人気馬を内から差し切ったスノードン、最低人気に発奮だ!!

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トピックス

土曜京都9R
萩S
芝外1800m
勝ちタイム1.48.1

スノードン(牡2、父アドマイヤムーン・栗東・安田隆厩舎)

※※人気馬を内から差し切ったスノードン。最低人気に発奮だ!!

標高1085メートルの山、スノードンはブリテン諸島4番目の高さとある。失礼しました。そんな有名な山の名前をつけているスノードンを、まったく無視していました。人気はアナスタシアブルーでありエタンダールであり、個人的にはショウナンラムジの前走の勢いの良さに注目していたのであります。そんな馬達を後目に、直線半ばではスルスルと前に出て押し切りをしてしまうもの。後ろでその3頭がしのぎを削っているのに、サッサとゴールインしてしまっていた。
上がりの3ハロンも33.9と、ショウナンラムジの後ろから一瞬に前に出たもので瞬発力、切れ味ともに優れたもの。
夏にデビューした馬だが、やり直しての前走は逃げ切り。そして今回は見事な差しと自在な脚。あっけにとられている大勢のファン(私も含めて)の前を、涼しい顔でウイナーズサークルへ向かったものでした・・・。

2コーナーの奥まったところからのスタート。スタンドから肉眼でも双眼鏡でも見えない死角にある。オーロラビジョンで見るしかないホットコーナーである。白い帽子が、ゲートを上に出てやや遅れたのは見えた。後はほぼ一緒で横一線な様子だ。
外から押してブライティアトップが先頭に立った模様だ。その外のコーダリーも前へと出てくる。3番手グループはと見ると外にアナスタシアブルー、一番内にアドマイヤトライ。その2頭に挟まれる形でショウナンラムジ。そしてその3頭の内目にスノードンが上がって来ている。そこから2馬身ぐらい離れてエタンダール、キンシザイルと続く。
3ハロンを過ぎるあたりでは、馬群は先ほどよりも接近する。エタンダールも少し差を詰めた様子だ。35.9とユッタリな入りである。

3コーナーのテッペンまで行って下ってくるあたりでは、また前の2頭と3番手との差が少し開いた感じだ。その3番手には、単独でアドマイヤトライである。
エタンダールが先ほどより前に出る。逆にショウナンラムジの順位が少し下がってブービーとなった。1000メートル通過が1.00.9で、当然にどの馬も持ったまま。その後も相変わらずピッチは上がらずに、4コーナーへと迫って行く。カーヴを廻るあたりでは、先頭のブライティアトップから8番目のキンシザイルまでが、もう4馬身ぐらいの間隔となって殆ど差がない状態で廻ってくる。

4コーナーの生垣を過ぎたあたりで、アドマイヤトライが前にかなり接近する。その後ろの開いたスペースに、白い帽子のスノードンがスッと入ってくる。そのすぐ後ろがアナスタシアブルー。ショウナンラムジとエタンダールはほぼ一緒。そしてキンシザイルが内目で1馬身ぐらい後ろか。
曲がりきって直線となって内廻りの4コーナーを過ぎたあたりで、アナスタシアブルーの前をスノードンが外目に出した。前ではアドマイヤトライが逃げた2頭の真ん中を割って前に出ようとしている。しかし外の馬達もかなり急接近してきたが、スノードンがいち早く前に出た。その後ろでアナスタシアブルー、そして少し遅れてショウナンラムジとエタンダールが馬体を接して前を追う。

先頭にスノードンが立って鞍上の左ムチが唸っている。アナスタシアブルーの勢いが少し弱まり、ショウナンラムジがエタンダールを振り切ってさらに前を追う。
しかしスノードンが半馬身先にゴール。ショウナンラムジが2着。さらに半馬身でエタンダール。アナスタシアブルーが頭差の4着でった。
パトロールビデオで見ると、直線でのアナスタシアブルーとショウナンラムジとエタンダールの3頭のしのぎ合いが良く判った。
一番苦しい競馬になってしまったのがアナスタシアブルーで、若さも目立った。
ショウナンラムジは、3コーナーで少し下がったのと直線でも狭い処での進路の確保と、かなり厳しい競馬となっていた。改めてこの馬の勝負根性を見た思いだ。
エタンダールは最初の位置が少し後ろであったのが影響か。でも差がない。

しかし、何よりも勝ったスノードンだ。内から抜け出してくる脚もなかなか速いし、追われてからもしっかり。やはり馬が変わったのだろう。
5Rの新馬勝ちをしたアルキメデスといい、アドマイヤムーンの産駒は競馬が上手い。《おそれいりました》であった・・・。


土曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.04.9

アルキメデス(牡2、父アドマイヤムーン・栗東・藤原英厩舎)

※※ステッキは使わず。アルキメデスの法則だ!!

