-阪神カップ-平林雅芳の目

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月曜阪神11R
阪神カップ(G2)
芝1400m
勝ちタイム 1.21.0

サンカルロ(牡6、シンボリクリスエス・美浦・大久保洋厩舎)

今年もサンカルロだ!堂々の連覇だ!!

シルポートが真っ先に出て先頭、それをテイエムオオタカが交して前へ出る。そんなに競って行く訳ではないのだが、ずーっと11秒台のラップを刻んで行く先行馬2頭。その外めの3番手を進むガルボが、直線残り1ハロンで先頭に立つ。しかしゴールまではまだ長い。横一列に並ぶ後続組から外へ出してきたサンカルロの伸びが桁違いだ。他の馬とは勢いが違っていた。
ファイナルフォームもいい伸びをみせてはいたが、ガルボまでも届かず。内で伸びていたオセアニアボスを交して3番手に入るのがやっと。1番人気のアドマイヤセプターは、4コーナーまで好位のいいポジションで走っていたのだが、直線ではまったく反応がない。いつもの内にもたれながらも伸びて行く姿を見せずに終わってしまった…。

パドックの廻りは、この寒空だというのにけっこうな人、人。今年最後の重賞とあって多いのか。周回する馬は元気いっぱいに歩く。さすがに冬毛が出てきている馬もいる。ここらの見立てが難しい様だ。
ガルボの真っ黒い馬体がやけに精悍に見える。インプレスウィナーの元気もいい。レオアクティブの今回は落ち着きがある・・なんてイロイロ変化を読む。

そして寒風の中でスタートが切られた。内目の3頭、フラガラッハマルセリーナオリービンのスタートがあまり良くなかった。外でスプリングサンダーも馬群から半馬身ぐらい後ろ。他は横一線のスタート。
そんな中からテイエムオオタカが押して押して先頭に立って行く。半馬身後をシルポートも負けじと行く。外ガルボは楽について行く。内にはマジンプロスパー、その後にアドマイヤセプターがいる。テイエムオオタカが半馬身前に出て治まる前の2頭。ガルボは1馬身開けて3番手。クラレントが馬群の真ん中で外目。すぐ後ろで最内にオリービン、ファイナルフォーム、インプレスウィナーと並ぶ。その後ろにブライトラインがやや掛かり気味か。半馬身後ろの内目にサンカルロがいた。

3ハロンを通過する時には、先行2頭が馬体を併せて先行となる。むしろ外のシルポートが少しずつ前に出て行く感じとなっていく。アドマイヤセプターは7番手ぐらいでいい感じで行けている。
4コーナーに入ってくると、シルポートが単独先頭。テイエムオオタカとの差が出た。
ガルボが早くも前を追う。先頭から最後方のマルセリーナ、フラガラッハまでそんなに差はなくなってきた。
残り300のオレンジ棒を通過する時には、シルポートに並ぶガルボ。その一列後ろが横一線。アドマイヤセプターもまだ追わずに待っている姿が見える。

残り1ハロンを過ぎて坂を昇ってくるあたりで、完全に先頭はガルボ。アドマイヤセプターはガツンと来ない。伸びない。
内からオセアニアボスが2番手に上がる。さらにゴールが近づく残り100メートルあたりで、外からサンカルロの伸びが際立ってくる。勢いからも勝ちがみえる。手綱を押すだけで前に出て、最後は流す余裕だ。ガルボの鞍上がその背中を観ている。3着争いが接戦。内オセアニアボスをファイナルフォームが交して入った。アドマイヤセプターは7着敗退だった。

オリービンの武豊Jが《外が伸びる。外へ出したかったが、ズーッと内にもたれていて出せずじまいだった・・》と。そう言えば⑨R、⑩Rと外からの伸びが良かった。電光掲示板も二桁の馬ばかり。オセアニアボスが直線で内目からの伸びだったが、他は全て外を選んだ馬ばかり。ここらも瞬時に察する乗り役達の技術か。

キンシャサノキセキが2連覇。そして昨年の覇者、サンカルロが今年も強い競馬で勝った。連動性があるのか、関東馬が強いレースでもある。今年は1着2着、3着と馬券対象に全部関東馬が入った。
これを肝に銘じて、来年の馬券購入の時に頭のスミに残っていると良いのだが・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。