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“第二のサンデーに”アイルハヴアナザーが日本で繋養
2012/6/27(水)
馬主でキャッシュコール社の社長ジョン・ポール・レダム氏が、22日、二冠馬アイルハヴアナザーのビッグ・レッド・ファームでの繋養を発表した。
ダグ・オニール調教師の兄デニス・オニール氏はOBSスプリングセール2歳トレーニングでフラワーアレーの2歳の牡馬を3万5000ドルで購入、その仔アイルハヴアナザーはケンタッキーダービーとプリークネスSを勝った。レダム氏は「彼が米国で繋養出来ないことは残念だが、彼の種牡馬としての生活を楽しみにしている」と語った。
レダム氏のアドヴァイザー、ジェイミー・マッカルモント氏によると、ケンタッキーダービー以来、多くの問い合わせがあったと言う。しかし、レダム氏が持つ種牡馬としての関心が、国内での見通しと大きく違っていた。レダム氏は「彼の価値の評価は日本とは大きく異なる。米国人がスピードを好むのに対して、日本人はマイル&クォーターを走る馬を好む。それが日本との取引をすることになった理由」と語った。
アイルハヴアナザーは今手続き上の段階にある。それが済めばエクスポートされることになる。ダグ・オニール調教師に管理され、南カリフォルニアを拠点に、史上12頭目の三冠馬に期待されたが、浅屈腱炎の為レースの前日に引退を余儀なくされた。北海道新冠のビッグ・レッド・ファームには、米国生まれのロージズインメイが繋養され、2009年のBCターフ勝馬コンデュイットや日本のチャンピオン馬アグネスデジタルなどがいる。
ケンタッキー州パリスのラニミード・ファームで生産されたアイルハヴアナザーは、フラワーアレーを父に、アーチ産駒のアーチズギャルエディスとの間に生まれた。2歳時の7月ハリウッドパークのクッショントラックでデビュー勝ちを収め、デルマーのポリトラックで行われたG2ベストパルSがクリエイティヴコーズの2着、その後サラトガに運ばれダートのG1ホープフルSは馬場がスロッピー(不良)状態の為6着と大敗した。
しかし、3歳になって2月のG2ロバートルイスSから、G1サンタアニタダービー、G1ケンタッキーダービー、G1プリークネスSと4連勝した。三冠達成はならなかったが、1969年のマジェスティックプリンス、1978年のアファームド、1989年のサンデーサイレンスのようにサンタアニタダービー/ケンタッキーダービー/プリークネスSを勝った4頭目のトリプルを達成した馬となった。
こうしてみるとアイルハヴアナザーの日本への売却が、22年前の二冠馬で1989年の年度代表馬に輝いたサンデーサイレンスのシナリオに不気味なほど良く似ている。ヘイローの息子は日本では伝説的なスタリオンキャリアを持った。日本でリーディングサイアーを13年間続け、今もブラッドメアサイアーをリードしている。サンデーサイレンスのオーナー兼ブリーダーだったアーサー・ハンコック3世は「彼は気難しい性格で、異常なほどテンションが高かった。彼の家系は平凡で、5代溯っても何もなかったのに」と語る。それは千歳のパドックで見た種牡馬のサンデーサイレンスにも通じていた。
1990年、サンデーサイレンスは屈腱炎を発生して引退する。ケンタッキー州パリスにストーンファームを所有するハンコック3世は、この500万ドル近く稼いだ馬をシェアするブリーダーを電話で探し求めた。しかし、なかなか見つからない。社台ファームの故吉田善哉氏は、まだ馬が現役の頃に25%の権利を250万ドルで購入、そこで買い手のつかないサンデーサイレンスの残りの75%を750万ドルで買った。そして1991年から社台スタリオン・ステーションで種牡馬となった。ハンコック3世は「サンデーサイレンスを売る為に、自分の気持ちを偽った」と語り、サンデーサイレンスを売却したのは米国のブリーダー達と思っている。
ビッグ・レッド・ファームの岡田繁幸氏はレダム氏が考えていたほぼ同額(未発表)の申し入れをした。今年4戦4勝の内容でさえ、ケンタッキーの多くの牧場は軽蔑するような雰囲気があった中である。そもそも米国ではバーゲンの箱を勝って、何か得するような拾い物をしたがる傾向にある。それがケンタッキーのファームからの見積もりと日本からの申し出が大きく異なった点だった。
サンデーサイレンスというボートを乗り逃した米国のブリーダー達は、再びアイルハヴアナザーで失敗を繰り返してしまうのか。ミスタープロスペクターの4×4、ダンジグの4×4、レイズアネイティヴの5×5、ゴールドディガーの5×5、ノーザンダンサーの5×5×5、パスデノムの5×5というインブリードを持つアイルハヴアナザー、完全な異系種牡馬だったサンデーサイレンスとはこの点で異なるが、結果は3年後に証明してくれるだろう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
