ディープ急逝、武豊騎手が会見「本当に特別な馬。僕にとってヒーロー」

ディープインパクト

ディープインパクトとの思い出を振り返る武豊騎手

31日、栗東トレセンにて、前日早朝に亡くなったディープインパクトについて、主戦を務めた武豊騎手の会見が行われた。内容は以下のとおり。

-:今の心境

武豊騎手:もちろん残念な気持ちに変わりはないですが、改めていろいろな報道を見て、偉大な馬だと感じました。種牡馬としての活動は2月から休んでいると聞いていましたし、ゆっくり長生きしてくれればと思っていたので、非常に残念です。

-:知らせはどこで聞いたか

武豊騎手:関係者から電話が掛かってきて知りました。月曜に関係者から「体調がかなり悪く、難しいかもしれない」とは聞いていました。嫌だなと一瞬思っていたのですが……。何とか無事で、何とか頑張ってほしいと祈るような気持ちでした。

たまたま日曜に札幌競馬で騎乗していて、月曜は社台スタリオンのすぐそこにいたので、「会いに行ける状態ですか?」と聞いたところ、「今は難しいです」とのことで、もう少し元気になった時に会いに行ければと思っていました。

ディープインパクト

-:武騎手にとって、ディープインパクトはどういう存在か

武豊騎手:一言で言い表すのは難しいですが、本当に特別な馬でした。僕にとってヒーローみたいな馬でした。いつかこういう馬が現れればいいと思っていた馬で、共に過ごしていた時間は凄く幸せでした。

-:知らせを受けた時に頭に浮かんだのは

武豊騎手:色々な思い出があるので、改めて思い出しましたし、出会えて良かったと思いました。

ディープインパクト

-:跨った瞬間の衝撃を覚えているか

武豊騎手:覚えていますね。栗東で、デビュー一週間前、あまりの走りの凄さに驚きました。レース前から凄い馬だと感じていましたが、デビュー戦で 改めて凄い馬だと確信しました。凄い馬と出会ったと感じましたね。

昨日の番組の特集を見ていましたが、改めて映像を見て、自分のその時の感触を思い出しました。言葉では言い表しにくいですが、本当に凄い乗り味でした。

約2年主戦として乗ることができましたが、各レースで色々な走りをすることができて、いい思い出がたくさんあります。一つ一つのレースにそれぞれ大事なテーマ、思いがあるので、全てハッキリ覚えていますが、一つに絞るのは難しいです。

-:改めて武騎手から"称号"を与えるとしたら

武豊騎手:間違いなく当時世界一強かったと思います。本当に"英雄"だったと思いますね。僕も含め多くの人がそう思っていると思います。年齢的にまだまだと思っていましたし、絶頂期で現役を引退し、種牡馬としても最強のまま突然の終わりを迎えて、現役を引退した時のような気持ちも少しあります。まだたくさん産駒は残されていますし、彼の遺伝子が今後も残されるでしょう。今後も産駒たちが能力を引き継いでいってくれると思います。

-:やり残したことはあるか

武豊騎手:凱旋門賞ですね。世界一強い馬だと思っていましたし、勝たなければいけないと思っていた馬なので、凱旋門賞を勝てなかったことは悔しさとして残っています。もちろん凱旋門賞はディープインパクト産駒でいって勝ちたいという思いはあります。

-:最後にかけたい言葉

武豊騎手:感謝しかないです"ありがとう"と言いたいです。

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