トピックスTopics
香港ダービー2013は1番人気アキードモフィードが優勝
2013/3/19(火)
5万6500人の観客を集めて香港シャティン競馬場で17日行なわれた香港G1香港ダービー2013(芝2000m)は、グッドトゥファームの馬場に13頭の4歳馬が集い、評判通り1番人気に推されたリチャード・ギブソン厩舎のアキードモフィードが残り100mで先頭に立って人気に応えた。
香港で開業2年目を迎えたリチャード・ギブソン厩舎3頭出しの1頭ミザーニが当日の朝出走を取り消し、13頭立てに変わった香港ダービーは、本命アキードモフィードが好スタートを切って始まった。隣のアルビセレステ、真ん中からはジュンゴングとワーメイスター、外からはアキードモフィードと同オーナー/同トレーナーになる香港G1クラシックマイル勝馬ゴールドファンも前に行く。
1コーナーを廻って、アルビセレステとジュンゴングが先頭で体を併せたが、2コーナーを廻ってバックストレッチに入ったところでジュンゴングが先行態勢に入る。アルビセレステは2番手、その後ろにゴールドファン、ワーメイスターと続いて、アキードモフィードは5番手の位置取りとなった。
フラクションは 25.11-49.77 と平均ペースだが、バックストレッチの半ばを過ぎたところで著しく減速して縦長の展開が一気に縮まった。中団から香港G1勝馬イットハズトゥビーユーが3番手まで上がり、逆にゴールドファンは6番手まで下がり、アキードモフィードも5番手の位置から9番手まで後退したが、中団の後ろの外で脚を溜め直線勝負を決め込んでいるようだ。直線残り250m、上位に上がって来たゴールドファンが先頭に立つ。
これを追って、ジュンゴングを交わして内ラチ沿いに入ったエンドウイングが接近、外からアキードモフィードがエンジン全開で突っ込んで来た。残り100mで一気に先頭に立ったアキードモフィードはそのままゴールに飛び込んで2分01秒84のタイムで優勝、半馬身差2着に最後ゴールドファンを短頭差捕えてエンドウイングが上がった。
鞍上のダグラス・ホワイト騎手は3回目の香港ダービー優勝、2010年のスーパーサテン、2012年のフェイフェイに続き、この4年で3回目である。1着/3着のギブソン調教師は「競馬ファンと関係者は最高の馬が勝ったことで皆ハッピーになっているね。彼は本来の力を見せたが、我々はこれが彼のベストとは思っていない」と語った。
アイルランドのジョン・オックス厩舎からデビュー、レパーズタウン競馬場の2戦目でメイドンを勝ち上がり、G2ベレスフォードSが2着。3歳時は初戦となったG1愛ダービーがキャメロットの4着の後、コーク競馬場で準重賞プラチナムSを5馬身差で楽勝していた。香港に移籍して、2戦目の香港G1クラシックカップは追い込み届かず6着に終わったが、前走2日のハンデ戦で、クラシックカップより1秒以上速いタイムで勝ちここに駒を進めていた。
ドバウィ産駒の4歳の牡馬アキードモフィードは、これで通算成績が9戦4勝、2着1回、3着1回。香港の中距離にスターがいないだけに、これからの活躍を大いに期待したいものである。
現役馬ながら殿堂入りが決まったスーパースター牝馬のブラックキャヴィアが、22日ムーニーヴァレー競馬場で行なわれる総賞金40万ドルのG1ウイリアムリードS(芝1200m)で無敗のレコード更新とキングストンタウンのG1・14勝のタイ記録に挑むことになった。
6歳のベルエスプリットの牝馬ブラックキャヴィアは、2月16日に7ヶ月以上のブランクからカムバックしたフレミントン競馬場のG1ライトニングSをトラックレコードで勝って以来、これが復帰後の2戦目になる。キングストンタウンの記録は、コックスプレート3連覇(1980~1982)を含んで、1980年代の初期に作られた。世界レコードは16勝、平地競走のG1では2度北米年度代表馬になったジョンヘンリーが、これも1980年代初期に達成している。
ブラックキャヴィアのピーター・ムーディー調教師は最近血液の病気で入院した。しかし、今は状態も良く、ウイリアムリードSだけを見ている。このコラムが更新される頃には、ブラックキャヴィアの金曜日の夜に備えての最終的な準備も終了していることだろう。予定では速いところをやるようだ。
ブラックキャヴィア他の出走予定馬は、同厩のG3勝馬カルタクイーン、西オーストラリアのG1・2勝馬ラッキーグレイ、ステークス勝馬でG1オークレイS3着のスピリットオブブーム、G3勝馬のマイラーのファウクナー、G2・2勝馬のリントン、そして元香港の年度代表馬グッドババ、6頭になりそうである。
グッドババは、20ヶ月の休養の後、今年1月にオーストラリアでの競走を始め、今回が4戦目になる。2009年のG1香港マイル以来3年間勝鞍のないグッドババは、コーフィールドを拠点とするリッキー・ホア・レイシー調教師の下、11歳の競走生活を再開した。フレミントン競馬場での2つのスプリント戦は共に4着、前走コーフィールド競馬場で行なわれたG3のマイル戦は9着だった。グッドババの今季の最終目標は4月20日のG1ドンカスターマイルに置いている。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
香港で開業2年目を迎えたリチャード・ギブソン厩舎3頭出しの1頭ミザーニが当日の朝出走を取り消し、13頭立てに変わった香港ダービーは、本命アキードモフィードが好スタートを切って始まった。隣のアルビセレステ、真ん中からはジュンゴングとワーメイスター、外からはアキードモフィードと同オーナー/同トレーナーになる香港G1クラシックマイル勝馬ゴールドファンも前に行く。
