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-シルクロードS&京都牝馬-平林雅芳の目
2011/2/1(火)
土曜京都11R
シルクロードS(GⅢ)
芝内1200m
勝ちタイム1.08.2
勝ち馬:ジョーカプチーノ(牡5、栗東・中竹厩舎)
※※58キロも何のその、ジョーカプチーノが外から差す!!
58キロの重いハンデを背負っているせいなのか、スタートが遅かったジョーカプチーノ。出た瞬間は一番後ろ。逆に好発だったティファニーケイス。ゲートが開いていきなり先頭に立っている素早さだ。また、スプリングソングはややアオリ気味に出て後ろめだ。少し押して前へと出ては行ったが3番手のイン、そして道中の手応えがあまり良くない様に見えた。34.8と前半3ハロンはそんなに速くないのだが、平均に流れたせいか、逃げたティファニーケイスは直線入口でもう脚がなくなった。外からジョーカプチーノが怒涛の伸び。さらにその外からアーバニティーも脚を伸ばす結果。勝ったジョーカプチーノだけが関西馬で、後の上位4頭は全て関東馬。以前からマイルまでの距離では関東馬の出番が多いと思っていたが、また今年も最初からそれを感じるものだ。
ただ、勝ち馬だけは関西馬、それもGⅠ馬ジョーカプチーノでさすが。58キロを背負いながらも、直線では貫禄の伸び脚。差してもOKの力強さを見せて、今年の初陣を飾ってくれた…。
やはりティファニーケイスは速い。スッと前に出ているスタートである。そして押してハナへ行く。外からウエスタンビーナスが2番手、そしてスタートがあまり速くなかったスプリングソングも押して前へと行くが3番手で収まる。
1馬身から2馬身まであるかの間隔で先頭を切っていくティファニーケイス。通常このクラスでの先行で、2ハロンめが10秒台をマークしない事はないはず。それがこのレースは11.0と考えられないぐらいに遅い入りだ。前半3ハロンを34.8で通過して行っているから、通常なら楽な先行のはず。後続にピタッとマークされての先行でなく、1馬身以上の『間』を造っているから、息も十分に入っているはずなのだろうが、4コーナーでウエスタンビーナスとジェイケイセラヴィが横並びに来てカーヴを回った時には、ティファニーケイスはもう一番前ではなかった。
残り1ハロンのあたりでは、そのウエスタンビーナスとジェイケイセラヴィが並んで先頭に踊り出た。直後にスプリングソングも接近するが、さらに前に出る勢いは感じられない。むしろ、その後ろで待っているセイコーライコウが勢いづいている。前の2頭を挟む様に、一番内セイコーライコウ。外から迫ってきていたジョーカプチーノの伸びが鋭く、一気に先頭になってゴールを目指す。中を割って出てきたモルトグランデと、外からアーバニティも一気に伸びてジョーカプチーノを追う。最内のセイコーライコウの伸びが止まって見える様に、アーバニティとモルトグランデの伸びがいい。
ゴール前2ハロンのラップが10.9~11.4である。内回りコースであるから、最後のカーヴを回ったあたりからのラップと見ていいだろう。この数字では先行した馬たちには堪えきれない上がり。4着のセイコーライコウもその速いところを一気に脚を使って先頭のシーンがチラッとあったが、最後は伸びあぐねた。ジョーカプチーノが、3コーナーから4コーナーの中間では、馬群のちょうど真ん中。その内めにアーバニティーもいた。この2頭が同じ上がり脚で、32.6。先に外から仕掛けて行ったジョーカプチーノが半馬身先着。アーバニティーも良く伸びてはいたが届かず。1.08.2とそんなに速い決着ではないのだが、平均に流れて先行馬には辛い流れになったのだろう。
何よりもジョーカプチーノである。今までは前へ行っての先行粘りがこの馬のパターンだと思えていた。それが今回のこの競馬内容である。脚質に幅が出来たのが凄い。それも58キロを背負ってのもの。
長い休養から立て直してのこの連勝。それもパターンの違う勝ち方が出来たのは大収穫であり、今後に大きな楽しみが出てきたと言えよう。
日曜京都11R
京都牝馬S(GⅢ)
芝外1600m
勝ちタイム1.33.7
勝ち馬:ショウリュウムーン(牝4、栗東・佐々木晶厩舎)
※※ あのアパパネを破ったショウリュウムーンが戻ってきた!!
