シャルロッカが勝利の美酒に酔いしれる!…平林雅芳コラム

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日曜阪神6R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.11.4

シャルロッカ(牝2、タニノギムレット・栗東・吉田厩舎)

シャルロッカが勝利の美酒に酔いしれる!!

JRA・VANで馬名の意味を調べるのも面白い。シャルロッカは母のズブロッカから繋がる様で《ズブロッカにリンゴジュースを加えたカクテル》だそうだ。リンゴ・パワーがあるシャルロッカ・・・か。ゴール前ではウインドエーデルの猛追を受けたが、それをこらえての勝利。ウオッカに繋がる血筋、それを受け継ぐネーミング。ここらが、競馬を伝承していく中でのいい部分でもあるだろう・・。

このレースでは、珍しく⑧枠の2頭の出が悪い。《よっこらしょ》といった出であり、その後のダッシュも左程良くなかった。内めのサチヒメウォーターシュートの2頭がダッシュがいい。ミナミワオリーブも悪くない出だ。少し行ってシャルロッカ、内のタガノグッピーも前へと取りついて行く。

前の2頭では、サチヒメが先頭となり、ウォーターシュートが半馬身差の2番手で1ハロンを過ぎ、2ハロンめにかかる。前から5頭めにウインドエーデル、その少し後ろにワイメアウェーブが上がって来た。タガノグッピーがここまで下げている。最後方が2番人気ヒートヘイズで、けっこう縦長の隊列だ。前半3ハロンを35.8とまずまずの流れか。

前2頭が並んで直線へ入ってきた。3番手の外目にシャルロッカで、内のミナミワオリーブも絶好の位置である。その2頭を追う様に、ウインドエーデルが押して上がってきている。前の2頭の脚色がなかなか鈍らない。

残り300を過ぎて、3番手のミナミワオリーブが前の2頭の間を割りそうな勢いになるが、さすがに狭すぎて入れない。少し控えて外へ進路を取る。
同じタイミングで、シャルロッカが前の2頭を外から交わしにかかる。その直ぐ後ろをウインドエーデルが伸びてくる。シャルロッカが先に抜け出て、それを追うウインドエーデル。少し後をミナミワオリーブ。ワイメアウェーブも伸び出した。そして大外をタガノグッピーが猛然と追いこんできた。ゴール前ではこの2頭がかなり際どい勝負となったが、かろうじてシャルロッカがハナ差制していた。

3着タガノグッピーがその2頭からクビ差の大接戦となった。ワイメアウェーヴにミナミワオリーブも0.1秒差と、5頭がほとんど差がない結果であった。
ただ、着差はハナながらも、勝ち馬シャルロッカが好位から先に抜け出るソツのない競馬っぷりで、着差以上の勝利だったと言えるだろう・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。