【3歳馬情報】能力はこんなものではない!前走大敗の良血馬が巻き返しを誓う

今週はオークス、翌週にダービーが控え、現3歳世代の春のクラシックシーズンはクライマックスを迎える。ダービー、オークスへ出走は叶わなかったものの、秋の飛躍を期す注目馬たちを今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していく。

◆5月18日


●カーネーションC(牝馬限定1勝クラス)・東京芝1800m

カンティアーモ(牝、エピファネイア×リビアーモ、美浦・木村厩舎)
フラワーCは最後に脚を伸ばしたが、2着ホーエリートとはクビ差の3着。2着で賞金を加算できればオークスも視野に入っただけに悔しい一戦だ。勝負処でモタつく面もあるので、東京コースに変わることはプラス。前評判から、本来ならクラシックに出走していないといけない馬。オークスと同週の1勝クラスで恥ずかしい競馬はできない。

●メルボルンT(1勝クラス)・京都芝1600m

ラウダブル(牡、キズナ×クイーンカトリーン、栗東・池江厩舎)
昨夏の札幌でデビューし8着。その後ノドの手術を行い、年末に復帰予定も熱発で再放牧。立て直して迎えた前走は先手を奪おうと、エボルヴィングの追撃を抑えて1着。7か月ぶりの休養明けで、いきなり好走している。前走後は再度間隔を開けており、1週前追い切りでCW6F78秒4の好時計が出ていることから反動は無さそう。叩いた効果も窺え、2連勝も見えてきている。鞍上は松山騎手。

●1勝クラス・東京ダート1600m

フェンダー(牡、モーリス×プリンセスロック、栗東・斉藤崇厩舎)
半姉に函館2歳勝ち馬ブトンドールがおり、牧場での評判からPOGでも人気になった一頭だが、現状は1勝。折り合い難から成績も不安定で、なかなか力を出し切れていない。走りにメリハリが無いことから、今回はダート戦に出走。これが吉と出ることを願いたい。鞍上はオシェア騎手。

●未勝利・東京芝2000m

フォティーゾ(牡、キズナ×スキア、美浦・宮田厩舎)
皐月賞馬ソールオリエンスの半弟。前走は初出走もあってか精神的な若さを露呈しチグハグな競馬に。前有利の展開でも動けず、後方から差を詰める程度に終わっている。「経験馬を相手にデビュー戦は1番人気に支持されたけど、見せ場を作れず案外な結果に。稽古は楽々動いて時計も出ており、走らないわけはない」と記者の話。前走の結果がこの馬の力では無いはずで、2戦目の変わり身に期待したい。なお翌日の東京1800m戦にまわる可能性もある。鞍上は横山武史騎手。

●未勝利(牝馬限定)・京都芝2000m

スターリングアップ(牝、ブリックスアンドモルタル×ソウルスターリング、栗東・松永幹厩舎)
オークス馬ソウルスターリングの初仔で期待されたが、デビュー2戦はともに5着。3戦目となった前走は、勝ち馬からコンマ3秒差の2着と確実に上昇を示している。POGでも人気になった馬。POG期間内の出走は恐らく最後となると思われるので、何とか1勝を掴みたい。鞍上は池添騎手。

●未勝利・新潟芝1600m

プリュノワール(牝、ロードカナロア×プチノワール、美浦・鹿戸厩舎)
阪神JF勝ち馬ローブティサージュの半妹。ここがデビュー戦となる。1週前の追い切りは、芝コースで5F68秒台、1F11秒台前半の時計を余裕をもってマーク。経験馬相手に厳しいが、この時期の未勝利戦はメンバーも手薄になるので好レースを期待したい。鞍上は荻野極騎手。

◆5月19日


●1勝クラス・東京芝1600m

レガーロデルシエロ(牡、ロードカナロア×デアレガーロ、美浦・栗田厩舎)
昨夏の札幌で勝ち上がった未勝利戦の内容が良く、上でも通用すると見ていたが、1勝クラスでは2着が2回となかなか勝ち上がれず。ただ2着時の勝ち馬はジューンテイク(京都新聞杯1着)、ユキノロイヤル(ニュージーランドT3着)と重賞で活躍しており、相手も悪かった。「母は京都牝馬Sの勝ち馬。この中間は稽古が強化されており、馬体も締まってきた。能力の高さは、このクラスにとどまるレベルではない」と記者の話。1週前の木曜日には、ウッド5F63秒8の一番時計をマークし仕上がりは良好だ。鞍上はルメール騎手。