1000メートル通過が1.05.0も前半としてはユッタリだが、この後の1600通過時も1.42.6と相当に遅いもの。完全に上がりの勝負となった。3番手を進む圧倒的人気のアルキメデスは、直線に入ってもステッキを使わずでの所作でゴールへと向かう。ディープインパクトの子供ランドルトが追いすがるが、その差が縮まらない。着差以上の強さでデビュー戦を飾ったアルキメデス。次なるレースが楽しみとなった・・・。

スタンド前からのスタート。ややアルキメデスもアオリ気味な発進であった。
一番外のウィズインサンデイが勢い良く出て行く。内からランドルト、中からショウナンハヤブサリアライズニトロと前へと出て行く。1コーナーへと入るあたりではもうアルキメデスも5番手で、アンコールピースと一緒の位置で最初のカーヴに入って行く。ククイナッツレイがやや内で位置が悪くなりブービーとなる。
2コーナーを廻り向こう正面に入っていく馬群。前は2馬身ぐらい抜けたウィズインサンデイで、リアライズニトロが2番手。そのすぐ内にランドルトで、アルキメデスはその後ろの外目。ショウンアハヤブサが内で続いている。アンコールピースが直後の位置だ。

もうペースは13秒台へと落ち着いている。1000メートルを1.05.0で通過とかなりユッタリだが、掛かったり頭を上げている馬はいない。見事に折り合っている。2番手リアライズニトロが、少し前との間隔を詰めて1馬身差。直後のアルキメデスが3番手の外目で、内のランドルトも続く。
坂を登りきって下って行くあたりで、最後方だったサナシオンも差なく詰めてきた。先頭からドンジリまで8馬身ぐらいの小さい縦長の隊列だ。
4コーナー手前では、馬群ももっと凝縮してくる。そして残り400のハロン棒が近づいた時には、先頭にはアルキメデスが立ちかげんとなった。

勢いづいたアルキメデス、内でウィズインサンデイが追い出して、もう一度先頭を奪い返そうと追っているが、勢いが違う。手綱をシャクって追い出した岩田Jに応えてストライドを伸ばして前へと出て行く。
すぐ後ろを、内から外へと出して追うランドルト。この馬もいい伸びをしているのだが、交わす勢いとはならない。ゴール間際では、もう抑え気味となっていたアルキメデスに肉薄する差まで来たが、その差は永遠に詰まるものとは思えない程。
逃げたウィズインサンデイが3着だが、直ぐ後ろに、内からいい伸びを見せていたククイナッツレイが突っ込んで来ていた。

最後の3ハロンが11.8~11.0~11.3の瞬発力勝負となった新馬戦。それをノーステッキで勝ったアルキメデス。なかなかの器であろう。次なる戦いはどこなのか、その一戦を心待ちにしている。


土曜京都6R
2歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.25.9

シゲルスターキング(牡2、父サクセスフルアピール・栗東・藤岡範厩舎)

※※外へ出してグイグイと伸びたシゲルスターキング快勝!!

最大のライバルは、除外になって1Rへ廻ってキッチリと勝ったエーシンブラスターだったのかも知れない。バレッツセールで10.4で走り抜けたシゲルスターキングの脚力も悪くないが、エーシンブラスターは場所が違えど9.8秒と桁違い。そのライバルがいないのなら、ここでは負けられぬとばかりに、直線入口で外に出してからの追い上げ。逃げたナムラアピアを2馬身もちぎって見せたのである。
次はぶつかる可能性が大な、外国産馬達の争いはまだ始まったばかり・・・だ。

水曜の想定メンバーが出た時には、セリ市に行っていた。一緒にいたオーナーが『除外になるのも運さ・・』と言っていたんだと、火曜朝に藤岡範師の話である。《失礼ですがお値段は?・・・》と。《けっこうしたのでは・・》とふると『ええ・・当時の為替レートは80円台、輸送費も入れれば2000万ぐらいには』と教えてくれた。
いっぱいシゲル軍団の馬がいる中で、高額馬で上の方のランキングと思えるシゲルスターキングだ。

さてレースの回顧に戻ろう。逃げたナムラアピアは、直線半ばまでは勝利は完全に手中かと思えた程である。後続に交わされるとは思えないぐらいの行きっぷりと差でもあった。
1200メートル通過が1.12.8は勝ち時計に等しいぐらいのペースで、少し速かったのか。最後の1ハロンが13.1とかかった事が、シゲルスターキングに苦杯をなめる結果となったものだろう。

押して出ていったナムラアピアだが、芝の切れ目からダートに入った時には完全に先頭の形。外でマヤステッラが続き、すぐ後にダークアイリス。そして内にシゲルスターキングがいる。
2ハロンめあたりでは、2番手にダークアイリスが上がるも、4番手がシゲルスターキングを含む4頭が並ぶ。
3ハロンの処では、ここにワイルドガンズも追いついて、先行集団は8頭がけっこう塊となっている。
ここらでシゲルスターキングにはステッキが1発入って、追走をうながしている様子だ。1馬身リードのナムラアピアに続く7頭の馬といった形だ。

4コーナーのカーヴに入るあたりでは、少しずつ2番手集団がバラけだす。カーヴを廻って直線に入る時には、4頭目のシゲルスターキングがいい手応えで追走して来ていのが見える。そこから外へ鋭角的に出してきたシゲルスターキング。それでも先頭のナムラアピアからは4馬身ぐらいの差があった。
残り1ハロンで2番手に上がったシゲルスターキング。前は追い出しているナムラアピアで、まだ3馬身ぐらいの差。
鞍上川須Jの右ステッキが連打される。少しずつ差が詰まっていく。そしてついには抜き去って、さらに差を広げてゲートへと向かう。
3着にはワイルドガンズが上がったと思えた瞬間に、外からリアライズキボンヌが、かなり目立つ脚を使って来ていた。それでもナムラアピアから5馬身後ろ。

シゲルスターキングのステッキをビデオで数えてみたら21発であった。それだけ渋い馬なんであろう。勝ち時計の1.25.9も悪くない時計である。ナムラアピアも、自分の競馬が出来ての2馬身負けでは仕方のない処だろう。1,2着馬はなかなかの好素質馬と思える。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。