競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【ユニコーンS】結局は外人騎手3人の戦いか
2020/6/16(火)
ユニコーンステークスに18頭の登録があった。2勝馬が14頭、2頭が除外となる。オープン馬4頭の前走ビデオを見直した。
フルフラットだけはドバイなので自分のなかの映像を思い浮かべる。カフェファラオの前走は、スタート直後に内の馬と接触。位置が後ろになったが、道中は終始外め。砂を被らないようにか。最後まで真っすぐ走る走法はいい。サトノラファールは出が悪く後ろで。やや大味の競馬だったし、距離が1400がいいのかも。
デュードヴァンは、勝つには勝ったが最後のゴール前で出たと言った感じだった。ミルコは乗れるものならカフェファラオを選ぶのではないか。2勝馬でレッチェバロックも見直す。ルメールが3回も後ろを振り返った。最後の1ハロン、13.4がそうさせたのか。止まっても9馬身差。先手はこの馬。結局は外人騎手3人の戦いか。
【マーメイドステークスの回顧】
20年6/14(日)3回阪神4日目11R 第25回 マーメイドステークス(G3)(芝2000m)
- サマーセント
- (牝4、栗東・斉藤崇厩舎)
- 父:ハービンジャー
- 母:プリムローズレーン
- 母父:サンデーサイレンス
マーメイドステークス(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒
関西も土曜は雨がかなり降った。それでも阪神競馬場の芝は何ともない。まだ2週目でもあり、青々とした芝がしっかりと根づいて雨をものともしない様相だ。昼からは稍重まで回復。東京競馬場がどんどん悪化してどこを通っても一緒、いや逆に距離損を考えると内有利になっているのを気の毒に思いながらメイン、マーメイドステークスを迎えた。
注目は藤田菜七子騎乗のナルハヤ。本当はもっと時計のかかる馬場コンディションの方が理想だと思ってもいた。自分は内を廻り他馬は外を廻る、それでいて差しが利く馬場でないのが一番と。
朝から5レース目の芝、もう道悪とは言えない馬場となった。そしてナルハヤにはもうひとつの懸念が。サマーセントが外からどれだけ来るのか。どうしても向こうが先手主張ならナルハヤは2番手でもいい。最初に脚を使わせないで欲しい、とまるでオーナーかと思えるほどに展開を読む。スタートも決まって、サマーセントも外から来たが一番前までは出ようとしなくまずは安心。
だがもう1頭が外にいる。マルシュロレーヌが、これだけ来るんだとまた要らぬ心配をする。それでも淡々と流れて行く。エアジーン、センテリュオも後ろの方だ。ただ、そう速くはないペースだがサマーセントがやけにピッタリと喰っいてくる。ま、内と外の差があるから大丈夫と自分に言い聞かせる。
ところが、3角を過ぎてあと800のあたりでもう並びだす。外のマルシュロレーヌも同じ様に来る。一気にペースが上がる。それもサマーセントの勢いがいい。4角まで手が動かないのが理想だがの願いは、はや破られる。
3頭が並んで直線へ入ってくる。ナルハヤの粘りもあと200まで。サマーセントが抜けて、ナルハヤとマルシュロレーヌの間をセンテリュオが凄い脚を使ってきた。エアジーンは外々の分で5着。ナルハヤは残念ながら4着と馬券外。
それにしてもサマーセント、オープン初挑戦での勝利。強かった。斎藤崇厩舎、勢いある厩舎ならではの結果か。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。