今年の初陣を好スタート、サウンドオブハートが勝つ!

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トピックス

日曜京都6R
3歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.50.5

マジカルツアー(牡3、父アグネスタキオン・栗東・石坂厩舎)

※※『魔法の旅』に出たマジカルツアー、敢然と逃げきる!!

ゲートが開いた瞬間に、外枠のマジカルツアーが前に出ていた。そのままケレン味なく先手をとっていく。2番手にダノンアーチスト。1番人気のシェイクスピアは少し後ろ目。前はユッタリと進む。誰も動かずで最終コーナーまで来る。もう行った行ったは鮮明な事実。その攻防も、結局は馬体を並ばせずに、そのままマジカルツアーが一人旅となって、石坂厩舎からまた好素質馬がデビューをした。

新馬戦は、パドックと返し馬を良く見る様にしている。どちらも大事だが、特に返し馬はいろんな事を教えてくれる。走る馬の雰囲気もここで解ると思えるぐらいである。思わずシェイクスピアの馬名の処に◎をつけておいた。それほどにいい雰囲気での返し馬であった。ところが実戦ではまったく違ったものとなった。

ゲートの出があんまり芳しくなかったシェイクスピア。位置が悪くなっていた。すっと出たのが大外枠のマジカルツアー。内へジワっと切れ込んで行く。その内目から先手を主張する馬もいなくディアマーベルベストサーパスと前にいたが、先手の気持ちはなさそう。マジカルツアーが先頭に立ち、2番手にダノンアーチストと続く。3番手内にベストサーパスで、外にディアマーベル。その後ろが内にアドマイヤフライトサクラブリリアントシャイニングピサが続く。その後ろにオウケンプレスリーとユッタリな馬群が3ハロンを通過。37.2とすでに遅い流れである。むしろ、この後に13.2とさらに遅いペースでマジカルツアーが造る。

坂を上り、そして坂を下って行く馬群。3番手の後ぐらいで少し位置の入れ替わりがあったが、前のグループは体勢がそう変わらずに、最後のカーヴへと入って行く。ここまでが《静》ならば、カーヴを廻る手前あたりから《動》へと動きが変わっていく。内ラチ沿いを廻る馬はそのまま小さく廻っていくが、外を追い上げる馬は必然的に外へと膨れる形となって、直線への入り口では一遍に大きな差となってしまう。

2つの4コーナーの間の空間では、前の2頭と3番手を廻ったベストサーパスが後続との差を一気に広げてしまう。
外に広がる後続馬。その大きな広がりで、シェイクスピアが前が少し壁になって進路を内目にとるのが見えた。アドマイヤフライトも小さくは廻れなかった様子で、少し前との差が出来てしまった。
もう前はトップスピードでゴールを目指す。マジカルツアーの勢いはまったく衰えずに先頭を切る。2番手のダノンアーチストが大きな飛び、フットワークで前を追う。

再び表れた内ラチ沿いに沿って伸びて行く前の3頭。1ハロンを過ぎてマジカルツアーの勢いはさらに増す。必死で追うダノンアーチスト。内で粘るベストサーパス。外からアドマイヤフライトが迫る。手綱をシャクるだけのマジカルツアー。だいぶ詰めたダノンアーチストだが、脚色で優ることはなかった。
1000メートルを1.03.8で通過のマジカルツアー。最後は11.6~11.2~11.3と、究極な上がり脚を披露。これでは後ろの馬が追い越すのはとてもではないが無理な数字。かろうじて2番手ダノンアーチストだけがその可能性もあったのだが、相手が強すぎた様だ。

これで石坂厩舎の3歳世代は7頭目の勝ち馬。男馬ではアダムスピークに続く大物となる雰囲気のデビュー勝ちであった。


日曜京都10R
紅梅S
芝外1400m
勝ちタイム1.22.7

サウンドオブハート(牝3、父アグネスタキオン・美浦・松山康厩舎)

※※今年の初陣を好スタート。サウンドオブハートが勝つ!

圧倒的人気に指示されたサウンドオブハート。前走の阪神JFでは多少距離が長いのかの印象もあっただけに、ここは正直負けられぬ戦いとは思えた。しかし競馬は生モノ、生きているのだ。
『サウンドオブハート、前が開きません!!サウンドオブハートは今5、6番手!』と場内放送がガナる直線1ハロン。しかしそこらが冷静な武豊Jの手綱さばき。そこをやり過ごして1頭分横に出して、最後の最後に抜け出し先に抜け出したマイネボヌールを半馬身かわしてのゴールであった。

関東からラフレーズカフェと2頭の西下をみた今年の紅梅賞。ここで賞金を上積みしておきたいがための行動でもある。その2頭が1番人気であり2番人気であった。
肝心のスタートでは今回はあまり速くないサウンドオブハート。ソロっと出た様子だ。ラフレーズカフェは少し上に出た感じで、位置がすぐ後ろめとなってしまう。中からボストンサクラが出て行き、外からフレイムコードが続く。

1ハロンを行くと、もう流れはユッタリとなり出す。2番手にエイシンキンチェムで、3番手が内にサクラエミネントで外にフレイムコード。ゴールデンムーンマイネボヌールと続き、遅いのでハッシュドトーンが順位をあげた処が2ハロン過ぎであった。サウンドオブハートはちょうど馬群のど真ん中で内ラチ沿いをかなり手綱を抑えている武豊Jである。その真後ろにラフレーズカフェが続く。

3コーナーのカーヴを廻って、すぐにある3ハロン棒を通過。36.6とやはり遅い。2番手のフレイムコードが、やや抑えるのに苦労している様子だ。馬群は縦に細く内ラチからそう離れずに進めている。
さらに馬群は凝縮されて、4コーナーへと入って行く。ここらではサウンドオブハートは前から10頭目だが、内ラチを固守している。ラフレーズカフェは外へ出して少し順位を上げた。

カーヴを廻って直線に入ってきた。ボストンサクラにエイシンキンチェムが並ぶ。その後ろをサクラエミネントで、外のマイネルボヌールとの間がポッカリと空いている。そこを狙おうとしているサウンドオブハードの姿が見える。ラフレーズカフェは馬場の真ん中を選んだ様子である。

そして先ほどの場内アナウンスが叫ぶ残り300のあたりに入る。空いていたサクラエミンエトとマイネルボヌールの間が狭くなり、その後ろで進路を外に替えたサウンドオブハート。
1ハロンを過ぎて、今度はエイシンキンチェムが先頭になったが、外からマイネボヌールの脚色がいい。しかしその時にはサウンドオブハートがその後ろを追う様に上がってきていた。
マイネボヌールが先頭に出たと思えた瞬間には、もうサウンドオブハートが並んで抜いて行っていた。前に出たサウンドオブハートを抑える様な仕草の武豊Jであった。
その少し後を外からラフレーズカフェがかわして3着に上がっていた。

サウンドオブハートは輸送も2度目で、テンションもそう上がらず悪くない雰囲気であった。変則開催で追い切りを月曜9日にすませたのも良かった様子である。これで桜への準備は整ったものであろう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。