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好枠キリシマトリオが2馬身差の完勝!《平林雅芳 2歳観戦記》
2011/9/7(水)
日曜小倉5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.51.4
キリシマトリオ(牡2・ウインラデイウス・栗東・湯窪厩舎)
13秒台は2コーナーを廻る時ぐらいで、後は押しなべて12秒台の平均ペースの逃げを打った好枠キリシマトリオ。1000メートル通過が1.02.9と、申し分ない流れ。超遅いといった流れでなく、後続に脚を使わせたのか、結局は後ろに2馬身の差をつけての完勝となったゴールであった…。
1頭競走除外が出て10頭がスタンド前からのスタート。最内から出て行くキリシマトリオ。セイデスティニー、ダンツフォワード、外からビコークラウンと、前へ行きかげんの3頭が続く。やや1コーナーを廻るあたりまでは流れも速かった。しかし2コーナーに入るあたりでは落ちつきだし、一遍にペースは落ちる。そこをブライトライン、そしてゲートの出が今一つだったサプライズも追いついてきた。
向こう正面の残り800メートルのあたりでは、先頭から最後方まで6馬身ぐらいと固まって進む。3コーナーを廻り、残り600メートルのハロン棒あたりでは、先頭キリシマトリオに半馬身外がダンツフォワード。その外のビコークラウンがやや追い出したが、半馬身差。直後が内セイデステニーで、外がアンカツJのブライトラインが持ったままで待っている。その間に入ってサプライズが続いている。まだペースは一遍には速くはなってない。
4コーナーを廻る手前では前が3頭並ぶ。キリシマトリオにダンツフォワード、そしてブライトラインの勢いがいい。しかし最後方のナンヨーウゼンを除く9頭が4馬身ぐらいの塊となって、最後の直線へと入ってきた。
その直線だが、キリシマトリオが内からもう一度足を伸ばす。2番手のダンツフォワードの外を追い出しにかかったブライトラインだが、鞍上の意思に反して内へもたれ出す。矯正して再び追い出すが、ダンツフォワードの真後ろへと入ってしまう。
前はもうキリシマトリオが手綱を緩めたままゴール。ダンツフォワードが2着に粘り、追えないブライトラインの外を、ヒデノビクトリアが抜いて3着に上がっていた。
1000メートル通過が1.02.9の流れ。上がり2ハロンだけが速くなるペースだったがそれでも11.6~12.0と凄い数字でもない。先行馬ペースで終始した新馬戦らしい競馬だったと言えよう。父ウインラディウスは調べたらサンデーサイレンスの子供だった。そう数多くない産駒が嬉しい新馬勝ち。ここらが競馬の面白さだろう。
土曜札幌5R
2歳新馬
ダ1700m
勝ちタイム1.48.4
ベルモントレーサー(牡2・父スパイキュール・美浦・鈴木伸厩舎)
ダートの新馬戦となれば、ゴールドアリュール産駒が人気になるのも当然。ここには3頭もの産駒が出走し、人気を分けていた。しかし勝ったのは同じサンデーサイレンスを祖父に持つ、スパイキュール産駒のベルモントレーサー。好発から前々でレースを進め、4コーナーもいい感じの3番手で上がってきて、直線もその手応えのまま伸びてのデビュー勝ちを収めた。
2着は際どくなって粘るフェアリーロンドを、カアチャンコワイが追い詰めた様に見えたものだが、同着の結末。それにしても、最後の1ハロンが14.3。それを抜けない後続馬も、平均ペースの流れだったが、最後は脚もあがっていた様だ…。
やはり先手必勝である。一番先にゲートを出たのが、ベルモントレーサー。内からイースターパレードも悪くなく、前へと出て行く。その2頭の間のプライドキングダムと3頭が1コーナーへ向けていく。外からカアチャンコワイ、フェアリーロンド、グレートチャールズと差なく出てきた。
1コーナーを先頭で廻ったのが、イースターパレード。単騎先行の形となる。コーナーリングでヴィレビスティーが、プライドキングダムの内へと入って前へと進める。
ベルモントレーサーが外で4番手で2コーナーへと入っていく。フェアリーロンドはカアチャンコワイを内に従える感じで、6番手でカーヴを廻って向こう正面に入る。半ばではフェアリーロンドがさらに前に進めて5番手まで上がる。けっこう流れて行っているペースな様だ。
