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これが世界だ、世界レベルだ!エアロヴエロシティが勝利!!
2015/3/31(火)
15年3月29日(日)2回中京6日目11R 第45回高松宮記念(G1)(芝1200m)
エアロヴェロシティ
(セ7、招待・厩舎)
父:Pins
母:Exodus
母父:Kaapstad
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1Rが終るぐらいからポツポツと降りだした雨、しっかりと芝を濡らしていく。だんだんと昨年と同じような舞台設定になってきた。
大幅な馬体減、左廻りが心配な要素と思えた外国馬のエアロヴェロシティだが、むしろ逆だった。好発から逃げるアンバルブライベンの後ろを追走。直線に入るや徐々に外へ出して、先頭に立って逃げ切ろうとするハクサンムーンの外へ出すバートンJ。追い上げるミッキーアイルとの競り合いにも勝ち、最後は半馬身差をつけての勝利。ゴール過ぎにはガッツポーズもあった。
まざまざと世界のスプリンターの力を見せつけられた時間で、ただただ唖然と、ゴール板を観ているだけだった…。
中京競馬場はパイが小さい。詳しくは知らないが、G1デーは大勢の人が入るわりには、ハケが悪くなる競馬場だ。まして、雨である。スタジアム形式のパドックは、それでなくとも人が動けない。後ろから、人と人の間から垣間見るしかない周回風景だった。
早めにいつもの場所にて返し馬を観る事とする。最後にハクサンムーンが恒例のクルリの馬場入り。いつも程、廻らなかった。しかし、スタンドからは大勢のかけ声が飛んでいた。レース前には雨も上がった様であった。
《ワーッ》と声が上がったのは、ダイワマッジョーレがポツンと後ろとなったスタートの瞬間。アンバルブライベンがゴシゴシと押して行く。ハクサンムーンは、少し間を置いた感じで、馬場の外目を続いて行く。
後でPVを観ると、一番の好発はエアロヴェロシティだった。真っ先に飛び出している。典型的なスプリンターの持てる技だ。そしてジッとしての3番手。内めを行く馬が少ない馬場になっていて、要らぬプレッシャーもかけられていない。むしろ外の方、コパノリチャードも悪くない出だったが、1ハロン行くか行かぬかの間に位置が真ん中ぐらいになっていた。ミッキーアイルは好位の5、6番手につけて行っていた。アンバルブライベンが逃げてハクサンムーンが競りかけに行くだろうの筋書きは、最初からなかったのかも知れない。
内を行くアンバルブライベンと、外々を廻るハクサンムーン。アンバルブライベンは単騎逃げの形なのに、直線に入るやもう脚がまったく残っていなかったのは、左廻りがよほど得手ではないのだろう。
馬場の真中を行くハクサンムーン。内から外へ出していくエアロヴェロシティ。外から追い上げてきていたミッキーアイルとちょうど同じタイミングで、ハクサンムーンの外へ並びかけに行く。しかし勢いで勝るエアロヴェロシティが、ミッキーアイルをはねのける様な感じとなる。
ハクサンムーンは、まだ脚は衰えずにゴールを目指す。それを追うエアロヴェロシティとミッキーアイル。この3頭の手に汗を握る攻防の後ろ、それも致命的な差が開いた4,5着争いに、サドンストームとコパノリチャード。ダイワマッジョーレはその後ろ。ストレイトガールに至っては、姿も見えなかった。
大勢が見つめるゴール前で、外国語の声援が最後に響き渡った。そしてバートンJのステッキを持つ右手が上がった。
けっこう降った雨、外を廻るわりには時計が速いと感じた9R。アンバルブライベンが造った逃げのペースは、前半3Fが34.0である。それを引き継いだハクサンムーンも、最後の1ハロンでも11.6と、坂がある中京競馬場でこの馬場コンディションも切れのある数字だ。それをグイっとねじ臥せる外国馬の強さである。16戦8勝が、伊達ではないのを後になって知る。日本に来てビシビシやらない外国馬が勝つ、その方程式を想い出したレース後でありました。
ダイワマッジョーレは、スタートうんぬんよりも、外々を廻った事を悔やむミルコJのコメントを読む。ストレイトガールは、まったくいい処のない13着。外が馬場がいいとは言えないコンディションになった道中なのだろう…か。ロードカナロアの様な、世界で香港で勝てる様な絶対的な強さの馬でないと、勝てないのかも知れない。それほどにワールドワイドさを感じたレースでした。
あのオグリキャップが、マイルチャンピオンを勝って連闘で臨んだジャパンカップ。惜しくも2着と届かなかった相手のホーリックス。その調教師と一緒に来日していた息子さんが、今回のオサリバン調教師だと新聞で知った。2.22.2と不滅のレコードで勝ったホーリックス。その強さを唖然と見ていた事を想いだした。
競馬は本当に積み重ねだと、何か懐かしく思うものでした…。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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