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落馬で重傷を負った佐藤哲三騎手「待ってくれている人たちもいる」
2013/3/6(水)
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いまだに左腕は三角巾でつった状態。怪我の重さをうかがわせる佐藤哲三騎手
6日(水)、昨年11月24日の京都競馬で落馬。「左上腕骨開放骨折、左肩甲骨骨折、外傷性気胸、L4(腰椎)横突起骨折、左尺骨骨折、右大腿骨骨幹部骨折、左足関節脱臼骨折、右下腿部裂創、右第一肋骨骨折、右肘関節(尺骨)脱臼」の重傷を負った佐藤哲三騎手が栗東トレセンへ来場。怪我の経過報告と、復帰へ向けての意欲を会見で語った。聞き手はホースコラボレーターで元騎手の細江純子氏。
-:大変な怪我でしたけど、当時のことは……?
佐藤哲三騎手:全部覚えています。「気を失っていた」と言ってるんですけど、意識は全然ありました。
-:となると全身の痛みというのは?
哲:ハンパなかったです(笑)。ホンマに死ぬかと思いました。しばらくは痛み止め打ってても痛いし……。まあ、今はそういう時期は過ぎたんで大丈夫ですけどね。
-:合併症など、非常に危険な状態もあったということですよね?
哲:そうですね。ちょっと感染症とかにもなって手術が遅れている状態ではあるんですけど……。まあ骨折した足の箇所とか、そういうところは順調に行き過ぎるくらいで順調で。トレセンにこうやって顔を出して、お馬ちゃんの顔を見て、自分も元気になりたいなと。
-:この長い間ですけど、競馬もご覧になっていたということですが、どんな思いですか?
哲:そうですね。毎週見てます。「乗りたいな」、「自分だったらな」っていう思いばっかりで……。まあでも、自分が怪我して、こうやって乗れてない状況なんだから、一番はボクがまだまだ甘いってことを頭に置きながらレースを見て、冷静に「どうやったらいいのかな」、「ボクだったらこうするのかな」っていうのを考えてます。
-:特に今年のクラシック戦線は本来であれば、お手馬も揃っていて……。
哲:そうですね。乗れるチャンスがある馬も多かったので、その辺は残念だなと思うけど、長い騎手人生の中で考えると、こういう時期もあると思うし。いい時もあれば、辛い時もあるというのがボクらの仕事だと思うので。今は耐えるしかないですね。
-:具体的に手術は何度されたんでしょうか?
哲:えーと、2回ですね。1回目のときは12~3時間かかったのかな?骨折箇所とか全部やってもらったので。朝の8時半からで、目が覚めたのが夜の9時過ぎだったので。それともう1回は5時間くらいだったんですけど、次に、今月の29日にまたデカイ手術があるって聞いてるんで。それがたぶんまた時間かかると思うんですけど。
-:その特に大きい手術というのは左の……?
哲:左腕の血管を損傷してるのと、首もとの腕を動かす神経がまだ抜けたままなんで、それを修復する手術が待ってます。まあその手術も、関西で自信を持ってできるというお医者さんが、ボクがしてもらえる先生しかいないみたいなので。まあ、その先生の都合と、自分の感染症とかの感じもあるので、ホントは1月の終わりくらいにできる手術というのが、2ヶ月くらい延びてるんですけど。自分の症状と先生の都合もあるし、待ってるしかないですね。
-:左手の動きとしては?
哲:動いたりはしないんですけど、リハビリの先生と話をしていたら、「握る力は出てきているから、今の状況の中だったらいい方向に行ってるんじゃないか」ということです。
-:では、神経を繋いで、その結果次第というところも?
哲:そうですね。腕のことに関してボクが頑張ることは手術してからになるかなと思います。まあ、放っておいたら固まってしまうので、それを固まらないようにするのも大変なんですけど。
-:リハビリは一日、どれくらいなさっているんですか?
哲:午前中1時間半と、午後から30分くらいですね。
-:体の面もそうですけど、心の面のケアっていうのも、非常にこう自分自身……。
哲:そうですね……。まあ、正直、怪我したあとは「もう(騎手は)いいかな」っていう思いしかなかったし、「もう嫌だな。こういう思いをするのも嫌だし」って思ってたけど、よう考えたらどの仕事してても、こういう状況になるかもしれないし、この仕事してたから、っていうのは違うような気もしてきたし……。
やっぱり、あんまり言っちゃダメなことかもしれないけど、悩んで走ってる馬を悩まず走らせたいな、というのはボクの中で正直あるので、それができるような状態に持って行くことが……。今できるかと言ったらできないので、ないものねだりになるのであんまり考えてはないけど、方向としては「復帰したいな」というのはあるし、自分のやり残していることもあるし、待ってくれている関係者も、ファンの方も少しはいるみたいなので(笑)。自分らしい競馬ができるようになれば、またこういう形じゃなくて、勝負に行って……。っていうのが一番目指していることではあるけど……。
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