3コーナーを廻る時にはそれまで2馬身ぐらいの先行だったイースターパレードに、プライドキングダムが追っつけながら接近する。外ベルモントレーサーが手応え良く上がって行き、それを追いかける様にフェアリーロンドが続く。
最後のカーヴを廻る時には、もう先頭はベルモントレーサーが出た様だ。それもかなりいい手応えである。
その後ろのフェアリーロンドは、もうつつ一杯の手応えである。直後をアドマイヤキララとカアチャンコワイが上がってきている。
直線に入って前へと出たベルモントレーサー。それを追うフェアリーロンド。内にいる先行馬はもう脚色に余裕がなくなってきている。残り1ハロンを過ぎて楽勝かと思えたベルモントレーサーだが、あまり差を広げられない。ジワジワとした伸びでしかないが、後ろもスパッと切れる脚を使う馬が出てこない。一杯一杯になりながら前を追うフェアリーロンド。アドマイヤキララと並んで来ていたカアチャンコワイが伸び出してきた。ベルモントレーサーももう脚がバタバタした感じながら、追いかけるフェアリーロンドと並び出したカアチャンコワイもジワジワとした詰めだ。
最後は1馬身と少し先着したベルモントレーサーの勝利。2着は、フェアリーロンドとカアチャンコワイが同着でゴールを通過していた。4着に後方からいい脚を使ったグレートチャールズ。かなり目立つ脚色であった。
ベルモントレーサーは、函館ウッドでの調整。と言うか、4着のグレートチャールズ以外の1着~5着までの馬が函館調整。札幌競馬ながら輸送してきて好成績を出す、そんな調教モードがけっこう多い。人気も意外と薄くなってしまうのもそんな点だろう。
ただゲートからポンと出て行って好位からの危なげない勝ち方。それも平均ペースを上回る流れについていっての勝利だけに、ベルモントレーサーは実戦味がある馬だという事であろう。
土曜札幌6R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.12.1
ジャーエスペランサ(牡2・父キングカメハメハ・美浦・石毛厩舎)
だいぶ空も暗くなって、雨もけっこう目立つ札幌競馬場。逃げたリトルボスが何とか押し切ろうかの直線だったが、4コーナーでその外へ並んで廻ってきたジャーエスペランサ。直線1ハロンからはもう危なげない勝利となったもの。
2着には、外めを伸びたローレルゲレイロの弟イントゥザブルーが確保したが、下が緩いのか、思った程に伸びれてない印象を持った。
人気のディープインパクト産駒のスマートディルハムは、4コーナーから手応えが怪しくなってしまい最後は伸びを欠いていて、やや期待外れの結果となってしまった…。
ゲートが開いてポーンと出たのがジャーエスペランサ。内からリトルボスが追って来たので、それを行かせての2番手に納まる。それでも1ハロンめは2馬身ぐらいの2番手だったが、すぐに間隔を詰めてあまり前に楽をさせない気持ちでのレースぶりとなる。3番手には人気のスマートディルハムだが、やや最初は気負っているのか、いい感じの追走とは言い難い。その後ろにイントゥザブルーとなる。
レースのちょうど半分の3ハロン棒では、先頭リトルボスに1馬身差で続いてジャーエスペランサ、さらに1馬身差でスマートディルハム。そこから1馬身半ぐらい外でイントゥザブルーが続く。3ハロン通過が35.5だからそう速くはないペースだ。
残り400のハロン棒通過の時にはさらに前は接近して、リトルボスに並ぶジャーエスペランサ。その外へスマートディルハムも並び、さらに外にイントゥザブルーと4頭がほぼ真横に並んで直線へと入ってきた。しかし前へ行っていた2頭はカーヴを小さく廻ってきた。スマートディルハムはここらでややついて行けなくなってきたのか、鞍上の手応えが忙しくなる。その外のイントゥザブルーはやや外めへと出てしまったコーナーリングだ。
残り1ハロンで、リトルボスを離しだすステッキを使って促す三浦Jのジャーエスペランサ。内で何とか粘ろうとしているリトルボス。後ろではイントゥザブルーが、やっと追い上げ体勢となって前を追う。スマートディルハムは、ますます伸びがなくなってきた。内からベルウットブレッドが抜いて前へ出る。
