切りに乗せていただいたところ、馬は流石の雰囲気でした。ブランクがあるだけに動き切れてはいませんが、無事に後遺症がなくレースに迎えるといいですね。
——次週はチューリップ賞の追い切りにも騎乗するとのことですね。また次週もよろしくお願いします!
※次回は2月24日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。