【菊花賞】逃げ争い激化で急浮上!「絶好ポジション」から抜け出す伏兵候補

新潟記念で古馬を撃破したノッキングポイント

新潟記念で古馬を撃破したノッキングポイント


テレビ東京の競馬中継で解説を24年務め、数万レースを見てきた元JRA騎手・吉沢宗一さん。プロの視点でメンバー構成などから展開を描き、"未来予想図"をつくります!

今週は菊花賞(G1、京都芝3000m)。展開面での攻略ポイントはこの2つです。

攻略ポイント
  • <1>逃げ・先行馬が揃い淀みない流れ
  • <2>展開を動かすのは⑦タスティエーラ

今年の逃げ候補は内から⑤パクスオトマニカ、⑥リビアングラス、⑮ファントムシーフ。中でも前走でハイペース逃げに持ち込んだ⑥リビアングラスが行き切るのではないでしょうか。他2頭も序盤に競り合ったら自分が苦しくなるだけですし、無理せず直後を追走するはずです。

他にも先行馬が多く、スタートしてすぐコーナーですから「前に入られたくない」、「最内の進路を譲りたくない」という心理も働いて序盤のポジション争いは過熱するのではないでしょうか。

序盤の入りは平均よりも速い流れで進んでいくと見ました。

1周目スタンド前

     ⑥↑
    ⑮⑤↑
      ↑
    ③①↑
    ⑨⑧↑
    ⑦④↑
    ⑬⑪↑
    ⑰⑩↑
      ↑
  ⑯⑭⑫②↑

切れ味勝負で分が悪い馬、スタミナ勝負に持ち込みたい馬が前の方に付けていきます。セーフティーリードを保つというイメージです。①トップナイフや③シーズンリッチ、⑧サヴォーナ、⑨ノッキングポイントはそういう個性です。

その近くには⑦タスティエーラもいます。自在性があってとにかくレースが上手なのが持ち味。十分な切れ味があるから騎手の思い通りに動けます。モレイラ騎手ならペース判断や位置取りを間違える心配は少なく、レース中盤以降も展開のカギを握る存在です。

これをマークするのが⑪サトノグランツ。いつも中団やや前目で流れに乗れるタイプで、最高スピードに乗るまでに時間が掛かることを考えると、今回も後ろにはいられません。目の前に絶好の目標を置いて後半勝負に備えます。

⑭ソールオリエンスはもう一列後ろから。外目の枠を引きましたし、今までのレースぶりからじっくり脚を溜めて後半勝負になるでしょう。正攻法で勝負するタイプではないので善戦マンっぽい印象があるのも確かです。

外枠の場合、そう簡単に内に潜り込めないですから、スタート直後に頑張って前目の内に入れるか、行く気なく後方の内に入れて後半に懸けるか。隊列の内から3,4頭目を走るようだと距離ロスが気になります。

直線入口

   ⑦⑮⑥↑
   ⑨⑧①↑
   ⑪ ④↑
   ⑰⑬③↑
 ⑯⑭⑫ ⑤↑
    ②⑩↑

展開のカギを握ると見ている⑦タスティエーラは総合力+切れ味で勝つための乗り方をしてきます。直線入り口では先頭集団に並んで押し切り態勢。

後は他の先行馬がどこまで粘れるか。⑪サトノグランツや⑭ソールオリエンスなど差し馬がどこまで伸びてくるか。全体的に引き締まった展開に耐えられる馬とそうでない馬がハッキリ分かれる決着になると思います。

⑦タスティエーラは牧場でしっかり乗り込まれてきたのでしょう。久々を感じさせない動き、キレッキレの馬体を見せています。切れ味があって騎手の思い通りに動ける自在性が持ち味。モレイラ騎手が流れに応じて、しっかり押し切るレース運びをするでしょう。

⑪サトノグランツは前走が追っ付けながらの追走だったことから距離延長はプラス。スピードに乗るのが遅く、長くいい脚を使うタイプで、早めに動いて勢いを付けて直線勝負が理想。勝負所ではスムーズさを優先した進路取りで勝負すると見ました。

先行粘り込み組の中から⑨ノッキングポイント。スタミナを武器にして走るタイプで馬体の印象からも距離延長はいいと思います。ダービー5着、古馬相手に新潟記念完勝は簡単ではありません。セーフティーリードを保ってとにかく粘り込みたい。

本命候補:⑦タスティエーラ

穴馬候補:⑨ノッキングポイント

展開予想でおなじみの吉沢宗一さんがレース発走直前のパドックで、よく見える5頭をTwitterで配信しています! 吉沢宗一のツイートを見る

(元JRA騎手)