'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
スプリンターズSはピクシーナイトに騎乗
2023/9/29(金)
今週で4回中山開催も最終週。例年の通り、秋のJRA G1の幕開けとなるスプリンターズSが控えている。今年は2年前の覇者と臨むことになったが、これで年明け初戦から4戦連続のコンビになる。復活となるだろうか。
中山最終週は13鞍の騎乗
——今週もよろしくお願いします。土曜の騎乗馬から伺っていこうと思いますが、勝浦特別のタリアは中山で続戦。前走も惜しい結果でしたね。
乗り易いタイプでいいスピードがある印象です。最後は交わされてしまいましたが、ここもどれだけ粘れるか、頑張って欲しいですね。比較的、短い間隔でのレースが続いているものの、辛抱してくれている印象です。
——日曜のテイエムビッグサーも中山で乗られましたね。
ダートで砂を被っても大丈夫でした。あとは追ってからのもうひと押しがあれば。その辺りが変わってくるといいですね。
——サクラファシナンテはどうでしょうか。
前回と似たような内容になってしまいますが、乗り難しい面があり、ハマり待ちの面はありますね。展開が向いて欲しいですね。
——サフラン賞のテリオスルルは新馬勝ちを決めての2戦目です。
新馬は攻め馬よりも実戦に行っていい走りをしてくれました。今回の1週前追い切りも安定していてイイですね。何とか勝ち星を重ねたいです。
——アクションプランは東京で勝たれた馬ですね。
中山でも走っていますからね。モマれ弱い面に気を付けつつ乗りたいです。
——茨城新聞杯のヤマニンエンディマは芝になりますね。
ダートで勝ち上がってきたので、芝がどうか、ですね。
——スプリンターズS(G1)のピクシーナイトは勝った実績のあるレースですね。
記事を目にしても、ユーイチさんのコメントによれば先週よりも良くなっているようですし、潜在能力をどこまで出せるか、ですね。G1を勝ったレースですし、馬も頑張って欲しいです。ブリンカーを試すようなので、その効果もあればいいですね。
——先週の馬場は土日で比較的、傾向が変わりましたね。
土曜は金曜の雨の影響もありましたね。見た目にはそこまで掘れていませんが、馬場が乾いてきた日曜は内有利でしたね。今週の天気はどうですか?
——(週中の時点では)週末は雨予報ではなかったと記憶していますが。
晴れていれば内有利なのでしょうね。降ればまた差し向きになるかもしれませんね。
初距離にも対応したタガノクリステル
——先週のオールカマー(G2)はゼッフィーロで3着でした。
ここのところスタートが悪いと聞いていましたが、スムーズに出てくれましたし、流れに乗れましたね。ただ、以前もあったようですが、行きたいところで行けなかったり、ヨレたりと指示に抵抗するような面がありました。
——こちらの印象ですが、調教は動いているように映りました。
比較はないですけど、状態は良かったと思いますね。今後も長丁場のタフな条件で頑張ってくれそうですね。レースを組み立てる上で、他馬を気にしたりする面は課題になりそうですね。
——サザンステートは大波乱のレースで2着でしたね。
福島で乗せていただいた時から「中山マイルは良いんじゃないか」という話はしていました。前走は中山で勝っていましたね。ただ、昇級でどうかな、と思ったところ、返し馬で状態の良さを感じました。前回よりもいい雰囲気でしたね。もともと競馬は上手で、流れに乗ってしぶとく頑張ってくれました。
——アサクサヴィーナスは初の右回りがやっぱり堪えましたか。
前走より良くはなったものの、気持ちも盛り上がり過ぎてしまいましたね。中山マイルのトリッキーな形態で馬も戸惑って、道中も息が入らなかったです。
——見た目には前回も今回も力んでいるように感じました。
いや、もう前走と比べると「全然」違いましたね。ゲート裏なんかもうるささが違ったようですね。
——フェスティヴラジャはどうでしたか。
状態の面が大きかったですね。トモの踏み込みが甘くて、直線も苦しいですね。順調なら通用していい馬なのですが。
——メイショウコバトは勝ち馬以外とは差がなかったですが。
不器用な面はあるのですが、昇級や大外枠、速い馬場などでもメドを立ててくれました。条件が噛み合えば、また勝てそうですね。
——タガノクリステルは初コンビでの勝利となりましたね!
一番は1200mに対応できるか、というところだったと思います。状態は良かったようで、馬も気持ちよく走ってくれましたね。1200mの忙しさも感じず、強い競馬だったと思います。
——外枠から内に入りましたね。
前半、横並びで前がやり合っていましたからね。過去の映像をみても、揉まれても競馬が出来る馬だと思っていましたし、ロスなく行ければと。スペースが空いていたので自然と位置を取りにいけました。
——キントリヒは前を飲み込むかと思いましたが、枠も外でなければ、というところでしょうか。
ポジションもある程度、獲りたかったのですが、外枠もありましたからね。後ろになった中でも堅実に脚は使えていると思います。条件や馬場が噛み合えば、チャンスはあると思います。
——オンザヴィーナスは中山では分が悪かったですか。
やっぱり直線の坂は堪えたところはありましたし、もう少し力がついてくるといいですね。馬場状態もこの馬にはひと息でしたね。
——次週は今回も続けて追い切りに乗っている毎日王冠(G2)のソングライン、レパードS以来になるオメガギネスなどに騎乗。そして、今週は栗東トレセンにも行かれたようで、追い切りをつけた新馬にも騎乗予定のようですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は10月6日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。