クラシックを賑わせたエアスピネルの全弟が登場!

今週の阪神芝1800m戦は、POG上位人気馬3頭がぶつかり、ここまでの新馬戦では一番の注目レースとなりそうだ。順に見ていこう。

まずはエアウィンザー(牡2、栗東・角居厩舎)。母に秋華賞勝ち馬エアメサイア、全兄に菊花賞を目指すエアスピネルがいる。

「この時期の2歳馬にしては大人びており、乗りやすい。稽古に跨ってくれているジョッキーも高く評価してくれている」と前川助手。

2週前の坂路は平凡だったが、1週前のCW調教では71秒5-11秒9(以降、調教は主に1週前のもの)を一杯にマーク。全体時計が遅いので判断は難しいが、上がりがかかっている最近のCWで12秒を切れれば合格点か。鞍上は武豊騎手を予定。その武豊騎手が調教後に好評価していたことから、ますます楽しみが増してきた。

POG

1週前追いで武豊騎手が絶賛のエアウィンザー

アドミラブル(牡2、栗東・音無厩舎)は、全兄タブレット、全姉がイサベル。両馬ともに故障などで大成はしなかったが、無事なら重賞も目指せるほどの素質馬だった。近親にもリンカーンヴィクトリーらG1活躍馬がおり、POGで人気を集めたのも当然か。

「奥のある血統で本当に良くなるのは先だが、素質を秘めている。乗り込めているし、初戦からいい走りをしてくれると思う」と音無師。坂路で54秒1-12秒5と時計はまあまあだが、併せたオトチャンに遅れ、坂路は走らないタイプなのか。ただ兄姉はデビュー戦で圧勝しており、調教が目立たなくてもレースで変身は見込める。鞍上は松若騎手を予定。

ムーヴザワールド(牡2、栗東・石坂厩舎)は、全姉がローズS勝ち馬のタッチングスピーチ。一つ上の全兄はセレクトセールで2億8000万円の高額だったが、海外デビュー。この血統を狙っていた人にとっては、2年越しの指名となった。調教はCWで70秒4-12秒4(一杯)と地味。最終調教で時計を詰めてくる可能性もあるが、上同様晩成型なのかもしれない。焦らず応援していきたい。

さすがに粒が揃っている関西勢。前日の1600m牝馬限定戦も見逃せない一戦だ。まずは、ソウルスターリングの快勝で更に注目度が増したフランケル産駒のミスエルテ(牝2、栗東・池江寿厩舎)。母もアメリカのG1ホースで、陣営の期待も抜群だ。

「全身がバネで素質はかなりのモノ。来年のクラシックを狙える器だと思う」と池江師。CWの調教でも1F12秒0でまとめており、昨年のPOG人気馬フォイヤーヴェルクを相手に楽々先着してみせた。鞍上は川田騎手を予定している。

POG

話題のフランケル産駒・ミスエルテ

血統で対抗するのはジュンテオドーラ(牝2、栗東・友道厩舎)。こちらはUAEダービーに出走したタップザットを兄に持つ。父がタピットからディープインパクトに変わり、今度は芝での活躍が見込める。ただ調教はポリトラックで64秒7-12秒5(一杯)。コースを考えると、11秒台で上がってほしかったが…。

他にも、坂路で前記アドミラブルに先着したオトチャン(牝2、栗東・音無厩舎)、サトノダイヤモンドの半妹リナーテと併入のクライベイビー(牝2、栗東・須貝尚厩舎)も圏内だ。

ハープスターの半妹、イスラボニータの半弟ら良血が続々入厩!

変わって中山。阪神に比べるとどうしても見劣ってしまうが、中山1600m戦はなかなかの顔ぶれ。レイクキャリー(牝2、美浦・田村厩舎)は、近親に阪神開幕週の未勝利戦をレコード勝ちしたリスグラシューがいる。

先週の予定もあったが1週延ばしてのデビュー。それもあって仕上がりも進んだか、ウッドで67秒2。いつもよりウッドが重かっただけに上々の時計だ。リスグラシューは2戦目で勝ち上がったが、こちらはデビュー勝ちを飾れるか。

コントロヴェント(牝2、美浦・奥平厩舎)は、近親に重賞2勝のメイショウナルト、先日に新潟記念を制したアデイインザライフがいる。ウッド68秒8で、併せた相手に5馬身の先着。こちらも初戦から好勝負ができそうだ。

スーパーブレイク(牡2、美浦・戸田厩舎)は、重賞で活躍したウェディングフジコの2番仔。ウッド69秒2は、時計の出にくい状況で調教を行う戸田厩舎なので悪くない。

フェールデクール(牡2、美浦・高柳厩舎)は、近親にオークス3着のリトルオードリー、弥生賞2着のココナッツパンチがいる。調教では手前を替えないなど若さを見せているようで、キャリアを積みつつ良くなるタイプか。

2000m戦は、ハッスルバッスル(牡2、美浦・戸田厩舎)。姉にサウンドアドバイス、近親に重賞3勝のシルポートカフェブリリアントがいる。併せ馬では僚馬のスーパーブレイクに遅れてしまったが、血統面からも素質は感じられ、変わり身に期待したい。

新規入厩は楽しみな馬が並ぶ。一番はヘリファルテ(牡2、美浦・堀厩舎)。サンデーRの募集価格が1憶2000万円という期待馬で、堀厩舎所属ならPOGでも人気になって当然。多くのドラフトで、1位で消えていたようだ。牧場の評判も特に高く、デビュー戦が待ち遠しい。

同じ堀厩舎には、フォギーナイト(牡2)も入ってきた。こちらは金子真人HDがセレクトセールで2億3000万円の高額で購入した馬。目標はUAEダービーか。

他にもハープスターの半妹アスティル(牝2、栗東・池添学厩舎)、ドリームパスポートの半弟イムノス(牡2、美浦・尾関厩舎)、フライベルク(牡2、美浦・木村厩舎)など、POG人気馬が入厩している。

再入厩組も、ラヴィエベールの全妹ヴィニー(牝2、栗東・池江寿厩舎)、イスラボニータの半弟イスラドラーダ(牡2、栗東・高野厩舎)、コディーノ、チェッキーノの半弟ラボーナ(美浦・藤沢和厩舎)らがデビューへ向けて調整。POGもこれからが本番だ。

POG

募集価格1億2000万円のヘリファルテ 牧場での評価も高い