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【スプリンターズS】覇権奪還目指すビッグアーサー「地力に期待したい」
2017/9/27(水)
27日、スプリンターズS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。
昨年の高松宮記念の覇者で、12月の香港スプリント10着以来の実戦となるビッグアーサー(牡6、栗東・藤岡健厩舎)は、助手を背に今週も坂路でハードに追われて4F52.3-38.1-25.5-13.5秒をマーク。全体の時計はマズマズも、先週に続いてラスト1Fは13秒台を要してしまった。
春の高松宮記念を筋挫傷で回避。秋もセントウルSで復帰の予定が、爪の不安で回避。ぶっつけでの大一番に「調整がちょっと狂ったのはありますし、動き自体ももうちょっと物足りない部分もあるので…。勝たせたいとは思いますが、どれだけやれるか。あとは地力に期待したいところでもあります」と藤岡健一調教師も慎重な口ぶりだが、休み明けは滅法強く、能力の高さは誰もが認めるトップスプリンター。もちろん条件は厳しいが、それを克服する力は持っている。
追い切り後、管理する藤岡健一調教師の一問一答は以下の通り。
●順調さを欠いた分をハードな攻めでカバー
-:いつもながら、最後の調教という形ですか?
藤岡健一調教師:気性が勝ったタイプなので、出来るだけ他の馬の影響を受けないように、いつも最後なんですけど(笑)。
-:最後にゆうゆうと坂路で52秒台でした。
藤:先週一杯に行っているので、もうちょっと楽に動くかと思ったのですが、最後も時計がかかってしまって…。でも、このひと追いで良くなってくれると思います。
-:先週、今週とスプリンターズSに向けて、順調に進んでいるという見方でよろしいでしょうか?
藤:一頓挫あったので、調整遅れを取り戻すべく毎週頑張って走らせているのですが、先週も時計は出ましたし、今週も動きはまだ重かったので、最後シッカリとやるということでやりました。
-:出来ればセントウルSを使ってというスケジュールだったかと思いますが、爪の状態はどんな感じでしょうか?
藤:爪の方は全然問題なくて、2日ほど調教(のペース)を落としたのですが、その後は特に痛みも出ず、順調に調教をこなしています。
-:分かる程度で構いませんが、どんな状態だったのでしょう?
藤:蹄踵(ていしょう)という、かかとの部分に圧迫があって、少し痛みが出たので、蹄鉄を工夫しました。その分、楽になりまして、痛みさえ出なければ、他にどこが悪いところはなかったので、その部分に関して全然心配いらないです。
-:その結果、去年の香港以来、10カ月ぶりの競馬ということになります。
藤:出来ればセントウルSを使いたかったというか、その予定で栗東に戻してきたので、使えなかったのは誤算ですね。10カ月開いたのも、高松宮記念の前に右前の筋挫傷でどうしても休まざるを得なくて、ここまで延びてしまいました。
-:この馬はデビューから5連勝。その後も8連続連対。連対が途切れたあとにG1の高松宮記念。いわゆる天才肌というイメージを受けます。
藤:体もそうなのですが、スピードの絶対値も高いですし、名スプリンターといってもいいかなという素質を持っています。
-:去年はセントウルSを勝って臨んだスプリンターズS。結果的にはちょっと残念な形に終わりました。
藤:結果、着順も悪かったですし、セントウルSを勝って、調子も上がっていて、このまま行けば勝ってくれると思っていたところで、レースのアヤというか、直線で詰まって、ああいう形になってしまったので、残念ではあったのですけど。
-:ここまでのステップは去年と全く違うわけですが?
藤:去年は順調にいって、セントウルSを使ってというのは最初から思っていたことで、それもうまくいったのですが、今年もその予定だったのですが、爪のトラブルで…。なかなか順調ではなかったので、調教でどれだけカバー出来るかやってきたのですが。
●1200mのスペシャリストを目指して
-:ここまで8勝を挙げて10連対。その全てが1200mですね。
藤:お父さんがサクラバクシンオーで、短いところを走って、産駒もその傾向があったので、特にこの馬はほぼ短距離に特化してもいい体つきをしていましたのでね。1200mのスペシャリストとしてずっとやっていこうと思っていました。
-:ひとつタイトルを持っているのですが、歴代の名スプリンターという名前にするためには、もうひとつタイトル欲しいところではないかと思います。
藤:もちろん、去年は悔しい思いをしたので、リベンジのつもりでやってきました。
-:ここまでの過程を含めて、どんなイメージで向かわれますか?
藤:実力はみんなが認めてくれているところで、私自身もこの馬が一番強いと思っていますので、状態だけをいかにいいところに持って行けるか。調整がちょっと狂ったのはありますし、動き自体ももうちょっと物足りない部分もあるので…。勝たせたいとは思いますが、どれだけやれるか。あとは地力に期待したいところでもあります。
-:ただ、ビッグアーサーという馬は久しぶりのレースには強いですよね?
藤:休み明けはだいたい全て勝っているので、そういう部分では心配はないのですが、やはりG1でステップレースとは違って、相手もキッチリと造ってきますし、この馬も絶好調で行かないと勝てないと思っています。
-:当日の天気、いろんな条件を含めて希望することはありますか?
藤:この馬自身はいろんな馬場、コースも経験していますし、特に雨が降ったからといって悪いわけではないですし、逆に他の馬が気にする分、いいところもありますので。状態さえうまく行けばと思っています。
-:今年のスプリンターズSに向けての抱負をお願いします。
藤:ちょっと順調さを欠いたので、その分、調教もキッチリとやりましたし、これでG1馬としての実力を発揮してくれると思います。皆さんの後押しでもう1つG1を勝てますように応援してあげてください。よろしくお願いします。
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