東京初登場!北の若きエース・石川倭…こちら検量室前派出所(仮)

石川倭

スプリンターズSが終わり、東京競馬が開幕。あいにくの曇天だが、開幕週らしく、芝はまるで緑の絨毯のような生え揃っている。

検量室前をパトロールしていたところ、普段は姿を見ることができないジョッキーと遭遇した。ホッカイドウ競馬所属の若武者・石川倭(いしかわ やまと)騎手だ。22歳にしてホッカイドウ競馬の強豪オヤコダカの主戦を務める、道営の若きエースである。

「東京は広いですね(笑)」。東京競馬場初騎乗の感想を聞くと、笑いながらそう答えてくれた石川騎手。「札幌では騎乗したことがありますが、洋芝ですからね。クッションも違いますし、開幕週ということで馬場もボコボコしていなかったので、とても乗りやすかったです」と、初実戦の3レース(ヒダルマ・7着)を振り返る。

そんな北海道のホープが今日、メインR・サウジアラビアロイヤルカップ(G3)でコンビを組むのが、前走G3札幌2歳Sで1着ロックディスタウンからタイム差なしの3着に食い込んだダブルシャープ(牡2、北海道・米川昇厩舎)。 ここまで5戦2勝ながら、札幌2歳だけでなく、クローバー賞を勝つなど、今回のサウジアラビアロイヤルCに出走する中央馬より実績がある。クローバー賞で倒したタワーオブロンドンは、この次走のOPききょうSを勝利するなど、相手も悪くはなかった。石川騎手は、今後を嘱望される逸材の過去5戦全ての手綱をとってきた。

「2歳とは思えない大人びた馬です。寄られてもヒルみませんし、精神的にも強いんです」とパートナーを絶賛。「今回は順調に来ていますし、素晴らしい状態です」と自信を見せる。「ただ、長距離輸送がありましたからね。心配な点はそこです……」と一瞬顔が曇った。

実は伯父に天皇賞・春を制したメジロブライト、朝日杯3歳Sを制したメジロベイリーと、2頭のG1馬を持つ『隠れ良血馬』でもあるダブルシャープ。無事に長距離輸送をクリアし、道営代表の「フレッシュコンビ」が中央馬を倒すシーンを見たい。