トラジェクトワール(牡、モーリス×シャイントレイル、美浦・尾関厩舎)
初勝利の未勝利戦は、3Fのレース上りを1秒5も上回る33秒4をマークし、豪快な追い込み。この脚ならオープンでもやれると期待したが、続くセントポーリア賞は折り合いを欠き6着。毎日杯は重馬場で全く動けずシンガリと競馬になっていない。勝った未勝利戦のように脚が溜まれば、巻き返すことは可能だ。

●未勝利・東京芝1800m

ヴァイザーブリック(牡、ブリックスアンドモルタル×ヴァイスハイト、美浦・池上厩舎)
ダートでデビューし5着。2戦目から芝に変え3,2着と成績は上昇。特に前走は、スローペースに持ち込んだ先行馬にまんまと逃げ切られたが、勝ち馬からコンマ2秒差まで詰めている。好走した前走と同じコースで初勝利を決めたい。

●未勝利・東京ダート1600m

ホウオウラムセス(牡、エピファネイア×オメガフレグランス、美浦・栗田厩舎)
半兄に東京大賞典4連覇のオメガパフューム、現4勝のホウオウルーレット。ここがデビュー戦の予定だ。追い切り時計は目立たないが、1週前の段階でウッドの長めを5本出しており、仕上がりは進んでいる。

●未勝利・新潟芝2200m

オリエンタルナイト(牡、ハービンジャー×オリエントワークス、栗東・寺島厩舎)
ここまで10戦し勝ち上がれていないが、2着2回、3着3回と安定。前走も結果こそ5着だが、勝ち馬からコンマ2秒差と大きく負けていない。現状は上りがかかったほうがいいタイプとの話なので、今の新潟コースは合うだろう。

◆2歳新規入厩


スワーヴキャサリン(牝、エピファネイア×シーズアタイガー、美浦・堀厩舎)
半兄ダノンザタイガー(東スポ杯2歳S2着、共同通信杯3着)。セレクトセール3億800万円(税込)

ミッキークイーンの22(牝、エピファネイア×ミッキークイーン、美浦・堀厩舎)
母はオークス、秋華賞勝ち馬。半姉ミッキーゴージャス(愛知杯勝ち馬)

ワイドメテオール(牡、レイデオロ×ワイドサファイア、栗東・福永厩舎)
母はフローラS2着。半兄ワイドファラオ(かしわ記念勝ち馬)、半姉ワイドラトゥール(紅梅S1着)

キトンインザスカイ(牝、シスキン×メジロトンキニーズ、栗東・高野厩舎)
母はダイヤモンドS2着。半兄トリオンフ(重賞3勝)、半姉クールキャット(フローラS勝ち馬)

サトノブリジャール(牡、エピファネイア×ベルダム、栗東・友道厩舎)
おばジェンティルドンナ(G1を7勝)。セレクトセール1億8700万円(税込)

サトノクローザー(牡、シュヴァルグラン×シェルズレイ、栗東・友道厩舎)
母は重賞2着2回。半姉レイパパレ(大阪杯勝ち馬)、半兄シャイニングレイ(ホープフルS勝ち馬)

マディソンガール(牝、キズナ×ヤンキーローズ、栗東・中内田厩舎)
半姉リバティアイランド(牝馬3冠)

ドゥアムール(牝、ロードカナロア×ルシュクル、栗東・中竹厩舎)
母はファルコンS3着。半兄ビアンフェ(重賞3勝)、エントシャイデン(フランスG1フォレ賞3着2回)、半姉ブランボヌール(重賞2勝、阪神JF3着)

プレインコート(牝、ロードカナロア×インダクティ、栗東・吉岡厩舎)
全兄ケイデンスコール(重賞3勝、NHKマイルC2着)、半兄インダストリア(ダービー卿GT勝ち馬)