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【成瀬琴の秋のノーザンF天栄潜入記part2】未来のG1馬!?この秋注目の素質馬を直撃!
2024/9/29(日)
期待の2歳馬アルレッキーノと成瀬琴さん
皆さんこんにちは、成瀬琴です!秋のノーザンファーム天栄取材第2弾ということで、早速この秋注目のサラブレッドたちを紹介していこうと思います!
【成瀬琴の秋のノーザンF天栄潜入記part1】秋のG1シーズン直前!G1馬を直撃はこちらから!
第1弾ではG1馬を中心に取り上げさせていただいたのですが、中には"G1馬だけ?"、"これからG1を勝ちそうな注目馬はいないの?"と思われた読者の方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください、ここはノーザンファーム天栄、名馬の虎の穴です。
まずは第1弾で取り上げた、管理馬を4年連続でダービーに送り込んだ上田厩舎にて、ブレイディヴェーグに続いて紹介していただいたのが黒鹿毛の牡馬。立派な馬格を持つこの馬の名前はヘデントール!
秋の飛躍を目指すヘデントール
「デビュー前から期待していた馬なんですよ」そう笑顔で語るのは上田厩舎長。「新馬戦は負けてしまったんですが、その時の勝ち馬はジャスティンミラノでしたから。この馬の長所はスタミナ。お母さんのコルコバードも長距離で好走していた馬ですし、スタミナという点では他の馬よりも秀でていると思います」とのこと。
まだ課題もあるそうなのですが、それ以上に伝わってくるのがこの馬に対する期待度の高さ。「現状、この馬の課題はスタートだと思っていまして、今はまだ距離を詰めるとポジション取りで苦しい場面があるかもしれません。この先克服しなければならない課題だと感じています。一方で、折り合い面で苦労することがなく、自在に運べる部分もこの馬の長所だと思っています」とにこやかに話す厩舎長の口調は最後まで熱を帯びていました!
実は上田厩舎長、お母さんのコルコバードも担当されていたのだそうです。「“我の強さ”が似ています。譲れない部分を持っているところがあって、時折そんな素振りが見られます。でもお母さんほどレースで難しいところは見せないんです。そこがヘデントールのいいところです。元々“大きなところ”を期待していた馬ですし、お母さんで獲れなかったタイトルをこの馬で、と思っています」と言いながら見守るその目はまるでお父さんのよう。親子2代と創るドラマ、これもまた競馬の魅力ですよね。
実はノーザンファーム天栄にはもうひとり、ヘデントールと縁が深い人物がいるんです。それが木實谷雄太場長。母コルコバードは天栄調教馬なのですが、父のルーラーシップにも山元トレセン時代に騎乗された経験があります。
両親をよく知る場長にはやはり、似ているところ、逆に違うところを聞いておかなければいけません。「身体の大きさはどちらかというとお母さん譲り。フットワークの大きさはお父さん譲りという感じですかね。違うところはどうだろう…良い意味で成長がゆっくりなところですかね。逆に言えばまだまだ伸び代を感じています」と、上田厩舎長同様にこやかな笑顔を浮かべながら優しく語る視線はまるでお父さんのよう。天栄にはヘデントールのお父さんがいっぱいいます。
「ルーラーシップの特徴は一言で言えば乗り心地の良さですかね。跨った一歩目から違いましたね」と父の現役時代の思い出を語る場長。加えて母もよく知るとなれば、思い入れは相当なものでしょう。
そんなヘデントールが勝った日本海Sですが、昨年のこのレースを勝ったのは後の菊花賞馬ドゥレッツァでした。やはり気になるのはドゥレッツァとの違いです。
思い切って違いについて聞いてみると、「へデントールの方がより距離が延びて良さそうだなという印象を持っています。もっと言えば海外には長距離の大きいレースたくさんあるので、そういうところに臨めるような強い馬になってほしいと思います」と、場長の言葉の節々から熱い思いが伝わってきました!
