競馬は血統、歴史だ、ヒストリカルがデビュー戦を飾る

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トピックス

日曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.02.0

ヒストリカル(牡2、父ディープインパクト・栗東・音無厩舎)

※※競馬は血統、歴史だ。ヒストリカルがデビュー戦を飾る。

薄曇りはかかっているが、温かさは十分の京都競馬場。朝からファンの数が多い。スタンド前からのスタートで大勢が見つめる中の新馬戦だったが、デットヒートな直線の争いから抜け出してきたのがヒストリカル。カンパニーの弟だ。グイグイと追うほどに伸びる勢いは、まるで兄を思い出せる脚。あの京都で引退レースを飾ったカンパニーがまた帰ってきた、そんな勢いを感じる勝利であった。まさに競馬は《歴史》である・・・なと感じたものであった。

ズラッと並んだ18頭のゲート。《かなり横に長いな~》と実感するものであった。開いた瞬間には、内の2頭が他よりやや遅れ気味。特にヒストリカルがいちばん後ろからの出となった。
最初のカーヴへ入る前はやや急ぐ馬もいたが、ふたつめのカーヴを廻って向こう正面に入っていく時にはすっかりペースも落ち着いて、13秒台をマークするほど。1番人気のベールドインパクトは長い集団の後ろ目。その少し前にヒストリカルもいる。

1000メートルを通過するあたりでは、集団はさらに凝縮されてきた。1.02.2とゆったりと進む。
坂を今度は下ってきた先行集団。3番人気キングブレイクが終始3番手で進む。そのすぐ後ろに、内にカロッサル、外にダークナイサーが続く。この集団の後方では、ベールドインパクトが少し前との差を開けて外へ出した様子だ。ヒストリカルはそのまま内を進んでいる。

4コーナーのカーヴが近づいてさらに馬群が固まってきた。一気に前と後ろの馬の差がなくなる。
カーヴに入ってきた。今度は外から蛯名J騎乗のダークナイサーがいちばん前に出た模様だ。その後ろを追って急接近してきたヴァンガード。その内へカロッサルが張り付く。後方ではベールドインパクトが、やや馬群の外を1頭だけ通っているのが見える。

直線に入ってきた粘るキングブレイクの外へ並ぶダークナイサー。内へ進路を取ったカロッサル。少し遅れてヴァンガードと、まだ勝負の行方は判らない。白い帽子の2頭も急接近している。
ゴール前で外へ流れるダークナイサーを、必死で外から矯正する蛯名J。内ではカロッサルが抜けたかの様に見えたが、その2頭の間がポッカリと空く。そこをヒストリカルが一気に入ってきて、カロッサルを捕えて真っ先にゴールへ入った。ベールドインパクトはよく詰めてきたが5着でダークナイサーの後だった。

パトロール・ビデオを見る。4コーナーに入るあたりでは、外へ逃げ気味なロスがあった。カロッサルは、ゴール1ハロンでかなり外へとヨレてしまっている。内へ立て直すのが見える。そんな中でヒストリカルは内へ外へと、いろいろ動く馬の中を進路を見つけて猛然と抜けてくる脚の凄さ。
縦から見ると、その勢いの良さがより判る映像であった。

4コーナーまで内で脚を貯め直線の入り口で外へ出してきてと、最近の福永Jの騎乗パターンでもある。十分に貯めたゴムが一瞬のうち解き放たれたかの様な勢いであったヒストリカル。やはり《何か》を持っている血筋なのかも知れない。


日曜京都6R
2歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.26.4

マシュマロ(牝2、父クロフネ・栗東・吉田厩舎)

※※場内で大拍手!、マシュマロに温かい声援が飛ぶ!


4コーナーで白い馬体が勢いづいて前へと出そうになってきた時には、場内で《オーッ》と声が一斉にこだまする。そして逃げたスズノハヤブサを抜き去り追い迫ってきたワンダーアシャードが届きそうにもないと判ったら、今度は拍手が出た。そんな応援団が早くもしっかりとついている白毛馬のマシュマロ姫。人気になりそうな馬である。

前のヒストリカルが勝ったレースのパトロール・ビデオを見てからパドックへ向かった。いつもならそれで十分に馬を見れる昼中である。ところがこの日は朝から人が多いとは思ってはいたが、新馬戦でこれ程はまれに見るもの。頭、頭でまるで見えない。上に見えるオッズ板をみてビックリ。マシュマロが何と圧倒的人気な1倍少し。《ヘェーッ》と思ったものだった。返し馬でキャンターをする真っ白な馬体を見て、《ユキチャン以上に白い~》と思った。ヤマニンメダイユとケイコでいい時計を出して、キャンターもなかなかにいいワンダーアシャードと手強いぞとレースを見守る。

2コーナーの引き込み線からのスタート。最初は芝の部分を走るのだが、そこにいち早く入って行ったのがスズノハヤブサで、外のヤマニンメダイユも4番目に続く。ワンダーアシャードが外で少し前から遅れ気味だが、その内に真っ白な馬体も見える。
1ハロンを過ぎてまだ先行集団が4、5頭が並びかげん。それを見て武豊Jのヤマニンメダイユが少し順位を上げて前へと出て行く。
3ハロン通過の時には、先頭のスズノハヤブに半馬身差でヤマニンメダイユが続き、そこから1馬身もない後ろにキョウワリバティーと内にマシュマロが接近している。その後ろにワンダーアシャードが続く。

前の4頭は、4コーナーが近づくとなおも差がなくなってきた。最内のスズノハヤブサといちばん外のキョウワリバティーまで、ほとんど横並びの体勢だ。後ろでワンダーアシャードが単騎で待つ形だ。
カーヴを廻ってきたが、中のヤマニンメダイユの手応えがあやしくなってきている。外の真っ白い馬体が前へ前と出てくる勢いだ。

真っ直ぐにこちらを向いた。マシュマロがますます先頭のスズノハヤブサに覆いかぶさってくる感じだ。逆にヤマニンメダイユは置かれ出す。代って外からワンダーアシャードの勢いが増してくる。
馬体を合わせた前の2頭だが、外マシュマロが1ハロンを過ぎて置き去りにしていく。川田Jの右ステッキにうながされて、なお差を広げて行くマシュマロ。2着には今度はワンダーアシャードが上がって、なお前を行くマシュマロを追う。ゴールではもう流し気味となったマシュマロは、2馬身以上の差をつけて入った。ワンダーアシャードが2着で、逃げたスズノハヤブサが3着。ヤマニンメダイユは少し離された4着であった。

結局は、2番人気のマシュマロが1番人気のワンダーアシャードを完封しての勝利となったダート新馬戦。勝ち時計もそうビックリするものではないが、まずまずの内容だったと思う。何よりも勝ったマシュマロに送られた声援。馬はオーナーのものだが、競馬は応援してくれるお客さんが大いに関わっているのを改めて感じた一戦ではありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。