-マイラーズC-平林雅芳の目

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トピックス


日曜京都11R
マイラーズカップ(GⅡ)
芝外1600m
勝ちタイム1.33.2

シルポート(牡7、父ホワイトマズル・栗東、西園厩舎)

※※今年はマイペースの逃げを展開。シルポートが連覇!!

空は今にもザーッときそうな暗さなのだが、ほんの少し雨が落ちてくる程度。ある意味、外れてくれた天気予報だ。馬場も朝の良から稍重まで進展はしているが、見た目にはほどんど影響なし。むしろ走りやすそうで、開幕週の絶好コンディションだ。
そんな中で、外枠から好ダッシュで出て行ったシルポート。どの馬にも絡まれずに単騎で4コーナーまで来る。後は追い出しを遅めにする程の余裕で後続をシャット・アウト。
内からダノンシャークが伸びて来たが、並ぶまでにも行かず。危なげない逃げ切り劇で、シルポートが昨年に続いての連覇。
オープン馬が誰にも競られずに行ければ強いと言うところを、あらためて観た思い。そして堂々たる逃げはアッパレでありました・・。

12.1~10.8~11.4が前半3ハロンでその後が11.9~11.3で行き、最後の3ハロンが11.2~11.8~12.7がシルポートが刻んだラップである。2ハロンめが少し速いぐらいだが無茶なペースではなく、全般にそう驚く数字が並んではいない。絶妙なペース配分での先行の様子が証明できる。2番手にトウショウフリークが取りついたが、その前にポイントがあった。
コスモセンサーが一番のゲートの出だったが、シルポートが外から出て行くと、スッと2番手につけるが当然に、前にプレッシャーをかける行きっぷりはしない。この前半の入り方がすごい貯めとなっていくのである。
特に4コーナーに入るまで11.3~11.2とややペースを上げてはいるが、後続が接近してきているからのペース・アップではなく、ごく自然な馬の流れと思える。前半の貯めがものすごく利いており、それも無理なく行けている流れであった。

それにしても、リアルインパクトの直線での伸びの無さと失速ぶりには驚き。1番人気に支持されたが、58キロがこの結末となったとは思えない。体調面なのか、何か異常が発生したのか?
エイシンアポロンが14着。同じく58キロを背負ったグランプリボスが13着。おしなべて外枠だったのも影響していたのも確かだろう。
上位に来た馬はすべてが内目を通ってきた馬ばかり。と言うよりも内ラチ沿いを走ってきた馬ばかりなのも事実。

シルポートは逃げただけに内は当然なのだが、それでもラチ沿いを進めている。2着ダノンシャークは中団より後ろだったが、それでも4コーナーのカーヴでだいぶ差を詰めて、眼の前に迫ったコスモセンサーの内から抜き去って、なおシルポートに迫って行っている。
ヤマカツハクリュウレッドデイヴィスも、内ラチ沿いを追い上げてきた馬達だ。
先行有利な流れだが、2番手トウショウフリークに3番手リーチザクラウンの着順から、必ずしも前有利ではない。内で脚を貯めた馬が直線も内から伸びて来てとの結果だ。

シルポートの追い出しは、残り300メートルのオレンジ棒を通過するあたりで小牧Jの左ステッキが入り出す。ゴールが近づくにつれて風車ムチの様にけっこう連続して入れている。
このダノンシャークとの1馬身差は、前半の貯めによるものだろう。そしてアシストに廻った形のコスモセンサーだが、自身も3着に粘っているのだから立派である。
フィフスペトルは好位の5番手を進んでいたが、直線では内からの馬に伸び負けしていた。トーセンレーヴはやや線が細く映った。コスモセンサーの後ろを追走して絶好の位置だったが、直線での伸びが想いのほか無かった様子だ。

自分の形でレースを進めたシルポートが、誰にも絡まれずに行けてそのまま押し切ったレース。昨年はもっと速いペースで、それも後続を離す逃げをしての勝利。今年はいくぶん引き付け気味の逃げと、円熟味を出した感じの逃げ切りであった。

これで10勝目、小牧Jが4勝を挙げている。次走は直接なのか、昨年と同じ様に京王杯スプリングCをはさむものか、注目である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。