ヘデントールと同じくらい熱いトーンを感じた馬は他にもいるんです。吉田厩舎で調整されているアルレッキーノがそれ。前走の新潟での未勝利戦は2着に7馬身差をつけて圧勝し話題を呼びました。
楽しみな2歳馬アルレッキーノ
この楽勝劇に吉田厩舎長も「もちろん期待はしていましたけれど、こちらが思ってる以上の勝ちっぷりでした」と驚きを隠せない様子。夏前に取材した時に"スピードが有り余っている"と聞いていた私も驚きました(笑)
そんな中、「期待通りの内容でしたよ」と語るのが木實谷場長です。ただ同時に口にしていたのが"課題"について。
「スピード能力が高いのですが、逃げ馬としてはもう少し収まりが効くようにしていくのが今後の課題だなと思いながらレースを見ていました。当然これからより強い馬と戦っていくとテンのスピードが速い馬がもっと出てくるでしょうし、どんなレースでもできるように教えていきたいと思います」と語るのも、アルレッキーノに対する期待が高いが故でしょう。
次走は後のG1馬が勝ち上がっていった出世レースで、グランアレグリアなど天栄調教馬が制してきたサウジアラビアRC。
数多くの名馬に携わってきた木實谷場長に「一言で言えば遜色ないレベルだと思います。ルメール騎手からも"ポテンシャルは凄いから、あとは気持ちのコントロールだけ上手くやってください"と言われているので、次走では乗りやすくなったと言ってもらえるようにしたいですね。もちろん来年の目標はダービーです。国枝先生のダービー、ただただそれだけです」と言わしめるアルレッキーノの秋、そしてその先が楽しみでなりません!
吉田厩舎長からは他にも注目馬の名前を挙げていただきました。それがデビューから2戦2勝の3歳馬ジオセントリック。
「馬が良くなってます。2歳のころに比べたら楽に動けますし、能力を感じますね。ゆくゆくはオープンまで行けたらなと思います。手塚先生も『オープンまで行く馬だと思います』とおっしゃっていました。東京1週目で使う予定ですが、この先理想としている男馬の(調教)メニューを組めたらもっと良くなりそうですよ」と吉田厩舎長は笑顔。
木實谷場長も「ジオセントリックはデビュー前、併せ馬相手だったヘデントールよりも動けていた馬なんです。この秋とは言わず来年以降更に良くなってくる馬だと思いますが、この秋のレースをこの先の飛躍に繋げてほしいですね」と笑みを浮かべておられました!
ちなみにそんな場長に、他にも秋の東京で期待されている馬について伺うと、「まずはアーモンドアイの子であるアロンズロッドでしょうか。具体的な番組は決まっていないんですが、無事にデビューに辿り着いて勝ってほしいと思います。東京開催で期待している馬は多いんですけれど、エピファネイア産駒のガルダイアも楽しみです。アエロリットの弟なんですけど、キビキビした動きなので、期待しています」と新情報もゲットしちゃいました!
場長にこの秋注目の馬たちを何頭も紹介してもらった私が、今回の取材の最後に向かったのが高木厩舎です。ここには注目馬の他に…私の弟の鹿戸雄翔(ゆうしょう)がスタッフとして在厩しているんです!そして鹿戸厩舎のホープであるトロヴァトーレも高木厩舎。鹿戸一家揃ってお世話になってます(笑)
めちゃくちゃ仲良しなんです!
トロヴァトーレは8月頭の新潟日報賞で惜しくも2着に敗れましたが、これは木實谷場長も悔しかったよう。「勝つつもりだったんですけどね…勝ち馬に上手く乗られちゃいました。勝てば秋は重賞、毎日王冠か富士Sを使いたかったくらいだったので残念でした。この間の末脚を見たら、競馬が形になってきたと思うんですよ。次は中山の秋風Sに使うので、期待しています」と伺っていたのですが、その秋風Sを見事優勝!これは秋、そしてその後がとても楽しみになりますね!
皆さん、いかがでしたでしょうか。本当はもっと注目馬を教えていただいたのですが、あまりにも長くなってしまうのでその中から私の独断で数頭選ばせていただきました。スプリンターズSを皮切りに秋のG1シリーズがスタートしましたが、今回紹介した馬たちが無事に活躍することを祈るばかりです!
木實谷場長、今回もありがとうございました!
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