手綱をシャクって追う三浦Jだが、その割にはジャーエスペランサは鋭い伸びといった感じではない。また追って2番手に上がってきたイントゥザブルーの伸びも際立ったものではない。空から降りてくる雨が、洋芝で滑りがあるのだろうか。最後の1ハロンは12.7も要していた。
スマートディルハムは、最後にオメガチビマルコにも抜かれて6着と、苦いデビュー戦となった。ジャーエスペランサも函館での調整組だが、そのケイコ時計もそんなに速い時計を出しているわけでもない。だから9頭立ての7番人気の支持となった模様。だがゲートの出といい早め先頭の形といい、実戦で良い勝負根性の馬の様だ。
土曜日の札幌の新馬戦2鞍ともに、関東馬に凱歌が上がった。
日曜札幌5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.54.5
アドマイヤトライ(牡2・父シンボリクリスエス・栗東・橋田厩舎)
テレビ画面でだが、パドックを周回しているアドマイヤトライの馬体は群を抜いて良く見えた。毛艶もピカピカ。何よりも品がある。向こう正面に入ると13秒台が続くかなり遅い流れ、そんな中でも中団の内めを折り合いがついて直線でも反応が良く、ゴール前では逃げ込まんとするレッドグランザに最後の決めをするあたりが非凡な器。楽しみな馬の出現となった札幌1800芝の新馬戦であった…。
まずゲートで、最内枠のクロンヌドールが上へ飛び上がる様な出方をして、かなり遅れをとってしまった。ディープインパクト産駒のカムイビスティーも出が悪く、3馬身ぐらいのビハインドとなる。ダッシュ良く行くのがカイシュウタビビト。その内からレッドグランザも出がいい。ファストメモリー、スフィンクスと続いて、1コーナーへと向かって行く。
ややカーヴを膨れ気味に廻ったのがスフィンクス。結局は、⑥枠2頭の先行となった。コーナーリングで内のレッドグランザが前へ出て、カイシュウタビビトが2番手。外をスフィンクスがやや掛かり気味に並走する。内へ入ったのがファストメモリー。そこから2馬身ぐらい後ろにディアコンコルドとルミナスグルーヴが並び、アドマイヤトライはその後ろを追走して2コーナーを廻って行った。
もうユッタリな流れとなっている。前半3ハロンを38.5とかなり遅めだ。向こう正面になって、先行集団は内から順に前となって3頭。その後ろも3頭で、ここの一番後ろの外めにアドマイヤトライが上がっている。
残り800メートルの地点では、先頭はレッドグランザで、半馬身差でカイシュウタビビト。その外にクビ差でスフィンクス。そこから後ろには同じ勝負服が並ぶ。内がファストメモリーで、半馬身差でルミナスグルーヴ。その外にピタっとアドマイヤトライ。さらに後ろの内ラチ沿いにディアコンコルドで、ここらで先頭から5馬身もない。1000メートル通過が1.05.0とかなりユッタリだ。完全に上がり勝負、切れ味勝負である。
そして4コーナー手前の残り400メートルのハロン棒では、外をもうアドマイヤトライが、先行集団3頭の前へと出てきている。ここらが川田J、躍進の術。自分から出て行く競馬だ。
カーヴを廻る時からもう追い出した勝負どころ。スフィンクスは脱落して前が3頭。コーナーワークでアドマイヤトライがまた3番手になって直線へ向いたのだが、ほとんど差がない感じだ。最後方のクロンヌドールも一番内を追いついて、馬群もひと塊に近い。そして最後の1ハロンを迎える。
もうひと脚を使って逃げ込まんとするレッドグランザ。真ん中のカイシュウタビビトは遅れ気味だ。アドマイヤトライがまだ劣勢で、1馬身ぐらいの差で先頭を追う。
ゴールが近づくにつれて、レッドグランザとアドマイヤトライの馬体が並び出す。ゴール寸前で、川田Jが手綱を前へと押して馬を促す感じでゴールへと入った。
3着争いも3頭が並んで入った。最後の2ハロンが11.8~11.9のフィニッシュ。完全にレースを作った四位Jのレッドグランザだが、川田Jの気迫勝ちのアドマイヤトライの勝利。着差はクビもあった。
こう言ってはなんだが、やはり北海道シリーズにはいい馬がデビューしている。レベルが高い新馬戦となっている。たとえここで負けても将来は明るいものだろう。でもそこを素質で制す馬は、もっと高い視線であろう。