先に抜けたのがサングレアズール。しかしその外を、桁違いの脚でショウリュウムーンが一気に先頭に踊り出た。外からヒカルアマランサスも追い込んで来てはいるが、一番前へと出る脚色ではなかった。そしてゴール前で右ステッキを歓喜で振っている浜中Jを背にしたショウリュウムーンが、昨春以来の重賞勝利、それもあの豪快な脚と共に戻ってきた。
アグネスワルツ10着、アプリコットフィズ14着と人気馬が崩れる中で、ヒカリアマランサスだけがキッチリと結果を出してはいたが、ショウリュウムーンの脚色にハッキリと差をつけられていた。
スタートの瞬間を、JRAのパトロール映像で何度も見てみる。アグネスワルツはゲートが開いた時に上に少し飛び上がり気味、その後で躓いている感じだ。その隣りの枠のヒカルアマランサスも、元々速くない上に、その動きに多少影響を受けた感じ。思っていたよりも位置が後ろになった嫌いもある。
アグネスワルツは、そこから馬の中を抜いて前へと出て行っているのだが、そこに行き着くまでに時間がかかっているのは間違いなかった。
ジュエルオブナイルの逃げから始まったのだが、前半3ハロンが35.4、1000メートルも59.7と平均的な流れ。逆に言えば、後続馬も楽に付いていける流れでもある。ヒカルアマランサスは、結局は後ろから3頭めぐらいだが、その少し前にショウリュウムーン。馬群の中である。その少し前の内めにサングレアズールが位置していた。
前ではアプリコットフィズが2番手、3コーナー過ぎあたりからは、そこへ内からアグネスワルツが顔を出している。
ジュエルオブナイルが1馬身ぐらいリードしながら、4コーナーのカーヴへと入ってくる。直線入口では、後続馬もドッと接近。内回りの4コーナーのポカっと開いた空間の横を、馬群は横に開いてゴールを目指す。
直線に入って、ほとんどの馬が参加したと思える程に横に開いてきた。残り1ハロンを過ぎるあたりで、先行したジュエルオブナイルやアグネスワルツの横を、サングレアズールが先頭にスルスルと出た。と、思う間もなく、その外めをショウリュウムーンが馬群の中から抜け出して、一気に先頭に踊り出て行く。脚色がサングレアズールとはまったく違う。
外ではヒカルアマランサスも追い込んできた。内ではレディアルバローザが脚を伸ばし、大外をリビアーモが追い込んできていた。
先頭は完全にショウリュウムーンが抜けている。ヒカルアマランサスが2番手に上がったあたりがゴール。もう浜中Jが右ステッキを上にあげている瞬間でもあった。
浜中Jとのコンビも鳴尾記念、そして正月の金杯と3度め。そして今回はハミを替える工夫もしてきた様だ。それだけにこの復活劇、いやアパパネを破った時は相手が早めの仕掛けに乗じたところもあったが、今回は完全に切れ味で勝ったレース。むしろあの時以上の切れであり、瞬発力である。
最後の2ハロンが11.2~11.3であり、ゴール前はもう勝利のパフォーマンスなのであるから想像以上の数字だろう。
今年の牝馬路線、マイル路線でのおおいなる期待が出きうる馬の復活と言えよう。
それにしても、アグネスワルツやアプリコットフィズの惨敗。アプリコットは、休み明けと輸送競馬もあるかも知れない。アグネスワルツは、暮れにも使って好調を持続と思えたはず。牝馬が難しいのか競馬が難しいのか、相変わらず混迷は続く…。選択肢が広がる勝利でもあったはず。大きい重賞制覇であろう。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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