【秋華賞】伝説が生まれた舞台、三冠牝馬たちの記憶

三冠牝馬として歴史に名を刻んだリバティアイランド

三冠牝馬として歴史に名を刻んだリバティアイランド


今週末はいよいよ3歳牝馬最後の大舞台、秋華賞(G1、京都芝2000m)が行われます。

1996年の創設から今年で30回を迎え、この舞台では数々の名牝が輝きを放ってきました。

歴史を彩った名牝の1頭が、18年に牝馬三冠を達成したアーモンドアイです。

桜花賞は後方一気の鬼脚で差し切ったと思えば、オークスは一転して好位からの抜け出しで快勝。秋華賞では出遅れながらも直線で鋭く伸び、周囲の杞憂を一蹴する完勝劇で三冠を成し遂げました。

その後も国内外のG1を勝ち続け、20年の天皇賞・秋では史上初となるG1・8勝目を記録。ラストランのジャパンカップでは、無敗の三冠馬コントレイル、デアリングタクトとの「世紀の三冠対決」を制し、通算9度目の栄冠を手にしています。

そして現在は繁殖牝馬として、新たな世代へその能力を託しており、産駒の活躍にも大きな期待が寄せられています。

また、23年に牝馬三冠馬に輝いたリバティアイランドの雄姿は記憶に新しいかもしれません。2歳女王として挑んだ桜花賞は出遅れ、16番手で4コーナーを回りましたが、大外一気の末脚で差し切り勝ち。

続くオークスでは、次元の違う強さを見せつけ、グレード制導入後のオークスで最大着差となる、6馬身差の圧勝劇を披露。最後の秋華賞では3コーナーから早めに進出し、大外から先頭に立って突き抜け、堂々の三冠を達成しました。

その後もジャパンカップでイクイノックス相手に2着、ドバイシーマクラシックで3着と、世界の舞台でも実力を証明。しかし、今年の香港遠征でのアクシデントにより、その勇姿を再び見ることは叶わなくなりました。

あの強い走りを受け継ぐ産駒がいないことも含め、本当に残念ではありますが、それでも懸命にターフを駆ける"お嬢さん"の姿は決して色褪せることなく、名馬の1頭として競馬ファンの胸にいつまでも刻まれていくはずです。

秋華賞は数多の名牝たちが歴史を作り上げてきた舞台。今年はエンブロイダリーカムニャックがそれぞれ一冠を分け合う形になりました。彼女たちが二冠目を手にするのか、それとも新たなG1馬が誕生するのか。

今週末、次なる名馬の誕生に立ち会えるかもしれません。