そんな気持ちにさせられた、ハイクオリティな新馬戦であった。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.51.4
キリシマトリオ(牡2・ウインラデイウス・栗東・湯窪厩舎)
13秒台は2コーナーを廻る時ぐらいで、後は押しなべて12秒台の平均ペースの逃げを打った好枠キリシマトリオ。1000メートル通過が1.02.9と、申し分ない流れ。超遅いといった流れでなく、後続に脚を使わせたのか、結局は後ろに2馬身の差をつけての完勝となったゴールであった…。
1頭競走除外が出て10頭がスタンド前からのスタート。最内から出て行くキリシマトリオ。セイデスティニー、ダンツフォワード、外からビコークラウンと、前へ行きかげんの3頭が続く。やや1コーナーを廻るあたりまでは流れも速かった。しかし2コーナーに入るあたりでは落ちつきだし、一遍にペースは落ちる。そこをブライトライン、そしてゲートの出が今一つだったサプライズも追いついてきた。
向こう正面の残り800メートルのあたりでは、先頭から最後方まで6馬身ぐらいと固まって進む。3コーナーを廻り、残り600メートルのハロン棒あたりでは、先頭キリシマトリオに半馬身外がダンツフォワード。その外のビコークラウンがやや追い出したが、半馬身差。直後が内セイデステニーで、外がアンカツJのブライトラインが持ったままで待っている。その間に入ってサプライズが続いている。まだペースは一遍には速くはなってない。
4コーナーを廻る手前では前が3頭並ぶ。キリシマトリオにダンツフォワード、そしてブライトラインの勢いがいい。しかし最後方のナンヨーウゼンを除く9頭が4馬身ぐらいの塊となって、最後の直線へと入ってきた。
その直線だが、キリシマトリオが内からもう一度足を伸ばす。2番手のダンツフォワードの外を追い出しにかかったブライトラインだが、鞍上の意思に反して内へもたれ出す。矯正して再び追い出すが、ダンツフォワードの真後ろへと入ってしまう。
前はもうキリシマトリオが手綱を緩めたままゴール。ダンツフォワードが2着に粘り、追えないブライトラインの外を、ヒデノビクトリアが抜いて3着に上がっていた。
1000メートル通過が1.02.9の流れ。上がり2ハロンだけが速くなるペースだったがそれでも11.6~12.0と凄い数字でもない。先行馬ペースで終始した新馬戦らしい競馬だったと言えよう。父ウインラディウスは調べたらサンデーサイレンスの子供だった。そう数多くない産駒が嬉しい新馬勝ち。ここらが競馬の面白さだろう。
土曜札幌5R
2歳新馬
ダ1700m
勝ちタイム1.48.4
ベルモントレーサー(牡2・父スパイキュール・美浦・鈴木伸厩舎)
ダートの新馬戦となれば、ゴールドアリュール産駒が人気になるのも当然。ここには3頭もの産駒が出走し、人気を分けていた。しかし勝ったのは同じサンデーサイレンスを祖父に持つ、スパイキュール産駒のベルモントレーサー。好発から前々でレースを進め、4コーナーもいい感じの3番手で上がってきて、直線もその手応えのまま伸びてのデビュー勝ちを収めた。
2着は際どくなって粘るフェアリーロンドを、カアチャンコワイが追い詰めた様に見えたものだが、同着の結末。それにしても、最後の1ハロンが14.3。それを抜けない後続馬も、平均ペースの流れだったが、最後は脚もあがっていた様だ…。
やはり先手必勝である。一番先にゲートを出たのが、ベルモントレーサー。内からイースターパレードも悪くなく、前へと出て行く。その2頭の間のプライドキングダムと3頭が1コーナーへ向けていく。外からカアチャンコワイ、フェアリーロンド、グレートチャールズと差なく出てきた。
1コーナーを先頭で廻ったのが、イースターパレード。単騎先行の形となる。コーナーリングでヴィレビスティーが、プライドキングダムの内へと入って前へと進める。
ベルモントレーサーが外で4番手で2コーナーへと入っていく。フェアリーロンドはカアチャンコワイを内に従える感じで、6番手でカーヴを廻って向こう正面に入る。半ばではフェアリーロンドがさらに前に進めて5番手まで上がる。けっこう流れて行っているペースな様だ。
3コーナーを廻る時にはそれまで2馬身ぐらいの先行だったイースターパレードに、プライドキングダムが追っつけながら接近する。外ベルモントレーサーが手応え良く上がって行き、それを追いかける様にフェアリーロンドが続く。
