
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

7月7日時点1634勝
土曜は函館、日曜は宝塚記念のため阪神で騎乗へ
2025/6/13(金)
今週は土日ともに東京を離れ、函館と阪神競馬場に転戦。函館スプリントSのカピリナ、宝塚記念のレガレイラといずれも継続騎乗となるが、いずれも条件替わりでパフォーマンスを高められるか注目だ。
大外枠&雨予報をレガレイラはどう対応するか
——昨日は始球式に登板されておられまして、土曜日は函館での騎乗ですね。今週は宝塚記念(G1)でレガレイラに騎乗されますが、有馬記念以来のレースになりますね!

枠順が悩ましいところですね。スタートはポイントになりそうです。気を付けて臨みたいところと、あとは天気ですね。土曜は一日雨で日曜は止むようですから、極力早めに雨が上がって欲しいですね。それに雨によって、大外枠がより良い枠になるような条件になってくれれば幸いです。
——前走の有馬記念のイメージだけで言えば、スタートは問題ないように錯覚してしまうところもありますし、大外枠はプラスになる面はありませんか。
その可能性はありますが、やっぱり枠そのものは凄くイイとは言えないと思っています。
——前回のイメージからするとスムーズに流れに乗ってくれる期待をしていますが、どんな流れが理想ですか。
ポジションが獲れないことも想定しているので、やっぱり流れてくれた方が良さそうですね。あとはその時点でどんな馬場になっているか、でしょうか。
——1週前追い切りではどうでしたか。

久しぶりを感じさせない動きでしたし、久々の分の不安はなくなりましたね。
——昨年の時点ではもう少し成長できれば、といったことも仰っていましたね。
緩さは解消されてきていますね。そこは成長なのかと思っています。あとはレース勘といったところでしょうか。
——精神面で懸念される点はありませんか。
何と言いますか、レースに行って本当に大人しいタイプかと言えば、決してそうでもなかったので、当日に行ってどんな気配なのかは重要ですね。
——以前、乾いた馬場の方がいいと仰っていましたよね。梅雨時期でもあり、雨の影響はありそうですが…。
だと思っています。とはいえ、G1を勝ってきましたし、多少ならクリアしてくれると思います。しかも、緩さも解消されてきた分でそういった面でもこなせる範囲が広がってきた気はします。
——函館スプリントS(G3)のカピリナは抽選を突破してくれましたね。
あともう一つという段階まではきていますからね。強そうな相手もいますが、頑張ってほしいです。洋芝も合いそうですからね。
——乗られていないレースですが、中山で勝ってきた際は速い馬場ながら速い走破時計にも対応しました。洋芝ながら開幕週だと速いタイムになるのかと思います。
1400mでちょうどいいかなと思っているので、上手く対応してほしいところではありますね。レースのイメージ的にも内枠がいい印象ですし、内を引けたらとは思っています。
——トレセンでの調教ではどうでしたか。
2週前までですかね。順調に来ていましたよ。
——サクラアドリアは過去に乗られていますね。
能力は感じているのですが、緩さが影響していましたね。その点が解消してくれているといいですね。
上位まであと一歩だったブレイディヴェーグ
——先週の回顧についてもよろしくお願いいたします。安田記念(G1)ではブレイディヴェーグに騎乗して4着でした。

前回もお伝えしましたが、枠が外になってしまいましたからね。それだけによりスタートが重要だなと考えていました。こちらが思っていた以上のスタートを切ってくれたことで、思っていた以上のポジションも取れましたね。いい運びにはなってくれましたね。
——先週も後方からでは(厳しい)、とおっしゃっていましたし、位置に関しては上手くいったと見てよろしいでしょうか。
そう思いますね。
——ペースを踏まえても理想的だったのかと思います。それでも差し切れないというと、適性の問題もありますか。
う~ん、そうですね。このクラスでの1800m、2000mは乗ったことがないので何とも言い難いですし、1800mのG1もあるわけではないですからね。それでも、他の条件ではどうなのかなと思うフシもありますね。本質的な面でね。
——気性的にはどうでしたか。
聞くところここ2戦は気持ちが入り過ぎてしまったようですが、問題はなかったですよ。
——他馬が真っ直ぐ走れていなかった面での影響はなかったですか。
そうですね。僅かな影響はあるかもしれませんが、そこまでのものではなかったと思います。
——あの日の馬場との適性はどうでしたか。
馬場自体は掘れているとは思いますが、そこまで影響はなかったと思います。強いていえば掘れてはいるけれど、内の方が有利に感じたので、その差は少なからず影響はありそうでしたね。あのスタートでしたし、内枠ならとは思いますが。
やっぱり外枠で団子になるとイチかバチかの面もありますからね。出たからといって突っ込んでいっても詰まりかねないし、逆に外を回されかねないですからね。
——ノヴァエクスプレスは仕切り直しの一戦でしたね。
この馬は外枠がやりやすい思うタイプですが、1週延びた分に関しては変わらずいい状態だったと思います。1400mの条件も合いますね。
——グリーンエナジーは3着でしたね。
緩さは感じていたので、レースでどう出るか、というところでしたが、まだスピードに乗っていけない面はありました。ただ、奥手のタイプかもしれませんが、内容は悪くなかったです。走る気持ちはあるのでこれ以上、テンションが上がらなければいいなとも思います。
——スタンリーテソーロはどうでしたか。
競馬の立ち回りは上手なので、もう一つ成長してくると着順も上がってきそうです。
——カラヴァジェスティは8着でした。
う~ん、やっぱりスタートは遅いですね。1F延びた分、道中の力みがありましたね。前半はついていけませんが、ペースが落ち着いたところでスピードに乗ってきて、そのあたりがチグハグな内容になってしまいました。1200mの方が走りやすそうです。我が強い分はレースにいってコントロールが難しいタイプかと思います。
——ニヴルヘイムは昇級初戦でした。
ポジションもとれなかったですし、東京になると促しつつの追走。クラス慣れが必要そうですし、条件ももう一つ合わなかったのかと感じています。勝った時は緩い馬場で、そんな馬場の方が合いそうです。
——ナムラペルルは別馬のようでしたね。驚かされました。

いや~その通りという感じでした。決して上手く乗れた内容でもなかったですし、これで勝ってくれるんだ、と驚くほどでした。今まで勝てなかったのがわからないくらいの走りでしたね。
——前走は追い切りが木曜になる面もありましたが、何か変化があったのですか。
わからないです。返し馬の時点では特に違いを感じなかったくらいで、ローテも楽ではなかったですからね。
——アドリアフレイバーはテン乗りでしたが、着順的には上げてきていますね。
前走は砂を被って嫌がる面もあったので、内枠でしたし、スタートには気を付けていました。この馬にはペースが速いかなと思いましたが、最後、止まっているわけではないものの、流れや条件があとちょっと噛み合わなかったですね。でも、これなら短くなっても対応できそうですね。
——東京では矢野貴之騎手がJRA初勝利でしたね。もちろんやり取りはあったと思います。
初勝利は意外でしたね。しかし、なにせタイミングが悪い(笑)。僕は5Rからで調整ルームでゆっくりしていたんです。それで勝ったから慌てて行ったんですよ。でも、大井競馬に移籍してきて高橋三郎厩舎でやってきているのを観ていたので、いい記念になったと思います。
——そして、今週木曜日は楽天モバイルパーク宮城にて始球式にも登板されていましたね。次週の府中牝馬Sはハンデ次第かと思いますが、カニキュルに騎乗予定とのこと。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。