第二のアーモンドアイがこの中に!?ノーザンファーム関東馬の「早期デビュー組」を狙え
2018/5/27(日)
来年のクラシックホースがこの中にいる!? 6月の第1週から来年のクラシックへ向けた2歳新馬戦がスタートする。競馬ラボの特別取材班は、2017-18シーズンも桜花賞馬アーモンドアイを輩出するなどクラシック戦線を席巻したノーザンファーム天栄・木實谷雄太場長を独占直撃。早期デビューの重要性や、美浦トレセン入厩直前&入厩済みの良血馬について聞いた。POGも馬券もコレで大丈夫!
ノーザンファーム育成の関東馬は2018年、3歳限定で行われた重賞8勝という驚異的な数字をマークしている。そのうち同じ馬の複数勝利はアーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)だけで、7頭の重賞ウイナーが誕生した。昨年からノーザンファーム天栄・木實谷雄太場長に取材を続ける中で語っていたのが「早期デビューの重要性」。活躍した馬を見ると、2歳の3月~6月に入厩またはトレセン近郊へ移動し、8月までにデビューしていた馬ばかりだった。
◆主なノーザンF育成・関東馬のデビュー◆
アーモンドアイ 8月6日(5月17日)
オウケンムーン 8月12日
ジェネラーレウーノ 7月23日
ステルヴィオ 6月4日(3月27日)
テトラドラクマ 7月22日
プリモシーン 9月17日(6月6日)
ロックディスタウン 8月6日(5月11日)
※カッコ内は北海道→天栄への移動日
木實谷場長:早めに(本州へ)持ってこられる馬は持ってこようと、北海道の育成牧場と打ち合わせしていました。馬の成長度合いにもよりますが、早く賞金を加算できれば、それに越したことはありません。特にステルヴィオは2歳戦の開幕週にデビューして、順調に賞金を重ねてクラシックに駒を進めることができました。
「早く移動するということは、北海道で動けたから。動けていない馬はスタッフたちもゴーサインを出しません」
早いデビューから3歳春のG1戦線に乗ってきた馬は、ノーザンファームの関東馬だけではない。NHKマイルC(G1)を制したケイアイノーテックは2歳戦の開幕日にデビュー勝ち。3連勝で朝日杯フューチュリティS(G1)を制し、ダービーでも有力視されるダノンプレミアムは6月25日の新馬戦を勝ち上がった。早い段階で本州へ移動してくる馬は能力が高いのだろうか?素朴な疑問をぶつけてみた。
木:早く移動するということは、北海道で順調に乗れていて、しかも動けたからです。動けていない馬は北海道のスタッフたちもゴーサインを出しませんからね。
やはり、早い時期に移動できる馬は活躍する可能性が高いと言えそうだ。場長が話していたように、賞金を加算していかなければ能力が高くてもクラシックに出走できない。特にダービーは近年ボーダーラインが高く、今年は3勝馬でも除外対象。以前は秋デビューが『王道』と言われていたが、夏までにデビューする馬がPOGで勝つためのカギを握っている。
木:まだ北海道から移動していなくても、クラブ所属馬はホームページに動画もアップされていますから、レポートに書いてある時計と動きを比較してみてください。手応えよく速い時計で走れている馬は、近いうちに移動できる可能性が高いです。
今年の2歳世代でも、すでにトレセン入厩直前 or 入厩済みの良血馬は多くいる。POGでも馬券でも欠かせないノーザンファーム育成の関東馬から、編集部オススメの10頭をリストアップした。「POGでポイントを稼ぐ=馬券に絡む」ということ。馬券を買う際にも、ぜひ覚えておいてほしい。
☆ノーザンF関東馬 厳選10頭☆
ユナカイト 牝
【場長コメント】5月16日に美浦トレセンに入厩しました。まずはゲート試験合格を目指します。春先に飛節に疲れが出たようですが、それを乗り越えてきっちり乗り込むことができたと聞いていますし、うまくいけば夏にデビューできると思います。どうしても半姉(アーモンドアイ)と比べられてしまいそうですが、去年の募集時からバランスのいい馬体をしていましたし、素質の高さを感じています。
半姉アーモンドアイは桜花賞を圧勝
シハーブ 牡
【場長コメント】5月4日にゲート試験に合格しました。北海道で順調に乗れているので移動してきましたが、もともと秋口デビューと言われていた馬。まだまだ緩さも目立つので、これからの印象ですね。特に目標を定めず、成長に合わせてやっていきたいと思います。
半兄シャケトラは2017年日経賞勝ち
ソルドラード 牡
【場長コメント】半兄のレイデオロやレイエンダと比較すると、現時点での完成度はこちらのほうが高いですね。見ている限りは扱いやすそうで、早い時期から動けそうな印象です。兄はみんな順調にデビューを迎えられていますし、夏のデビュー目指して進めていきたいと思います。感触もよく、兄たちと同様に活躍が期待できると思いますよ。
骨折明けで夏木立賞を快勝した半兄レイエンダ
コントラチェック 牝
【場長コメント】デビューに向けて15-15で乗っているところで、7月か8月には1度使いたいと思っています。兄たちがみんなセン馬になっているように少し気性面で難しいところがある血統ですので、いいコンディションの時に使ってあげたいです。小気味いい走りを見せていてデビューが楽しみな1頭です。
半兄ムーンクエイクは2018年京王杯SCを制覇
ベルクワイア 牝
【場長コメント】6月の東京デビューを予定していますが、いい感じで初戦を迎えられそうです。母方がダート色の強い血統ということもあり、かき込むようなフットワークをする馬。距離はマイル前後が良さそうなイメージなので、桜花賞を目指していければいいですね。
半兄ダノンリバティは芝・ダート問わず活躍
ディキシーナイト 牡
【場長コメント】15-15で乗り込んでいて、順調なら夏にデビューできそうです。活躍した全兄(ダローネガ)は関西馬でしたので単純に比較することはできないのですが、パワータイプなところは似ているのではないでしょうか。先行して粘り込みそうな、ダイワメジャー産駒らしい馬です。
全兄ダローネガは総収得賞金1億6000万円
ガルヴィハーラ 牡
【場長コメント】順調に乗っていて、東京ダート1400mでのデビューを目指しています。まだ成長途上で体力が付ききっていないので、間に合えば使いたいという感じです。いいスピードを持っていて、調教ではやれば動く馬ですよ。
半姉ディーパワンサはデビュー2連勝
イヴォーク 牡
【場長コメント】ゲート試験に合格して戻ってきて、15-15で乗り込んでいます。いいスピードを持っていますね。半兄のジュンヴァルロも行きっぷりのいい馬ですが、この馬も気が良すぎる部分があるので、6月の東京デビューを目標に注意しながら進めています。
半兄ジュンヴァルロは皐月賞に出走した
アガラス 牡
【場長コメント】6月10日(日)東京芝1800mでのデビュー予定で、現在は14-14で順調に乗り込んでいます。馬格があってフットワークが大きい馬なので、距離はあったほうが良いタイプですね。真っ黒な馬体が見栄えして、1歳の募集時にも人気になった馬ですが、その期待通り初戦からいい走りをお見せすることができると思います。
ブラックタイドの代表産駒キタサンブラック