最後のカーヴを廻る時には、もう先頭はベルモントレーサーが出た様だ。それもかなりいい手応えである。
その後ろのフェアリーロンドは、もうつつ一杯の手応えである。直後をアドマイヤキララとカアチャンコワイが上がってきている。
直線に入って前へと出たベルモントレーサー。それを追うフェアリーロンド。内にいる先行馬はもう脚色に余裕がなくなってきている。残り1ハロンを過ぎて楽勝かと思えたベルモントレーサーだが、あまり差を広げられない。ジワジワとした伸びでしかないが、後ろもスパッと切れる脚を使う馬が出てこない。一杯一杯になりながら前を追うフェアリーロンド。アドマイヤキララと並んで来ていたカアチャンコワイが伸び出してきた。ベルモントレーサーももう脚がバタバタした感じながら、追いかけるフェアリーロンドと並び出したカアチャンコワイもジワジワとした詰めだ。
最後は1馬身と少し先着したベルモントレーサーの勝利。2着は、フェアリーロンドとカアチャンコワイが同着でゴールを通過していた。4着に後方からいい脚を使ったグレートチャールズ。かなり目立つ脚色であった。
ベルモントレーサーは、函館ウッドでの調整。と言うか、4着のグレートチャールズ以外の1着~5着までの馬が函館調整。札幌競馬ながら輸送してきて好成績を出す、そんな調教モードがけっこう多い。人気も意外と薄くなってしまうのもそんな点だろう。
ただゲートからポンと出て行って好位からの危なげない勝ち方。それも平均ペースを上回る流れについていっての勝利だけに、ベルモントレーサーは実戦味がある馬だという事であろう。
土曜札幌6R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.12.1
ジャーエスペランサ(牡2・父キングカメハメハ・美浦・石毛厩舎)
だいぶ空も暗くなって、雨もけっこう目立つ札幌競馬場。逃げたリトルボスが何とか押し切ろうかの直線だったが、4コーナーでその外へ並んで廻ってきたジャーエスペランサ。直線1ハロンからはもう危なげない勝利となったもの。
2着には、外めを伸びたローレルゲレイロの弟イントゥザブルーが確保したが、下が緩いのか、思った程に伸びれてない印象を持った。
人気のディープインパクト産駒のスマートディルハムは、4コーナーから手応えが怪しくなってしまい最後は伸びを欠いていて、やや期待外れの結果となってしまった…。
ゲートが開いてポーンと出たのがジャーエスペランサ。内からリトルボスが追って来たので、それを行かせての2番手に納まる。それでも1ハロンめは2馬身ぐらいの2番手だったが、すぐに間隔を詰めてあまり前に楽をさせない気持ちでのレースぶりとなる。3番手には人気のスマートディルハムだが、やや最初は気負っているのか、いい感じの追走とは言い難い。その後ろにイントゥザブルーとなる。
レースのちょうど半分の3ハロン棒では、先頭リトルボスに1馬身差で続いてジャーエスペランサ、さらに1馬身差でスマートディルハム。そこから1馬身半ぐらい外でイントゥザブルーが続く。3ハロン通過が35.5だからそう速くはないペースだ。
残り400のハロン棒通過の時にはさらに前は接近して、リトルボスに並ぶジャーエスペランサ。その外へスマートディルハムも並び、さらに外にイントゥザブルーと4頭がほぼ真横に並んで直線へと入ってきた。しかし前へ行っていた2頭はカーヴを小さく廻ってきた。スマートディルハムはここらでややついて行けなくなってきたのか、鞍上の手応えが忙しくなる。その外のイントゥザブルーはやや外めへと出てしまったコーナーリングだ。
残り1ハロンで、リトルボスを離しだすステッキを使って促す三浦Jのジャーエスペランサ。内で何とか粘ろうとしているリトルボス。後ろではイントゥザブルーが、やっと追い上げ体勢となって前を追う。スマートディルハムは、ますます伸びがなくなってきた。内からベルウットブレッドが抜いて前へ出る。
手綱をシャクって追う三浦Jだが、その割にはジャーエスペランサは鋭い伸びといった感じではない。また追って2番手に上がってきたイントゥザブルーの伸びも際立ったものではない。空から降りてくる雨が、洋芝で滑りがあるのだろうか。最後の1ハロンは12.7も要していた。
