【大阪杯】初の古馬相手の一戦、2冠牝馬スターズオンアースの勝算は…

今年緒戦を迎える昨年の2冠馬スターズオンアース

今年緒戦を迎える昨年の2冠馬スターズオンアース


■大阪杯
スターズオンアース(牝4、美浦・高柳瑞厩舎)
佐藤二朗調教助手

——スターズオンアースが大阪杯から始動します。まずは去年の秋華賞について、レースに向かう過程から振り返っていただけますか。

佐藤助手(以下、佐):骨折休養明けでしたが、帰厩してから調教で乗っても骨折の影響は感じませんでした。脚元を気遣って坂路で時計を出すこともありましたが、本追いはコースでやりましたし骨折したからといって特に変わらず調整出来ました。オークス以来の実戦でしたが、問題のない仕上がりで送り出せました。

——レース内容についてはいかがですか。

佐:ゲートで遅れてしまって、その後もペースが遅く直線に向くまでずっと後方でしたからね。展開が向きませんでした。ただ直線だけで馬群を縫うように上がって3着まで突っ込んできましたし、力は見せてくれたかと思います。

元々ゲート難があった馬ではありませんし、秋華賞前にゲート練習もしていたのに遅れたのは、休み明けの影響があったのかもかもしれませんね。

——展開が向かないなか、よく3着まで。

佐:春の2冠を勝ちましたが、桜花賞のときは「運が良かったんじゃないか」とか、オークスのときも「発走前のアクシデントで有力馬が力を出し切れなかったんじゃないか」とか、周囲からフロック視されているような感じもありました。秋華賞は負けてしまいましたが「スターズオンアースが1番強い競馬をした」という声を多く聞きましたし、ようやくこの馬の力が認められたなとも思いましたね。

——秋華賞後の過ごし方を教えてください。

佐:報道にも出ている通り、左前肢繋靭帯に炎症があったので牧場で休養することになりました。牧場でしっかりケアをして立ち上げてもらって、今回の帰厩後も脚元を気にせずビシビシ乗り始めています。

2週前は自分が乗って、少しモタれを修正しながらも無理なく良い時計が出ました。その1本をやった効果でその後はだいぶモタれも解消して、真っ直ぐ走れるようになってきました。

——3/23(木)には、1週前追い切りをウッドコース併せ馬で行いました。

★

佐:この馬に以前も乗ったことのある杉原騎手に今回も乗ってもらいましたが「モタれも解消しているし、以前と比べて全体的に力が付いてきている」と評価してくれました。馬の動き自体も良かったですし、更に上向く余地もありそうです。

——佐藤助手からご覧になって、性格など含めてスターズオンアースの特徴はどのようにお考えですか。

佐:この子は牝馬とは思えないくらい、すごいパワーがあるんですよ。放牧明けは元気がありますしアクションも大きいので、最初に乗るときは怖いくらいです。

ただ1本時計を出すとガス抜きになるのか、ガラッと変わって暴れることもほぼなくなります。牝馬にしてはキャンキャンしたところがありませんし、意外と冷静な子です。

——さて今回の大阪杯は、前走の秋華賞と同じ舞台です。輸送も含めて阪神2000という舞台への適性はどのようにお考えですか。

佐:桜花賞でも阪神に行っていますし、輸送については問題ありません。器用な馬なので、どこのコースでも気にならないと思うんですよね。モタれが感じられていた頃は、左回りの方が合うかなとも考えましたが、今ならどこでも力を出せると思います。

——初の古馬との対戦になります。

佐:同じG1でもこれまでと比べて相手が強化されますし、強い先輩たちの胸を借りる立場だと思います。ただこの子も去年と比べてパワーアップしていますし、自信を持って送り出せます。