ダグ・オニール調教師の兄デニス・オニール氏はOBSスプリングセール2歳トレーニングでフラワーアレーの2歳の牡馬を3万5000ドルで購入、その仔アイルハヴアナザーはケンタッキーダービーとプリークネスSを勝った。レダム氏は「彼が米国で繋養出来ないことは残念だが、彼の種牡馬としての生活を楽しみにしている」と語った。
レダム氏のアドヴァイザー、ジェイミー・マッカルモント氏によると、ケンタッキーダービー以来、多くの問い合わせがあったと言う。しかし、レダム氏が持つ種牡馬としての関心が、国内での見通しと大きく違っていた。レダム氏は「彼の価値の評価は日本とは大きく異なる。米国人がスピードを好むのに対して、日本人はマイル&クォーターを走る馬を好む。それが日本との取引をすることになった理由」と語った。
アイルハヴアナザーは今手続き上の段階にある。それが済めばエクスポートされることになる。ダグ・オニール調教師に管理され、南カリフォルニアを拠点に、史上12頭目の三冠馬に期待されたが、浅屈腱炎の為レースの前日に引退を余儀なくされた。北海道新冠のビッグ・レッド・ファームには、米国生まれのロージズインメイが繋養され、2009年のBCターフ勝馬コンデュイットや日本のチャンピオン馬アグネスデジタルなどがいる。
ケンタッキー州パリスのラニミード・ファームで生産されたアイルハヴアナザーは、フラワーアレーを父に、アーチ産駒のアーチズギャルエディスとの間に生まれた。2歳時の7月ハリウッドパークのクッショントラックでデビュー勝ちを収め、デルマーのポリトラックで行われたG2ベストパルSがクリエイティヴコーズの2着、その後サラトガに運ばれダートのG1ホープフルSは馬場がスロッピー(不良)状態の為6着と大敗した。
しかし、3歳になって2月のG2ロバートルイスSから、G1サンタアニタダービー、G1ケンタッキーダービー、G1プリークネスSと4連勝した。三冠達成はならなかったが、1969年のマジェスティックプリンス、1978年のアファームド、1989年のサンデーサイレンスのようにサンタアニタダービー/ケンタッキーダービー/プリークネスSを勝った4頭目のトリプルを達成した馬となった。
こうしてみるとアイルハヴアナザーの日本への売却が、22年前の二冠馬で1989年の年度代表馬に輝いたサンデーサイレンスのシナリオに不気味なほど良く似ている。ヘイローの息子は日本では伝説的なスタリオンキャリアを持った。日本でリーディングサイアーを13年間続け、今もブラッドメアサイアーをリードしている。サンデーサイレンスのオーナー兼ブリーダーだったアーサー・ハンコック3世は「彼は気難しい性格で、異常なほどテンションが高かった。彼の家系は平凡で、5代溯っても何もなかったのに」と語る。それは千歳のパドックで見た種牡馬のサンデーサイレンスにも通じていた。
1990年、サンデーサイレンスは屈腱炎を発生して引退する。ケンタッキー州パリスにストーンファームを所有するハンコック3世は、この500万ドル近く稼いだ馬をシェアするブリーダーを電話で探し求めた。しかし、なかなか見つからない。社台ファームの故吉田善哉氏は、まだ馬が現役の頃に25%の権利を250万ドルで購入、そこで買い手のつかないサンデーサイレンスの残りの75%を750万ドルで買った。そして1991年から社台スタリオン・ステーションで種牡馬となった。ハンコック3世は「サンデーサイレンスを売る為に、自分の気持ちを偽った」と語り、サンデーサイレンスを売却したのは米国のブリーダー達と思っている。
ビッグ・レッド・ファームの岡田繁幸氏はレダム氏が考えていたほぼ同額(未発表)の申し入れをした。今年4戦4勝の内容でさえ、ケンタッキーの多くの牧場は軽蔑するような雰囲気があった中である。そもそも米国ではバーゲンの箱を勝って、何か得するような拾い物をしたがる傾向にある。それがケンタッキーのファームからの見積もりと日本からの申し出が大きく異なった点だった。
サンデーサイレンスというボートを乗り逃した米国のブリーダー達は、再びアイルハヴアナザーで失敗を繰り返してしまうのか。ミスタープロスペクターの4×4、ダンジグの4×4、レイズアネイティヴの5×5、ゴールドディガーの5×5、ノーザンダンサーの5×5×5、パスデノムの5×5というインブリードを持つアイルハヴアナザー、完全な異系種牡馬だったサンデーサイレンスとはこの点で異なるが、結果は3年後に証明してくれるだろう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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