【5回京都】ヴィーヴル…小平奈由木の注目新馬レポート

ヴィーヴル
(牝2、栗東・安田厩舎)
父:ディープインパクト
母:レディブラッサム
母父:Storm Cat

稀代のスーパーホースであり、スタリオン入りしてからも日本競馬を牽引するディープインパクトの産駒。史上最速のスピードで勝ち鞍を量産している。JRAの重賞勝利数は早くも70勝を突破した。現3歳でもハープスター(桜花賞)、ミッキーアイル(NHKマイルC)、ショウナンパンドラ(秋華賞)がG1を奪取。来春のクラシックへも大挙して臨むこととなろう。

祖母のサラトガデューがG1のベルデイムSやガゼルHの覇者であり、アメリカで最優秀3歳牝馬に輝いた名牝。母レディブラッサム(その父ストームキャット)は5勝を挙げた。同馬の半兄にロードバリオス(6勝)、ロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念など13勝、種牡馬)、ロードガルーダ(現4勝)らがいる豪華な一族。ロードサラブレッドオーナーズにて総額6090万円で募集された。

ケイアイファームで丁寧に体力強化が図られ、9月17日、栗東へ入厩した。心身のコンディションを整えながら坂路でタイムをマーク。ゲート練習も並行して進め、10月24日の試験に合格する。2週続けて一杯に追われ、反応は着実に上昇。父らしいシルエットだけに、軽い芝で鋭い切れを発揮しそうな予感がする。

11月22日(土)、京都の芝1600mにスタンバイ。兄とともに世界へ名声を轟かせた岩田康誠騎手が手綱を取る。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。