1コーナーを廻って、アルビセレステとジュンゴングが先頭で体を併せたが、2コーナーを廻ってバックストレッチに入ったところでジュンゴングが先行態勢に入る。アルビセレステは2番手、その後ろにゴールドファン、ワーメイスターと続いて、アキードモフィードは5番手の位置取りとなった。
フラクションは 25.11-49.77 と平均ペースだが、バックストレッチの半ばを過ぎたところで著しく減速して縦長の展開が一気に縮まった。中団から香港G1勝馬イットハズトゥビーユーが3番手まで上がり、逆にゴールドファンは6番手まで下がり、アキードモフィードも5番手の位置から9番手まで後退したが、中団の後ろの外で脚を溜め直線勝負を決め込んでいるようだ。直線残り250m、上位に上がって来たゴールドファンが先頭に立つ。
これを追って、ジュンゴングを交わして内ラチ沿いに入ったエンドウイングが接近、外からアキードモフィードがエンジン全開で突っ込んで来た。残り100mで一気に先頭に立ったアキードモフィードはそのままゴールに飛び込んで2分01秒84のタイムで優勝、半馬身差2着に最後ゴールドファンを短頭差捕えてエンドウイングが上がった。
鞍上のダグラス・ホワイト騎手は3回目の香港ダービー優勝、2010年のスーパーサテン、2012年のフェイフェイに続き、この4年で3回目である。1着/3着のギブソン調教師は「競馬ファンと関係者は最高の馬が勝ったことで皆ハッピーになっているね。彼は本来の力を見せたが、我々はこれが彼のベストとは思っていない」と語った。
アイルランドのジョン・オックス厩舎からデビュー、レパーズタウン競馬場の2戦目でメイドンを勝ち上がり、G2ベレスフォードSが2着。3歳時は初戦となったG1愛ダービーがキャメロットの4着の後、コーク競馬場で準重賞プラチナムSを5馬身差で楽勝していた。香港に移籍して、2戦目の香港G1クラシックカップは追い込み届かず6着に終わったが、前走2日のハンデ戦で、クラシックカップより1秒以上速いタイムで勝ちここに駒を進めていた。
ドバウィ産駒の4歳の牡馬アキードモフィードは、これで通算成績が9戦4勝、2着1回、3着1回。香港の中距離にスターがいないだけに、これからの活躍を大いに期待したいものである。
現役馬ながら殿堂入りが決まったスーパースター牝馬のブラックキャヴィアが、22日ムーニーヴァレー競馬場で行なわれる総賞金40万ドルのG1ウイリアムリードS(芝1200m)で無敗のレコード更新とキングストンタウンのG1・14勝のタイ記録に挑むことになった。
6歳のベルエスプリットの牝馬ブラックキャヴィアは、2月16日に7ヶ月以上のブランクからカムバックしたフレミントン競馬場のG1ライトニングSをトラックレコードで勝って以来、これが復帰後の2戦目になる。キングストンタウンの記録は、コックスプレート3連覇(1980~1982)を含んで、1980年代の初期に作られた。世界レコードは16勝、平地競走のG1では2度北米年度代表馬になったジョンヘンリーが、これも1980年代初期に達成している。
ブラックキャヴィアのピーター・ムーディー調教師は最近血液の病気で入院した。しかし、今は状態も良く、ウイリアムリードSだけを見ている。このコラムが更新される頃には、ブラックキャヴィアの金曜日の夜に備えての最終的な準備も終了していることだろう。予定では速いところをやるようだ。
ブラックキャヴィア他の出走予定馬は、同厩のG3勝馬カルタクイーン、西オーストラリアのG1・2勝馬ラッキーグレイ、ステークス勝馬でG1オークレイS3着のスピリットオブブーム、G3勝馬のマイラーのファウクナー、G2・2勝馬のリントン、そして元香港の年度代表馬グッドババ、6頭になりそうである。
グッドババは、20ヶ月の休養の後、今年1月にオーストラリアでの競走を始め、今回が4戦目になる。2009年のG1香港マイル以来3年間勝鞍のないグッドババは、コーフィールドを拠点とするリッキー・ホア・レイシー調教師の下、11歳の競走生活を再開した。フレミントン競馬場での2つのスプリント戦は共に4着、前走コーフィールド競馬場で行なわれたG3のマイル戦は9着だった。グッドババの今季の最終目標は4月20日のG1ドンカスターマイルに置いている。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
- すべて
- 攻略レポート
- レース
- トピックス
- インタビュー
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】クラシックの雪辱果たした!シックスペンスが差し切り優勝
- 2024/10/6(日) 【京都大賞典】6歳にして掴んだ栄光!シュヴァリエローズが重賞初制覇
- 2024/10/6(日) 【秋華賞】出走馬格付けバトル!G1馬2頭を差し置いてトップに立った将来の名牝候補
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】土曜は重賞ワンツー!最新傾向から急浮上した「馬券率100%」の2頭
- 2024/10/5(土) 【京都大賞典】1日3勝の固め打ち!土曜京都の「最新トレンド」から浮上した逆転候補
- 2024/10/5(土) 【サウジアラビアRC】魅せた豪脚!アルテヴェローチェが前をまとめて差し切り勝ち!
- 2024/10/4(金) 引退競走馬のリトレーニング【高田潤コラム】
- 2024/10/4(金) "スペシャルゲスト"として母校へ帰還!OB・OGたちとの再会【永島まなみコラム】