スマートディルハムは、最後にオメガチビマルコにも抜かれて6着と、苦いデビュー戦となった。ジャーエスペランサも函館での調整組だが、そのケイコ時計もそんなに速い時計を出しているわけでもない。だから9頭立ての7番人気の支持となった模様。だがゲートの出といい早め先頭の形といい、実戦で良い勝負根性の馬の様だ。
土曜日の札幌の新馬戦2鞍ともに、関東馬に凱歌が上がった。
日曜札幌5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.54.5
アドマイヤトライ(牡2・父シンボリクリスエス・栗東・橋田厩舎)
テレビ画面でだが、パドックを周回しているアドマイヤトライの馬体は群を抜いて良く見えた。毛艶もピカピカ。何よりも品がある。向こう正面に入ると13秒台が続くかなり遅い流れ、そんな中でも中団の内めを折り合いがついて直線でも反応が良く、ゴール前では逃げ込まんとするレッドグランザに最後の決めをするあたりが非凡な器。楽しみな馬の出現となった札幌1800芝の新馬戦であった…。
まずゲートで、最内枠のクロンヌドールが上へ飛び上がる様な出方をして、かなり遅れをとってしまった。ディープインパクト産駒のカムイビスティーも出が悪く、3馬身ぐらいのビハインドとなる。ダッシュ良く行くのがカイシュウタビビト。その内からレッドグランザも出がいい。ファストメモリー、スフィンクスと続いて、1コーナーへと向かって行く。
ややカーヴを膨れ気味に廻ったのがスフィンクス。結局は、⑥枠2頭の先行となった。コーナーリングで内のレッドグランザが前へ出て、カイシュウタビビトが2番手。外をスフィンクスがやや掛かり気味に並走する。内へ入ったのがファストメモリー。そこから2馬身ぐらい後ろにディアコンコルドとルミナスグルーヴが並び、アドマイヤトライはその後ろを追走して2コーナーを廻って行った。
もうユッタリな流れとなっている。前半3ハロンを38.5とかなり遅めだ。向こう正面になって、先行集団は内から順に前となって3頭。その後ろも3頭で、ここの一番後ろの外めにアドマイヤトライが上がっている。
残り800メートルの地点では、先頭はレッドグランザで、半馬身差でカイシュウタビビト。その外にクビ差でスフィンクス。そこから後ろには同じ勝負服が並ぶ。内がファストメモリーで、半馬身差でルミナスグルーヴ。その外にピタっとアドマイヤトライ。さらに後ろの内ラチ沿いにディアコンコルドで、ここらで先頭から5馬身もない。1000メートル通過が1.05.0とかなりユッタリだ。完全に上がり勝負、切れ味勝負である。
そして4コーナー手前の残り400メートルのハロン棒では、外をもうアドマイヤトライが、先行集団3頭の前へと出てきている。ここらが川田J、躍進の術。自分から出て行く競馬だ。
カーヴを廻る時からもう追い出した勝負どころ。スフィンクスは脱落して前が3頭。コーナーワークでアドマイヤトライがまた3番手になって直線へ向いたのだが、ほとんど差がない感じだ。最後方のクロンヌドールも一番内を追いついて、馬群もひと塊に近い。そして最後の1ハロンを迎える。
もうひと脚を使って逃げ込まんとするレッドグランザ。真ん中のカイシュウタビビトは遅れ気味だ。アドマイヤトライがまだ劣勢で、1馬身ぐらいの差で先頭を追う。
ゴールが近づくにつれて、レッドグランザとアドマイヤトライの馬体が並び出す。ゴール寸前で、川田Jが手綱を前へと押して馬を促す感じでゴールへと入った。
3着争いも3頭が並んで入った。最後の2ハロンが11.8~11.9のフィニッシュ。完全にレースを作った四位Jのレッドグランザだが、川田Jの気迫勝ちのアドマイヤトライの勝利。着差はクビもあった。
こう言ってはなんだが、やはり北海道シリーズにはいい馬がデビューしている。レベルが高い新馬戦となっている。たとえここで負けても将来は明るいものだろう。でもそこを素質で制す馬は、もっと高い視線であろう。
そんな気持ちにさせられた、ハイクオリティな新馬戦であった。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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