-セントウルS-平林雅芳の目

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トピックス


日曜阪神11R
セントウルS(GⅡ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.5

エーシンヴァーゴウ(牝4、父ファルブラヴ・栗東・小崎厩舎)

※※エーシンヴァーゴウが逆転でスプリント女王に輝く!!

テイエムオオタカの逃げに乗ったエーシンヴァーゴウ。2頭で後続を離しての先行だが、前半3ハロンが34.1はオープンでは楽すぎるもの。直線に入ってもそのまま楽な手応えで進む先行2頭。ゴール前ではドッと押し寄せてきた後続の中から伸びてきたのはラッキーナインだったが、エーシンヴァーゴウが先にゴールへと入っていた。59キロを背負ったラッキーナインは、馬群の中を内めから鋭く伸びてきたものだが体勢的に不利。1番人気のダッシャーゴーゴーが1/2馬身差の3着。
この勝利でエーシンヴァーゴウは、新潟のアイビー・サマーダッシュと、このセントウルSの勝利ポイントで、カレンチャンを堂々と抜いてのサマー・スプリント・シリーズの逆転勝利で、栄冠に輝いた。

パドックで見ていても、8歳グリーンバーディーよりも初来日の4歳馬ラッキーナインの方が落ち着いてユッタリと廻っている様に見えて、好感度が大であった。騎乗合図がかかって馬上のプレブルJと会話をしている。おそらく調教師との二人の雰囲気がとってもリラックスしていて、場馴れしている感じさえ受けたものだ。逆にアングランドJは、騎乗の前の整列を武豊Jに教えて貰っていたし、何か初物と言った感じがアリアリと見受けたものだった。ダッシャーゴーゴーは、この馬体重なのだがやや細めに見えたものであった・・。
そして返し馬をそれぞれしていったが、ラッキーナインが硬い馬との報道を読んだが、実際にはそんな感じはなく、《おお、やっぱり雰囲気いいわ~》と思えるものでもあった。

向こう正面の半ばあたりからのゲート入り。開いてポンと出たのが、例によってテイエムオオタカ。毎度速い馬である。それにすかさずエーシンヴァーゴウが追っていく。すぐに後続との差が出ていく。内側の馬のダッシュが良くエーシンリジルヘッドライナーとやはり前で仕事する馬が出ている。ダッシャーゴーゴーも早めに前々に位置している。外国馬ではラッキーナインの方が半分ぐらいの位置。グリーンバーディーの方が少し後ろである。サンカルロがその後に位置していた。
3ハロンを過ぎるあたりでも、後続は前にそう接近していく感じがない。逆にエーシンヴァーゴウの鞍上が、手綱を抑えるのを苦労しているかの様なシルエットが見られた。
4コーナーが近づいて行ったが、前はそんなに急接近した感じはなかった。カーヴを廻る少し前くらいに後ろで動きがあった様だ。馬群の中の位置はやや後ろ目にいたグリーンバーディーが外へ出して上がって行こうとして、その外を走っていたトウカイミステリースギノエンデバーを外へ弾き飛ばしてしまった様子だった。

その後ろにいたサンカルロも、やや前の動きに反応している感じもあった様に見えた。そんな喧騒をよそに、前ではテイエムオオタカが軽快に逃げて、エーシンヴァーゴウ、外をダッシャーゴーゴーが伸びていく。後ろからはラッキーナインが馬群の中から内目を鋭く伸びて、一番先頭まで突き抜けそうな脚色で迫っていく。その一瞬後ろの外をグリーンバーディーも伸びていたが、前までは届ききらず。内めからサンカルロがやっと隙間を見つけて伸びて来ていたが、これも届かない勢い。
結局、エーシンヴァーゴウとラッキーナインの写真になって、ダッシャーゴーゴーは3着の処に馬番がすぐに出た。ラッキーナインが59キロを背負ってあの狭い処を縫ってくるのだから、やはり地力は十分。そしてグリーンバーディーもとても届くような位置でない処から、外を廻って4着(後で降着となったが・・)とは、これもやはり持てる能力は凄い馬でもある。

勝ったエーシンヴァーゴウは絶好のポジションを得て、前々でかなり有利な流れを引き寄せていけた。3頭出しのエイシン軍団と2頭出しの安田厩舎との対決であったが結局、最高の形となったのがエーシンヴァーゴウの勝利。シリーズの頂上まで届く価値ある勝利でもあった。
ゴール前の最後のグイっと伸びたのが、実に大きな勝利であった。終わりよければ全て良しであった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。