雨中の決戦もディープ産駒だ！サトノダイヤモンドが圧勝！！

【朝日杯FS】スター誕生の予感☆クラシックを占う一戦を深堀り

提供：重賞トレンドジャッジ
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サトノダイヤモンド

15年11/8(日)5回京都2日目5R 2歳新馬(芝2000m)

サトノダイヤモンド
(牡2、栗東・池江厩舎)
父：ディープインパクト
母：マルペンサ
母父：Orpen

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予報では昼には上がっているはずだったが、灰色の空からは小粒な雨が降り注ぐ。ダートは不良へと最悪のコンディションになり、芝も重馬場発表となった。ディープインパクト産駒には辛いだろう馬場コンディション。
しかしそんな事は素人の考え。強い馬には関係ない様である。好位から直線ではしっかりとした足取りで抜け出したのが、サトノダイヤモンド。ルメールJは、ステッきを抜くそぶりも見せず。ロイカバードに2馬身半の差をつけて初陣を飾った。またまた大物の誕生である…。


スタートを決めて、スッと前に行くサトノダイヤモンド。ロイカバードも悪くない出だが、内でじっと様子を伺う。やはりロードヴァンドールが先手を取っていく。こんな馬場がいいだろうダイワメジャー産駒だ。4つのレースのうち3勝と、朝からダイワメジャー産駒が稼いでいる。
最初のカーブにロードヴァンクールが先に入り、サトノダイヤモンド、そしてピスコサワー、外へジョウショウバトルで内ラチ沿いにロイカバードだ。2コーナーを廻って流れは緩くなっていく。13秒台に落ちた様だ。ロードヴァンドールの逃げについていくサトノダイヤモンド。息の入らない逃げとなったロードヴァンドール。
800mを通過したあたりで、後ろから3頭目にいたサウンドスタジオがしびれを切らしたのか、一気に前へと進出して行く。前で動いたタガノジーニアスの後ろを追いかける様に上がって行く。1000m通過の時には、前が一瞬だけ4頭が重なる感じになる。一旦抜かれたロードヴァンドールだが押して押してもう一度盛り返して先頭となって、3コーナーの坂を下っていく。やっぱりサトノダイヤモンドが2番手。内からロイカバードも間合いを詰めていく。

ところが今度は浜中Jが動いた。ブービーにいたダノンアローダが、坂を下って4角に入る間に一気に大外を進む。ラスト600mの標識の処では、ロードヴァンドールと並んで最後のカーブへと入ってくる。
直線では先頭となったダノンアローダ。後ろでは水しぶきが上がっている。いいタイミングかと思えたがサトノダイヤモンドが、しっかりとその後ろで待っていた。外へ出したサトノダイイヤモンド。ラスト300mのオレンジ棒では、きっちりとダノンアローダを捕えて後はゴールへとまっしぐら。小雨で煙る芝をしっかりと踏みしめて行った。

最後の3ハロンが11.7～11.7～11.5の数字である。重馬場発表でしっかりと水分を含んで馬場コンディションとなっていた。
5億円対決と、値段ばかりが先走った感じの注目度だが、いやいや実際の能力もそれに見合ったものの様である。502キロと、ディープインパクト産駒のわりには大きい方である。ロイカバードは少し小さく452キロ。だが共に大きなフットワークで、やっぱりもっと乾いた芝馬場でこその馬であろう。

ゴール前でルメールJが小さくガッツポーズをしていたのをビデオで観れた。彼はM.デムーロJと違って、あまり大きなアクションをする方でない。その彼がするぐらいだから、期するものがあるはず。ノーテッキで勝った事もさることながら、乗り味とかがちと違う馬なのであろう。
武豊Jが《差せると思ったけどね～》と言いながら検量室に入って行った。おそらく4角から直線の半ばでの手応えと動きからの事だろう。それが2馬身半の差をつけられた事実。どうやら凄いライバル馬が現れたという事なのであろう…か。ロイカバードも、次は必勝だろう。その先を行くのがサトノダイヤモンドなのかも知れない。2頭はこれから何度も戦っていくのであろう。

平林雅芳 （ひらばやし まさよし）
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。