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-菊花賞-平林雅芳の目
2011/10/25(火)
日曜京都11R
菊花賞(GⅠ)
芝外3000m
勝ちタイム3.02.8
オルフェーヴル(牡3、父ステイゴールド・栗東・池江厩舎)
3歳馬に敵なし、オルフェーヴル。3冠達成!!
やっぱり今日は特別な日、そんな雰囲気を感じる朝の1レースのパドック廻りの人、人であった。それも若者が多い。そしてレースが進むごとに、サンデーレーシング・カラーの服が目だってくる。いつもゴール板過ぎのウイナーズサークル脇でレースを観ているのだが、見渡すかぎりにスタンドはもうビッシリである。
そしていつものとおりの手拍子、72回の菊花賞のスタートとなった。
1周目は穏やかに過ぎていった。ウインバリアシオンが最後方の内に構える作戦。オルフェーヴルを負かすにはと考えられる作戦だ。そして2回目の坂を下ってきた時には、もうオルフェーヴルの3冠は確定と思えるもの。楽々先頭に立って、噛みしめる様な静かな池添Jを背にしたオルフェーヴルのゴールであった。
ほどなく場内から『イケゾエ!、イケゾエ!!』の声が上がった。もうこの世代の馬が、この馬を負かすことはないのではないかもと思えるほどに、完璧な力の差を示す強さであった・・・。
人、人で後ろからでは背伸びしないと見えないパドック。それでも何とか隙間を見つけて潜りこんで18頭の馬を見る。ウインバリアシオンが、それこそアクビをしそうな周回をしている。その後ろで生真面目に静寂の感じでモクモクと歩んでいる。一番後ろのショウナンマイティが前走と違って落ち着きがある。
返し馬を終えて3コーナー手前のポケットで待つ馬。場内の大歓声をよそにゲート入りをする。オルフェーヴルが入り、最後にショウナンマイティが入ってゲートが開いた。
オルフェーヴルの後ろから行ってたのではオルフェーヴルを差す事は出来ないだろうと、トライアルの内容から誰しもが感じたことと思う。どんな乗り方をするのかが興味であった。
まず最初から前へと出て行ったのはフレールジャックの福永Jだ。オルフェーヴルより前で内目に入れる作戦はこれしかないだろう。
オルフェーヴルは真ん中ぐらいのスタートポジションだった。ウインバリアシオンはジワっと行って内へ入れた。必然的にドンジリとなる。後でパトロール・ビデオで見ると、オルフェーヴルはこの最初の坂を下りてくる間にかなり掛かり気味となっていたのが判る。その後は何事もなかった様に折り合って進んでいた。
1コーナー、2コーナーを過ぎて向こう正面に入って行くが、前はロッカヴェラーノが今度は先頭でフレールジャック2番手、ハーバーコマンドが3番手となっている。後ろは淡々と大きな変化はなく進む。トーセンラーがピッタリとオルフェーヴルの後ろをマークするように乗っている。
二度目の3コーナーへと昇っていくあたりでは、最後方のウインバリアシオンが相変わらず内狙いだが、1頭交わして前へと接近している。
再び坂を下ってくるあたりで、オルフェーヴルの順位がかなり前へと上がっている。その後ろでショウナンマイティもややまくり気味に出て行く。ウインバリアシンは相変わらず後ろだが、内ラチからは離れて少し外へと出ている。
先頭集団からはもう6馬身ぐらいに凝縮された団子状態の馬群である。4コーナーに入るあたりでは、もうオルフェーヴルの勢いがすさまじい。逃げていたロッカヴェラーノ、サダムパテック、べルシャザールの外目に並びかける勢いとなっている。その外へトーセンラーにショウナンマイティも来ているが、勢いが違うのでカーヴで置いていかれる。
外廻りコースと内廻りコースとのポカっと開いた空間では、もうオルフェーヴルの前には誰もいない。横にいた先行馬を抜き去ってしまっている。その後ろではコーナーワークで上手く出てきたハーバーコマンド、その横ではトーセンラーが、一瞬オルフェーヴルには離されたが勢いがついて上がってきている。
完全にオルフェーヴルの勢いが増して3冠のゴールへと向かっている。残り300メートルのオレンジ帽を過ぎたあたりでは、もう2番手サダムパテックに3馬身ぐらいは差がついただろうか。完全に勝利は間違いない勢いと差である。
ハーバーコマンドの外にトーセンラーが並んだ残り100の標識では、もう前のオルフェーヴルの池添Jはチラっとオーロラビジョンを見る余裕。そして手綱をシャクるだけの動作となってフィニッシュの体勢だ。その後ろではウインバリアシオンが勢いよく2番手に上がるが、前には差があり過ぎた。
どうやら最初の下りだけが問題だったかも知れない。後は折り合いもよく、ゴーサインどおりに動いて早めに先頭に立って、後ろを封じてしまった。ウインバリアシオンの安藤勝Jも、この枠順で内に入れるにはこれしかないだろう。最大に経済コースを通らせて、終いを一気に来る作戦。直線も前がつかえることなくスムーズに出てきてのもの。
やはりオルフェーヴルとはきさらぎ賞から4度戦っているが、必ず前にはオルフェーヴルがいた。トーセンラーはマークする形で乗られたが、4コーナーのスパート時に離されてしまった。あの差は現状ではどうしょうもない力か。
オルフェーヴルは春の強さに増して、付け入る隙のない完成された強さを感じるものである。もう3歳馬では先着する馬がいないのではなかろうかと思える。あとは古馬との戦いとなるものだが、実に楽しみな3歳である。
そして親子二代となる3冠馬を育てる偉業を達成した池江泰寿調教師。火曜朝にいちばんにお話を聞きに上がったが《馬はケロっとしていますよ、ダービーの時はさすがにガクっと来ていましたが、今回は何事もなかったかの様です。初出走時の448キロが、今回は466キロと馬も凄く良くなりました。古馬との対戦は有馬記念ですかね~》と、暗に回復しだいではJCもあるかも知れないというニュアンスもあった。
武豊Jも池江師も、この世代は意外とそんなに興奮する事もなくサラっとした口調で語っている。いやはや、あんな大勝負の後でこの淡泊さが実に《エライ!》であった。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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