[湖の貴婦人・ダームドゥラック]早くも女王の片鱗を漂わす!

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トピックス

日曜函館9R
ラベンダー賞
芝1200m
勝ちタイム1.10.8

ダームドゥラック(牝2、父シンボリクリスエス・栗東、領家厩舎)

好発から好位でレースを進めたダームドゥラック。4コーナーでも前を行く2頭の間がパカっと開いて難なく先頭へと出て行く。内で粘るナイスヘイローとの追い合いとなったが、手応えも楽。仕上がり早やだけで新馬を勝ったわけではないところを見せてくれた。2着には、そのナイスヘイローがスタートでの加害として降着。地方馬ステルミナートが追い上げてきて、3番手に上がっての入線から繰り上がった。

ゲートの出はやはり外の方が速かった。大外のウィナーズマックスが開いた瞬間に前へ出ていた。逆に内の2頭の出が遅い。一番内のコスモワイルドと隣りのナイスヘイローが、他の馬よりも体ひとつ遅れた様に見えた。その2頭がその後にアクシデントを発生した様子。出た後の進路で、最内のコスモワイルドを押しやる格好となってしまう。

1ハロンの半分も行ったあたりで、クールユリアが先頭となる。スッと2番手にダームドゥラックがつける。その後にローレルボルケーノコスモルーシーが並ぶ。と、内めから追い上げてきたナイスヘイローが前をうかがう。その前では、クールユリアが外へ逃げ気味な様子で、鞍上が手綱で矯正しているのが見える。
2ハロンを過ぎて3ハロンにかかるあたりで、今度は先頭の開いている内にナイスヘイローが入って行く。ここらも自然の流れで当然の事だろう。

3番手に、1馬身差でダームドゥラックが楽な手応えで進んでいる。その内ではローレルボルケーノがやや追い出した感じだ。直後ではコスモルーシーがやや追って上がり気味。4コーナーへとかかってくる頃には、先頭のクールユリアがかなり外へと逃げ気味となっている様子で、しきりに鞍上が後ろからの馬の進路を邪魔しないように気を使っているのが見える。

カーヴを回って直線に入ってくる時には、内ラチ沿いを走るナイスヘイローとクールユリアの間がかなり空く。そこへ楽にダームドゥラックが入ってくる。そして難なく先頭へと躍り出た格好だ。
楽に抜いて前へと出るだろうと見ていると、内のナイスヘイローが渋太い。もう一度抜かせない様に前へと出たかも知れない。2頭の追い合いが残り1ハロン過ぎぐらいから続き、やっと半馬身出てゴールを迎えた。

そして審議のランプが付いた。結果、ナイスヘイローがコスモワイルドの進路を妨害したとの事で降着となった。
2着にはウィナーズマックスとの追い合いに勝ったステルミナートが繰り上がった。そしてもう1件の審議のビデオを見る。
4コーナーへと向かう少し手前で、地方馬どうしのアクシデント。ニシノファイターが急に内へ切れ込んで、後を進んでいたサンレイレーザーが急ブレーキ。カーヴを回る時には、ブービーまで下がっているこの馬。そこから直線で追い上げて5番手で入ってきたもの。4着繰り上がりだが、まともにスムーズに回れていたら、この馬の成績は一体どこまで上がっていたのかと思える程だった。

そう言ったイロイロな事があった中で、勝ち馬のダームドゥラックは我関せずの感じでスッと2番手、そこから好位3番手となり、直線入り口でも前が楽に開いていく。そして最後は実際には1馬身差の勝利となった様に、ちゃんと結果に出てくる。

この函館の初陣を飾り、2勝目も一番早くに挙げたダームドゥラック。前日にやはり新馬勝ちしたファインチョイスとどちらが強いのかを領家師に今度出会った時に聞いてみたいと思っている。
そしてどうやらこのダームドゥラックは、2歳Sに眼もくれずに秋に備えるらしい。ここらもジックリとお聞きしたいものである。
JRA育成馬だけで仕上がり早やは判ってはいるが、それだけでない。函館の芝コースでの追い切りで、フットワークの良さをこの眼で見ている。この後もおおいに楽しみにしたい。


日曜京都5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.3

ゴーイングパワー(牡2、父サクラバクシンオー・栗東、岩元厩舎)

ゲートを真っ先に飛び出したゴーイングパワー。結局は、そのまま後続馬に並ばれる事なく先頭でゴールへと入った。しかし直線では内めから外へと出してきてのもの。逃げた馬には辛い芝のコンディションであるが、それだけ余力を残しての先行となった模様。上がり3ハロンが34.7と数字も優秀なものであった…。

かなり荒れてきている芝コース。だから逃げていても外へ出してくるが理想であろう。まさしくその理想通りに進めたのがゴーイングパワーだ。
ゲートをポンと出て楽に先手。道中は息の入る逃げができ、その溜めを直線で生かす最高のレースぶり。
4コーナーは内めの3分どころ。はげた部分を避けたギリギリのところ。そこから少しずつ外へ出てきて、残り1ハロンからはかなり外めへと出てきている。ゴール前あたりはかなり内が悪いのだろう。それでも一度も後ろの馬に並ばれずの完勝。道中の差よりも、ゴールでの差が一番大きくなった程。

実際に、前半3ハロンは35.6で上がり3ハロンが34.7である。直線の残り1ハロンで、鞍上の和田Jが左ステッキを1発入れただけ。これはゴーサインをしただけの事だろう。ここではスピードも切れも違っていたようだ。

2着には、ドリームトレインが2番手を行っていたドナメデューサを、3番手からかわして入った。この馬はスタートは五分だったのだが、その後の瞬間が遅かった。その一瞬で差が出たが、その後にスッと上がって行く脚は速かった。前が楽をしていく流れでもあり、相手的にも悪かったものだけに、すぐにでも勝ち上がる馬だろう。

3着もサクラバクシンオー産駒のドナメデューサ。2番手から差されはしたのだが、牝馬でも478キロの馬体。心配はあるまい。
4着に、道中の位置取りからはなかなかいい脚だったウインラウニカ。スタートしてのダッシュ力がなかった様で、出た瞬間は最後方で位置が悪くなったもの。終いはいい脚を使っていたので、次走は大きく変わってくるに違いない。

勝ったゴーイングパワーは1週前のケイコでCW80秒、半マイルでも49秒台とかなりの好タイムを出す馬。直前週も終い11秒台と、かなりケイコ駆けする馬だ。5月30日生まれと決して早くない誕生でこの馬体と好素質。今日はスピードよりも切れを出しての勝ち上がりであるが、もっと速い感じの馬である。

初戦でこのパフォーマンスであり、先々が楽しみな馬だ。次走におおいに注目であろう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。